Honda×JFE東日本【都市対抗南関東予選】
6/2 都市対抗南関東予選 第1代表決定戦準決勝
Honda×JFE東日本 @県営大宮球場
試合経過
都市対抗の南関東の第1代表決定戦の準決勝は、この試合に勝てばその後は3連敗しない限り都市対抗に出場できるという立場になる。JFE東日本は中林、Hondaは福島というともに経験豊富なエースが先発する重要な1戦である。JFEは1回裏、先頭の中澤がいきなり右中間を破る2ベースでチャンスメイクすると、バントで3塁に送ってから4番中嶋の犠牲フライで先制する。
しかし2回表、Hondaはこの先頭の4番佐藤が左中間に2ベースを放つも、5.6番は中林の前に連続三振。これでチャンスは途切れたかと思ったが、ここから遠藤・松田と連続四球で満塁。9番篠塚はレフト前にうまく流して同点、さらに1番木浪は左中間を破る走者一掃のタイムリー2ベースでHondaが逆転。さらに中林は足を気にするような素振りを見せて、1回ベンチに戻るとそのまま交代となってしまう。代わった江川は3番井上にタイムリーを浴びてしまい、Hondaが5-1と一気に試合をひっくり返す。
幸先よく先制も、エース中林が2回に負傷交代で逆転されると流れとしては最悪なJFEであったが2回裏…先頭の吉川がヒットで出塁すると、8番土屋は左中間、9番佐藤はレフトオーバー、1番中澤はライト線と3連続長打のタイムリーが飛び出して1点差。2死となって3番の左バッター内藤を迎えたところで、Hondaは2番手としてマウンドに左腕東野を送る。東野は内藤に四球を与えてしまうと、4番中嶋には三遊間を破られてしまい、JFEが5-5と同点に追いつく。試合は中林・福島という両エースが2回を持たずに降板と波乱すぎる序盤を迎えることとなった。

先制犠飛に同点タイムリーと4番の仕事を果たしたJFE東日本の中嶋
上記の通り同点タイムリーを浴びてしまった東野であるが、3回以降は素晴らしいピッチングでJFE打線を抑えていく(詳細はPickUpPlayerで…)。すると打線はそれに応えるように4回表、エラー・四球・内野安打で無死満塁とすると2番辻野が左中間に走者一掃のタイムリー2ベースを放ち3点を勝ち越し。ここから連続三振で2死となってしまうも、JFEの4番手本田(Honda相手に本田が投げることとなった)から鈴木・遠藤が連続タイムリーを放ち5点のリードを奪う。

4回に勝ち越しとなる走者一掃のタイムリー2ベースを放ったHonda辻野
Hondaは6回表にも5番の新人山本瑛が左中間スタンドにソロホームラン。アメリカの高校から慶応大に入学し、4年秋には打率.475をマークして首位打者を獲得。しかしもともと野球は大学で終えるつもりだったためにストレートでは社会人入りしなかったが、その後方針転換して、夏頃から横浜金港クラブで4番を務めると、同世代とは1年遅れでHondaに入社という異例の経歴をもつ新人が初の都市対抗を手繰り寄せる貴重な1発を放った。

6回にソロホームランを放ったHondaの5番ルーキーの山本瑛
東野の投球は快調そのもので、8回まで無失点。最終回は幸良が3人で抑えてHondaが11-6で勝利して第1代表決定戦進出を決めた。

※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください
まさかまさかの両エースが2回で降板となってしまった試合。この影響は両チームにどう出るのであろうか?
まずJFEに関していえば、他に先発投手がおらず中林のケガが軽症であることを願うばかりだ。今日の2番手以降の投手を見ても江川・在原・本田とHonda打線に捕まってしまっていた。7回以降は辻、小原が抑えたが試合展開的には緊迫した場面でないので評価しづらい。今日の敗北で都市対抗出場までに最低でも3試合は勝つ必要があり、中林が大丈夫だとしても2試合は他の投手で凌がなければいけいないのはキツいとか言いようがない。打線は福島を2回でKOしたのは見事であったが、3回以降は東野の前に完全沈黙と「打線は水物」という言葉を象徴するような展開であったためにやはり投手陣の奮起が必要となる。

