千葉明徳×東海大市原望洋【選手権東千葉大会3回戦】
7/16 選手権東千葉大会3回戦
千葉明徳×東海大市原望洋 @県営千葉球場
東千葉大会は3回戦で千葉明徳と東海大市原望洋という強豪同士がぶつかる。昨夏には東海大市原望洋が7-2で勝利しているので、千葉明徳はリベンジしたいところである。
試合経過

※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください
千葉明徳は初回、2番松川がレフトに見事な流し打ちで出塁すると、2死2塁から背番号13の4番石塚が先制のタイムリーヒット。さらに5番藤井がレフト線へ、6番高橋がセンター返しとタイムリーで続き、千葉明徳が3連続タイムリーでいきなり3点を先制して試合の主導権を握る。
2回表にも松川が今度は俊足を飛ばしショート内野安打で出塁。すると3番清水の2球目には2盗、さらに4番石塚の初球には3盗を決めてチャンスを作る。松川は1年生ながらサードのレギュラーに抜擢されていて、この試合ではまず巧みなバットコントロールが光った。そして連続で盗塁を決めた俊足、さらには2回裏に3塁線のベース付近のゴロをスライディングキャッチして2封。これが抜けていれば1死2・3塁という場面だったので、それが2死1塁となったのは非常に大きかった。まだまだ線が細いが、走攻守に渡って野球センス抜群で、いずれは千葉を代表する内野手になれると感じた。

走攻守での活躍が目立った千葉明徳の1年生サード松川
そんな松川の好守もあって、千葉明徳のエース宮崎は4回まで望洋打線を無得点に抑える。宮崎は打者から見ると腕がちょうど体の影に隠れるようなテイクバックから腕を縦に振り下ろす純正のオーバースローで、打者はタイミングをとりづらい上に球の回転もいい。ストレートは内外にきっちり投げ分けることができていて、それにスライダー・カーブ・フォーク(?)などの変化球も交えたピッチングを展開する好投手であった。望洋のエース早川も2回以降は得点圏にランナーを背負いながらも、要所を締めて無失点で切り抜けていき投手戦に突入しただけに、序盤は初回の3点が望洋にとって大きくのしかかってくる展開となった。

4回まで望洋打線を無得点に抑えた千葉明徳のエース宮崎
しかし5回裏、望洋は1死から8番竹内が四球で出塁すると、9番早川は1死ながら送って2死2塁とする。この攻撃が功を奏し、1番魚地がライト前にタイムリーを放ち、望洋がついに初得点をあげる。これで勢いに乗った望洋は続く6回裏にも、瀬川・高嵜の連打から2死2・3塁のチャンスを作る。ここで相川監督は代打に飯田を送ると、飯田が追い込まれながらも高めのストレートを叩き、伸びた打球はわずかにセンターのグラブの上を通過し、同点の2点タイムリー3ベースヒット。さらに続く竹内も同じようにセンターオーバーの3ベースを放ち、望洋が4-3と一気に逆転に成功した。望洋は1年ぶりに相川監督が復帰しているが、春は4番を打っていた伊達もベンチに控える状態で、飯田という相川監督の采配が最高の結果を出した。

代打で同点タイムリー3ベースを放った東海大市原望洋の飯田
追いつきたい千葉明徳は8回表に、3番清水のレフト前ヒット→盗塁などから2死1・2塁のチャンスを作ると、ここでエース宮崎のところで代打に主将の高沼を送る。しかし高沼はファーストゴロに倒れてしまい、その裏の明徳のマウンドには2年生のサイド右腕山越が上がる。山越は春には拓大紅陵を5回までノーヒットに抑えた実力者であるが、この時点で左打者が8人という望洋打線にはやや分が悪かったか…2死満塁とピンチを招いてしまうと早川・魚地に連続タイムリーを浴びてしまい3点を失う。さらに代わった金子も3番吉澤に押し出しの四球を与えてしまい、この回4点を追加されてしまう。

