駒澤大×中央大【東都大学野球連盟1部】
9/1 東都大学野球連盟1部 第1週1日目(開幕日)
駒澤大×中央大@神宮球場
試合経過

※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください
最初にチャンスを作ったのは駒大であった。2回表に5番平野がチーム初ヒットで守B鶴居すると、盗塁を決めて2死2塁から7番酒井がライト前ヒット。しかし中央大のライトはあらかじめ前目に守っていたこともあり、平野は3塁を回ったところでストップ。続く8番巴山のバットは畠中の低めの変化球の前に空を切ってしまい、駒大は先制のチャンスを逃してしまう。
中央大の開幕戦の先発はエース伊藤が予想されたが、フタを開けてみると2年生左腕の畠中。畠中は春も伊藤に代わって第1戦の先発を任せられることもあったが、最後の秋であるし、開幕戦は伊藤とどこか思っていた。それは駒大も同じようでスタメンには左打者が7人。特にDHに左バッターの巴山を起用したあたりから、完全に先発は右の伊藤を想定していたと思われる。よって2回表のチャンスではそれが完全に裏目に出る形となり、巴山が左VS左で絵に描いたようなやられ方をしてしまった。巴山には第2打席で早くも、右の代打鵜飼が送られたことからもこの起用が想定外であったことを表している。
中央大のチャンスは3回裏、1死から9番石田がセーフティバントを試みると、これを辻本が1塁へ暴投(記録はエラー)で石田は一気に2塁へ。続く1番中田の打球をファーストが弾き(記録は強襲ヒット)1死1・3塁のチャンスとなる。ここで2番五十幡はセーフティスクイズを試みるも、これがファーストフライとなってしまう。中央大としては何とも悪い流れであったが、続く3番牧が初球をたたくと、強烈な打球をショートが取ることができず(これも記録は強襲ヒット)中央大が先制する。

先制タイムリーを放った中央大の牧
しかし直後の4回表、駒大はこの秋から3番に昇格した菅野がヒットで出塁。駒大ベンチは続く4番岡田にバントを命じると、このバント処理を畠中がファンブル。続く5番平野もきっちりとバントを決めて駒大も1死2・3塁とチャンスを作る。すると駒大は6番長の4球目にエンドラン(3塁ランナーもスタート)を仕掛けるも、低めの難しい球で長はファールにするのがやっと。長が打ちなおすもショートゴロで2死となってしまい、こちらも前の中央大同様に嫌な展開となる。しかし続く7番の主将酒井が放った打球はレフトの頭上を越えて、逆転のタイムリー2ベースとなる。2回表には酒井に対して前めの外野守備が功を奏したが、今度はそれが仇となる形で頭を越されてしまった。

逆転のきっかけとなるヒットを放った駒大新3番の菅野
その後は中盤は両チームの投手戦となる。中央大は6回に先頭打者を出したところで、畠中→水谷にスイッチすると、この水谷が6回のピンチを凌いで、その後はヒットを許さないピッチング。一方の駒大の辻本も4~6回は得点圏にランナーを進ませず、試合は2-1と駒大がリードしたまま終盤を迎える。
7回裏、同点に追いつきたい中央大は6番内山がこの日3本目のヒットで出塁、小野寺が送って1死2塁とチャンスを作る。ここで清水監督は代打に倉石を送り勝負に出ると、倉石は初球を見事に捉えるも強烈な打球はセカンドライナーとなり、内山も戻れずにゲッツーとなってしまう。中央大は8回裏にも1死から了海が四球で出塁して送って2死2塁のチャンスで3番牧を迎える。雨が強くなる中、駒大はここで好投のエース辻本からリリーフエースの白銀にスイッチ。白銀が牧を1球でショートゴロに打ち取りしっかりと仕事を果たす。白銀は最終回もきっちりと抑えて、駒大が2-1のまま逃げ切りに成功して、開幕戦を勝利で飾った。

4打数4安打と中央大打線で1人気を吐いた内山

8回のピンチから見事なリリーフをみせた駒大の白銀
両チームともに投手陣が見事なピッチングで自責点は0。勝負としてはいいところで1本出せた駒大が勝ったという試合であった。
駒大は何といってもエース辻本のピッチングがたくましかった。基本的にはMax143㌔のストレートと得意の130㌔前後のSFFのコンビネーションで、これに120㌔ちょっとのスライダー、終盤になって100㌔台のカーブを使い始める余裕もあった。SFFはまさに辻本の代名詞であり、多投しているにも関わらずSFFで打たれたヒットは1本のみという魔球っぷり。春のリーグ戦では51回で22四死球、特に勝負どころでの四死球があった辻本であったが、この日の四死球は8回の1個のみと安定感も増していてエースらしくなってきた。8回のピンチで登板した白銀もさすがという投球でサイド気味のフォームからMax147㌔のストレートと130㌔後半のカットボールで、点のとられる気はしなかった。

8回途中まで1失点の好投をみせた駒大のエース辻本
中央大の畠中も5回2失点とまずますの内容。ストレートはMax140㌔であったが右バッターのインコースにも投げれるなどきっちりとコントロールできていて、120㌔手前のスライダーに加えて、独特の曲がりをするカーブも魅力的で個人的にはこのカーブはもっと使ってもいいのかなと思った。投球自体はよかっただけに、自分のバント処理ミスから1打で逆転を許してしまったのは残念であった。