2回で降板してしまったJFE東日本のエース中林であるが、足が軽症であることを願いたい
一方のHondaはこの後の試合を福島に任せるかは悩みどころだが、前日に好投をみせたドラ1候補の齋藤を筆頭に、左腕田村。さらに第1代表決定戦まで1日空くことを考えるとロングリリーフで好投をみせた東野も先発に使える。そういう意味ではJFEと違ってコマ不足となるわけではない。ただこの日明らかに球の威力がなかった福島をどう使うかが焦点で、このままどこかで先発を任せるのか…それとも世代交代で若手に先発を任せるのかは岡野監督にとっては悩みどころであろう。
ただエースの2回KOという事態にも全く同様しなかった戦いぶりはお見事。今年はスポニチ大会、JABA四国大会を制するなど結果も残していて、チームとしての出来は現在の社会人野球界でも1位2位を争うレベルだ。それを象徴するのが打線のラインナップで、ここのところずっと固定のメンバーで戦っている。社会人野球ともなると、控えのレベルも高いので少しでも調子を落とすと簡単にスタメンが入れ替わるが、この都市対抗予選の前からほぼスタメン固定で戦えているのは各選手が調子をキープすることができているからであろう。ここからは3連敗しない限りは都市対抗出場となるHonda。今年のチームは優勝候補筆頭といえるので、この調子をキープして頑張って欲しい。
Pickup Player
東野龍二 Honda 投手
~序盤の波乱を食い止める見事なロングリリーフ~
2回終わって5-5と波乱の幕開けとなった試合で、Hondaに落ち着きをもたらし勝利に導いたのはルーキー左腕の東野であった。
東野は履正社で阪本(大阪ガス)・東(セガサミー)とともに3本柱を形成して、2年春・3年春とセンバツ出場。宮本)ヤクルト)が主将を務める2年秋のチームでは大阪大会の決勝で大阪桐蔭相手に1失点完投勝利をあげる一方、背番号1を背負った3年夏は大阪桐蔭にリベンジされる形で敗れた。駒澤大では1年秋に今永(DeNA)に次ぐ先発2番手の座を獲得すると、2勝0敗防御率1.25の活躍で優勝に貢献。明治神宮大会でも決勝の明治大戦で5回無失点の好投を見せるなど、2試合に先発して優勝に貢献。2年春以降はエースとなるも、2年秋には2部降格。4年秋には2部トップの防御率1.10をマークするなど3勝をあげて、チームの1部復帰を置き土産にこの春Hondaに入社した。
Hondaでは春のスポニチ大会決勝で先発を務めると6回途中2失点で優勝に貢献するなど主に先発として活躍。しかしこの日はエース福島の不調により、2回からリリーフのマウンドに上がった。2回はやはり気持ち的にも準備ができていなかったか、内藤に四球を与えてしまい、続く中嶋に同点タイムリーを浴びるなどバタバタしていた。しかし3回からは落ち着いてきて東野らしいピッチング。ストレートはMax137㌔であったが、右バッターのインコースにクロスファイアー気味に投げ込むこともできていたし、120㌔中盤から後半のカットボール、120㌔ちょっとのスライダーと同じような変化球でもちょっとした球速差をつける投球。このほかに100㌔に満たないスローカーブ、チェンジアップとさらに遅い球でも緩急をつけるなど持ち前の投球術で相手打線を手玉にとっていった。
東野は3・4回を3人ずつで抑え、5回に初めてのヒットでランナーを許すと。6・7回はピンチを招いてしまうが要所はきっちりとし締めて8回まで無失点。最後は幸良にマウンドを譲ったが、6回1/3無失点という見事な内容。東野はルーキーながら都市対抗に向けて重要な戦力であるということを証明した形となった。