この試合で2本のタイムリーを放った東海大市原望洋の1番魚地
最終回の攻撃の前に点差を5点に広げられてしまった明徳は万事休すかと思われたが、ここで執念を見せる。サードのエラーと高木・内藤の連打で満塁のチャンスを作ると松川の併殺崩れの間に、初回以来の得点をあげる。さらに平川のキャッチャーゴロの間に2点目、藤井のタイムリーで3点目をあげて、この時点で2点差2死1・3塁と長打で同点、ホームランが出れば逆転という場面を作り、この試合2安打と当たっていた高橋を迎える。ただ早川はこの場面でも冷静であり、1塁に牽制すると、代走の葉歌は完全に逆を突かれて戻ることができずに、そのまま2塁へスタート。ファースト西田が2塁への送球するが暴投となり、明徳はゲームセットから一転、1点差に迫り、同点のランナーを2塁に置くこととなる。それでも最後は早川が高橋をショートフライに打ち取りゲームセット。望洋が明徳の最終回の猛攻をしのいで8-7で勝利し、4回戦にコマを進めた。

最後何とか守り切って勝利をあげた東海大市原望洋ナイン
昨年のチームはエース金久保(現:ヤクルト)を擁して、秋の関東大会準Vなどを果たした東海大市原望洋。しかし前チームのレギュラーは全員3年生とあって、経験が少ない現チーム。秋は拓大紅陵に、春は安房に敗れてしまい上位進出を逃していた。しかし今年も選手個々の能力は高いチームであり、序盤は苦戦したが、最後はその力を発揮する形での勝利となった。昨冬には千葉選抜にも選ばれた主将で3番ショートの吉澤、小柄ながら力強いスイングと勝負強い打撃で4番を務める瀬川、歴代でNo1のセンター守備と相川監督が称する俊足のスイッチヒッター岩田、決勝タイムリーを放った扇の要でもある竹内ら3年生がチームを牽引していた。ともに2安打を放った魚地・高嵜、春は4番であった伊達など2年生も力がある。
この試合も最終回にエラー絡みで1点差まで迫られてしまったあたりなど、チームとしてのメンタル面での課題などはまだある。それでも、木更津総合が頭1つ抜けている東千葉において、その最大の対抗馬に成り得るチームだと個人的には思った。
Pickup Player
早川史恩 東海大市原望洋3年 ピッチャー
~苦しんだチームのエースが138球の熱投~
東海大市原望洋はエースの早川が初回に3点を失うも、その後2~8回は無失点。最後は味方のエラーもあり、1点差に迫られるも執念で最後のバッターを打ち取り138球の完投勝利をあげた。
東海大市原望洋では1年秋から控え投手としてベンチ入りを果たした早川。しかし当時はエース金久保との力の差が大きく、金久保が1人で投げ抜いて関東準V。翌春のセンバツでもベンチ入りを果たすが、金久保が延長13回を1人で投げ抜いて敗れた。2年夏には初戦の安孫子戦で先発登板を果たすも、登板はこの1試合のみであった。新チームではエースナンバーを背負うも、確固たる存在とはなれずに、チームも秋・春と敗れてしまう。島・金久保と2年連続でエースがプロ入りした後ということもあり、東海大市原望洋は投手陣が課題と言われてしまっていた。
この夏も背番号1を背負ったも早川。1・2回戦は登板無しで過ごして、満を持してこの強豪の千葉明徳戦の先発マウンドにあがった。早川はややトルネード気味に体を捻ってから投げるスリークウォーター右腕であるために、ストレートは球速以上の威力が感じられ打ちづらい。このストレートを中心にスライダー・チェンジアップを交えた投球である。ただ早川は初回にやや制球が甘く、3本のタイムリーを浴びてしまい3失点。それでも2回以降はピンチを招くことはあっても要所を締めて8回まで千葉明徳のスコアボードに0を刻む。
チームがリードを5点に広げた9回もそのままマウンドに上がった早川。サード小笠原のエラーを皮切りに千葉明徳の追い上げに遭い、リードは2点となりなおも2死1・3塁というピンチ。しかしここで冷静だった早川は1塁ランナーを牽制で挟むも、ファースト西田の暴投で1点差となり2死2塁。それでも最後はこの試合2安打されていた高橋を意地の投球で抑えてゲームセット。猛暑の中、9回7失点(自責点3)138球の完投勝利。非常に精神的にもタフで、正真正銘の東海大市原望洋のエースになったと感じた。

見事138球の熱投で完投勝利をあげた東海大市原望洋のエース早川
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千葉明徳×東海大市原望洋 @県営千葉球場
東千葉大会は3回戦で千葉明徳と東海大市原望洋という強豪同士がぶつかる。昨夏には東海大市原望洋が7-2で勝利しているので、千葉明徳はリベンジしたいところである。
試合経過

※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください
千葉明徳は初回、2番松川がレフトに見事な流し打ちで出塁すると、2死2塁から背番号13の4番石塚が先制のタイムリーヒット。さらに5番藤井がレフト線へ、6番高橋がセンター返しとタイムリーで続き、千葉明徳が3連続タイムリーでいきなり3点を先制して試合の主導権を握る。
2回表にも松川が今度は俊足を飛ばしショート内野安打で出塁。すると3番清水の2球目には2盗、さらに4番石塚の初球には3盗を決めてチャンスを作る。松川は1年生ながらサードのレギュラーに抜擢されていて、この試合ではまず巧みなバットコントロールが光った。そして連続で盗塁を決めた俊足、さらには2回裏に3塁線のベース付近のゴロをスライディングキャッチして2封。これが抜けていれば1死2・3塁という場面だったので、それが2死1塁となったのは非常に大きかった。まだまだ線が細いが、走攻守に渡って野球センス抜群で、いずれは千葉を代表する内野手になれると感じた。

走攻守での活躍が目立った千葉明徳の1年生サード松川
そんな松川の好守もあって、千葉明徳のエース宮崎は4回まで望洋打線を無得点に抑える。宮崎は打者から見ると腕がちょうど体の影に隠れるようなテイクバックから腕を縦に振り下ろす純正のオーバースローで、打者はタイミングをとりづらい上に球の回転もいい。ストレートは内外にきっちり投げ分けることができていて、それにスライダー・カーブ・フォーク(?)などの変化球も交えたピッチングを展開する好投手であった。望洋のエース早川も2回以降は得点圏にランナーを背負いながらも、要所を締めて無失点で切り抜けていき投手戦に突入しただけに、序盤は初回の3点が望洋にとって大きくのしかかってくる展開となった。

4回まで望洋打線を無得点に抑えた千葉明徳のエース宮崎
しかし5回裏、望洋は1死から8番竹内が四球で出塁すると、9番早川は1死ながら送って2死2塁とする。この攻撃が功を奏し、1番魚地がライト前にタイムリーを放ち、望洋がついに初得点をあげる。これで勢いに乗った望洋は続く6回裏にも、瀬川・高嵜の連打から2死2・3塁のチャンスを作る。ここで相川監督は代打に飯田を送ると、飯田が追い込まれながらも高めのストレートを叩き、伸びた打球はわずかにセンターのグラブの上を通過し、同点の2点タイムリー3ベースヒット。さらに続く竹内も同じようにセンターオーバーの3ベースを放ち、望洋が4-3と一気に逆転に成功した。望洋は1年ぶりに相川監督が復帰しているが、春は4番を打っていた伊達もベンチに控える状態で、飯田という相川監督の采配が最高の結果を出した。

代打で同点タイムリー3ベースを放った東海大市原望洋の飯田
追いつきたい千葉明徳は8回表に、3番清水のレフト前ヒット→盗塁などから2死1・2塁のチャンスを作ると、ここでエース宮崎のところで代打に主将の高沼を送る。しかし高沼はファーストゴロに倒れてしまい、その裏の明徳のマウンドには2年生のサイド右腕山越が上がる。山越は春には拓大紅陵を5回までノーヒットに抑えた実力者であるが、この時点で左打者が8人という望洋打線にはやや分が悪かったか…2死満塁とピンチを招いてしまうと早川・魚地に連続タイムリーを浴びてしまい3点を失う。さらに代わった金子も3番吉澤に押し出しの四球を与えてしまい、この回4点を追加されてしまう。