2回途中から8回まで無失点リリーフをみせたHondaのルーキー東野
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Honda×JFE東日本 @県営大宮球場
試合経過
都市対抗の南関東の第1代表決定戦の準決勝は、この試合に勝てばその後は3連敗しない限り都市対抗に出場できるという立場になる。JFE東日本は中林、Hondaは福島というともに経験豊富なエースが先発する重要な1戦である。JFEは1回裏、先頭の中澤がいきなり右中間を破る2ベースでチャンスメイクすると、バントで3塁に送ってから4番中嶋の犠牲フライで先制する。
しかし2回表、Hondaはこの先頭の4番佐藤が左中間に2ベースを放つも、5.6番は中林の前に連続三振。これでチャンスは途切れたかと思ったが、ここから遠藤・松田と連続四球で満塁。9番篠塚はレフト前にうまく流して同点、さらに1番木浪は左中間を破る走者一掃のタイムリー2ベースでHondaが逆転。さらに中林は足を気にするような素振りを見せて、1回ベンチに戻るとそのまま交代となってしまう。代わった江川は3番井上にタイムリーを浴びてしまい、Hondaが5-1と一気に試合をひっくり返す。
幸先よく先制も、エース中林が2回に負傷交代で逆転されると流れとしては最悪なJFEであったが2回裏…先頭の吉川がヒットで出塁すると、8番土屋は左中間、9番佐藤はレフトオーバー、1番中澤はライト線と3連続長打のタイムリーが飛び出して1点差。2死となって3番の左バッター内藤を迎えたところで、Hondaは2番手としてマウンドに左腕東野を送る。東野は内藤に四球を与えてしまうと、4番中嶋には三遊間を破られてしまい、JFEが5-5と同点に追いつく。試合は中林・福島という両エースが2回を持たずに降板と波乱すぎる序盤を迎えることとなった。

先制犠飛に同点タイムリーと4番の仕事を果たしたJFE東日本の中嶋
上記の通り同点タイムリーを浴びてしまった東野であるが、3回以降は素晴らしいピッチングでJFE打線を抑えていく(詳細はPickUpPlayerで…)。すると打線はそれに応えるように4回表、エラー・四球・内野安打で無死満塁とすると2番辻野が左中間に走者一掃のタイムリー2ベースを放ち3点を勝ち越し。ここから連続三振で2死となってしまうも、JFEの4番手本田(Honda相手に本田が投げることとなった)から鈴木・遠藤が連続タイムリーを放ち5点のリードを奪う。

4回に勝ち越しとなる走者一掃のタイムリー2ベースを放ったHonda辻野
Hondaは6回表にも5番の新人山本瑛が左中間スタンドにソロホームラン。アメリカの高校から慶応大に入学し、4年秋には打率.475をマークして首位打者を獲得。しかしもともと野球は大学で終えるつもりだったためにストレートでは社会人入りしなかったが、その後方針転換して、夏頃から横浜金港クラブで4番を務めると、同世代とは1年遅れでHondaに入社という異例の経歴をもつ新人が初の都市対抗を手繰り寄せる貴重な1発を放った。

6回にソロホームランを放ったHondaの5番ルーキーの山本瑛
東野の投球は快調そのもので、8回まで無失点。最終回は幸良が3人で抑えてHondaが11-6で勝利して第1代表決定戦進出を決めた。

※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください
まさかまさかの両エースが2回で降板となってしまった試合。この影響は両チームにどう出るのであろうか?
まずJFEに関していえば、他に先発投手がおらず中林のケガが軽症であることを願うばかりだ。今日の2番手以降の投手を見ても江川・在原・本田とHonda打線に捕まってしまっていた。7回以降は辻、小原が抑えたが試合展開的には緊迫した場面でないので評価しづらい。今日の敗北で都市対抗出場までに最低でも3試合は勝つ必要があり、中林が大丈夫だとしても2試合は他の投手で凌がなければいけいないのはキツいとか言いようがない。打線は福島を2回でKOしたのは見事であったが、3回以降は東野の前に完全沈黙と「打線は水物」という言葉を象徴するような展開であったためにやはり投手陣の奮起が必要となる。

2回で降板してしまったJFE東日本のエース中林であるが、足が軽症であることを願いたい
一方のHondaはこの後の試合を福島に任せるかは悩みどころだが、前日に好投をみせたドラ1候補の齋藤を筆頭に、左腕田村。さらに第1代表決定戦まで1日空くことを考えるとロングリリーフで好投をみせた東野も先発に使える。そういう意味ではJFEと違ってコマ不足となるわけではない。ただこの日明らかに球の威力がなかった福島をどう使うかが焦点で、このままどこかで先発を任せるのか…それとも世代交代で若手に先発を任せるのかは岡野監督にとっては悩みどころであろう。
ただエースの2回KOという事態にも全く同様しなかった戦いぶりはお見事。今年はスポニチ大会、JABA四国大会を制するなど結果も残していて、チームとしての出来は現在の社会人野球界でも1位2位を争うレベルだ。それを象徴するのが打線のラインナップで、ここのところずっと固定のメンバーで戦っている。社会人野球ともなると、控えのレベルも高いので少しでも調子を落とすと簡単にスタメンが入れ替わるが、この都市対抗予選の前からほぼスタメン固定で戦えているのは各選手が調子をキープすることができているからであろう。ここからは3連敗しない限りは都市対抗出場となるHonda。今年のチームは優勝候補筆頭といえるので、この調子をキープして頑張って欲しい。
Pickup Player
東野龍二 Honda 投手
~序盤の波乱を食い止める見事なロングリリーフ~
2回終わって5-5と波乱の幕開けとなった試合で、Hondaに落ち着きをもたらし勝利に導いたのはルーキー左腕の東野であった。
東野は履正社で阪本(大阪ガス)・東(セガサミー)とともに3本柱を形成して、2年春・3年春とセンバツ出場。宮本)ヤクルト)が主将を務める2年秋のチームでは大阪大会の決勝で大阪桐蔭相手に1失点完投勝利をあげる一方、背番号1を背負った3年夏は大阪桐蔭にリベンジされる形で敗れた。駒澤大では1年秋に今永(DeNA)に次ぐ先発2番手の座を獲得すると、2勝0敗防御率1.25の活躍で優勝に貢献。明治神宮大会でも決勝の明治大戦で5回無失点の好投を見せるなど、2試合に先発して優勝に貢献。2年春以降はエースとなるも、2年秋には2部降格。4年秋には2部トップの防御率1.10をマークするなど3勝をあげて、チームの1部復帰を置き土産にこの春Hondaに入社した。
Hondaでは春のスポニチ大会決勝で先発を務めると6回途中2失点で優勝に貢献するなど主に先発として活躍。しかしこの日はエース福島の不調により、2回からリリーフのマウンドに上がった。2回はやはり気持ち的にも準備ができていなかったか、内藤に四球を与えてしまい、続く中嶋に同点タイムリーを浴びるなどバタバタしていた。しかし3回からは落ち着いてきて東野らしいピッチング。ストレートはMax137㌔であったが、右バッターのインコースにクロスファイアー気味に投げ込むこともできていたし、120㌔中盤から後半のカットボール、120㌔ちょっとのスライダーと同じような変化球でもちょっとした球速差をつける投球。このほかに100㌔に満たないスローカーブ、チェンジアップとさらに遅い球でも緩急をつけるなど持ち前の投球術で相手打線を手玉にとっていった。
東野は3・4回を3人ずつで抑え、5回に初めてのヒットでランナーを許すと。6・7回はピンチを招いてしまうが要所はきっちりとし締めて8回まで無失点。最後は幸良にマウンドを譲ったが、6回1/3無失点という見事な内容。東野はルーキーながら都市対抗に向けて重要な戦力であるということを証明した形となった。

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