この試合で2本のタイムリーを放った東海大市原望洋の1番魚地
最終回の攻撃の前に点差を5点に広げられてしまった明徳は万事休すかと思われたが、ここで執念を見せる。サードのエラーと高木・内藤の連打で満塁のチャンスを作ると松川の併殺崩れの間に、初回以来の得点をあげる。さらに平川のキャッチャーゴロの間に2点目、藤井のタイムリーで3点目をあげて、この時点で2点差2死1・3塁と長打で同点、ホームランが出れば逆転という場面を作り、この試合2安打と当たっていた高橋を迎える。ただ早川はこの場面でも冷静であり、1塁に牽制すると、代走の葉歌は完全に逆を突かれて戻ることができずに、そのまま2塁へスタート。ファースト西田が2塁への送球するが暴投となり、明徳はゲームセットから一転、1点差に迫り、同点のランナーを2塁に置くこととなる。それでも最後は早川が高橋をショートフライに打ち取りゲームセット。望洋が明徳の最終回の猛攻をしのいで8-7で勝利し、4回戦にコマを進めた。

最後何とか守り切って勝利をあげた東海大市原望洋ナイン
昨年のチームはエース金久保(現:ヤクルト)を擁して、秋の関東大会準Vなどを果たした東海大市原望洋。しかし前チームのレギュラーは全員3年生とあって、経験が少ない現チーム。秋は拓大紅陵に、春は安房に敗れてしまい上位進出を逃していた。しかし今年も選手個々の能力は高いチームであり、序盤は苦戦したが、最後はその力を発揮する形での勝利となった。昨冬には千葉選抜にも選ばれた主将で3番ショートの吉澤、小柄ながら力強いスイングと勝負強い打撃で4番を務める瀬川、歴代でNo1のセンター守備と相川監督が称する俊足のスイッチヒッター岩田、決勝タイムリーを放った扇の要でもある竹内ら3年生がチームを牽引していた。ともに2安打を放った魚地・高嵜、春は4番であった伊達など2年生も力がある。
この試合も最終回にエラー絡みで1点差まで迫られてしまったあたりなど、チームとしてのメンタル面での課題などはまだある。それでも、木更津総合が頭1つ抜けている東千葉において、その最大の対抗馬に成り得るチームだと個人的には思った。
Pickup Player
早川史恩 東海大市原望洋3年 ピッチャー
~苦しんだチームのエースが138球の熱投~
東海大市原望洋はエースの早川が初回に3点を失うも、その後2~8回は無失点。最後は味方のエラーもあり、1点差に迫られるも執念で最後のバッターを打ち取り138球の完投勝利をあげた。
東海大市原望洋では1年秋から控え投手としてベンチ入りを果たした早川。しかし当時はエース金久保との力の差が大きく、金久保が1人で投げ抜いて関東準V。翌春のセンバツでもベンチ入りを果たすが、金久保が延長13回を1人で投げ抜いて敗れた。2年夏には初戦の安孫子戦で先発登板を果たすも、登板はこの1試合のみであった。新チームではエースナンバーを背負うも、確固たる存在とはなれずに、チームも秋・春と敗れてしまう。島・金久保と2年連続でエースがプロ入りした後ということもあり、東海大市原望洋は投手陣が課題と言われてしまっていた。
この夏も背番号1を背負ったも早川。1・2回戦は登板無しで過ごして、満を持してこの強豪の千葉明徳戦の先発マウンドにあがった。早川はややトルネード気味に体を捻ってから投げるスリークウォーター右腕であるために、ストレートは球速以上の威力が感じられ打ちづらい。このストレートを中心にスライダー・チェンジアップを交えた投球である。ただ早川は初回にやや制球が甘く、3本のタイムリーを浴びてしまい3失点。それでも2回以降はピンチを招くことはあっても要所を締めて8回まで千葉明徳のスコアボードに0を刻む。
チームがリードを5点に広げた9回もそのままマウンドに上がった早川。サード小笠原のエラーを皮切りに千葉明徳の追い上げに遭い、リードは2点となりなおも2死1・3塁というピンチ。しかしここで冷静だった早川は1塁ランナーを牽制で挟むも、ファースト西田の暴投で1点差となり2死2塁。それでも最後はこの試合2安打されていた高橋を意地の投球で抑えてゲームセット。猛暑の中、9回7失点(自責点3)138球の完投勝利。非常に精神的にもタフで、正真正銘の東海大市原望洋のエースになったと感じた。

見事138球の熱投で完投勝利をあげた東海大市原望洋のエース早川
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