5回2失点とまとめあげた中央大の先発畠中
そして中央大にとって1番の収穫は2番手の水谷。6回無死1塁の場面で2番手としてマウンドに上がると、バントで2塁に送られるも後続を抑えて無失点。そのまま最後までの4イニングをノーヒットに抑えた。水谷はストレートはMax140㌔であるがコントロールがよく、120㌔中盤の縦に大きく曲がるスライダーが最大の武器となっていた。非常に安定感のある投手であり、是非とも先発でも見てみたい。

4イニング無安打の好リリーフをみせた中央大の2番手水谷
Pickup Player
酒井良樹 駒澤大4年 外野手
~主将が復活の兆し~
駒澤大にとっては酒井が逆転タイムリーを打ったといのは非常に大きな意味をもったことだろう。
酒井は修徳では俊足巧打の内野手として1年秋よりセカンドのレギュラーを獲得すると、2年夏には6番セカンドとして甲子園出場。甲子園では初戦で笠谷(ソフトバンク)がエースを務める大分商と対戦して2安打2打点の活躍も、2回戦では板東(JR東日本)の前に抑えられて鳴門に敗れた。2年秋には国体で優勝(大阪桐蔭と2校同時であるが)を果たし、新チームでは主将に就任。バッティングに力強さが出てきて強打の1番センターとして活躍した。
駒澤大では2年秋からライトのレギュラーを獲得し、3年春秋は3番打者も務めた。3年秋は東都2部7位の打率.316をマークし、優勝に貢献すると4番を務めた入替戦では3戦目で決勝ホームランを放ちチームを1部昇格に導くと新チームの主将に就任。ただ名実ともにチームの柱となった春は打率.128と大不振に陥った。
そんな不振からまだ抜け出せていないのか、この秋の初戦も酒井の打順は7番であった。ただ2死2塁で迎えた第1打席では変化球を引っ張ってライト前ヒット。そして1点ビハインド、2死2・3塁で迎えた第2打席では今度は逆後方であるレフト後方への大飛球で、状況的に外野がやや前めにいたこともありレフトの頭を越える逆転のタイムリー2ベース。この試合の駒大の唯一の打点である貴重な2点を叩きだした。第3打席はセカンドゴロ、第4打席はセーフティバント失敗に終わってしまったが、この試合トータルで4打数2安打2打点という活躍。まだ1試合だけであるが、酒井の活躍と復調の兆しが見えたことでこの勝利は1勝以上の価値のあるものになったといえる。
春の不振でプロ入りは厳しくなったが、走力と守備力もレベルが高いために、打撃さえ復調し、社会人で活躍すればプロ入りも十分にあり得逸材である。

逆転の2点タイムリー2ベースを放った駒大の主将酒井
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駒澤大×中央大@神宮球場
試合経過

※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください
最初にチャンスを作ったのは駒大であった。2回表に5番平野がチーム初ヒットで守B鶴居すると、盗塁を決めて2死2塁から7番酒井がライト前ヒット。しかし中央大のライトはあらかじめ前目に守っていたこともあり、平野は3塁を回ったところでストップ。続く8番巴山のバットは畠中の低めの変化球の前に空を切ってしまい、駒大は先制のチャンスを逃してしまう。
中央大の開幕戦の先発はエース伊藤が予想されたが、フタを開けてみると2年生左腕の畠中。畠中は春も伊藤に代わって第1戦の先発を任せられることもあったが、最後の秋であるし、開幕戦は伊藤とどこか思っていた。それは駒大も同じようでスタメンには左打者が7人。特にDHに左バッターの巴山を起用したあたりから、完全に先発は右の伊藤を想定していたと思われる。よって2回表のチャンスではそれが完全に裏目に出る形となり、巴山が左VS左で絵に描いたようなやられ方をしてしまった。巴山には第2打席で早くも、右の代打鵜飼が送られたことからもこの起用が想定外であったことを表している。
中央大のチャンスは3回裏、1死から9番石田がセーフティバントを試みると、これを辻本が1塁へ暴投(記録はエラー)で石田は一気に2塁へ。続く1番中田の打球をファーストが弾き(記録は強襲ヒット)1死1・3塁のチャンスとなる。ここで2番五十幡はセーフティスクイズを試みるも、これがファーストフライとなってしまう。中央大としては何とも悪い流れであったが、続く3番牧が初球をたたくと、強烈な打球をショートが取ることができず(これも記録は強襲ヒット)中央大が先制する。

先制タイムリーを放った中央大の牧
しかし直後の4回表、駒大はこの秋から3番に昇格した菅野がヒットで出塁。駒大ベンチは続く4番岡田にバントを命じると、このバント処理を畠中がファンブル。続く5番平野もきっちりとバントを決めて駒大も1死2・3塁とチャンスを作る。すると駒大は6番長の4球目にエンドラン(3塁ランナーもスタート)を仕掛けるも、低めの難しい球で長はファールにするのがやっと。長が打ちなおすもショートゴロで2死となってしまい、こちらも前の中央大同様に嫌な展開となる。しかし続く7番の主将酒井が放った打球はレフトの頭上を越えて、逆転のタイムリー2ベースとなる。2回表には酒井に対して前めの外野守備が功を奏したが、今度はそれが仇となる形で頭を越されてしまった。

逆転のきっかけとなるヒットを放った駒大新3番の菅野
その後は中盤は両チームの投手戦となる。中央大は6回に先頭打者を出したところで、畠中→水谷にスイッチすると、この水谷が6回のピンチを凌いで、その後はヒットを許さないピッチング。一方の駒大の辻本も4~6回は得点圏にランナーを進ませず、試合は2-1と駒大がリードしたまま終盤を迎える。
7回裏、同点に追いつきたい中央大は6番内山がこの日3本目のヒットで出塁、小野寺が送って1死2塁とチャンスを作る。ここで清水監督は代打に倉石を送り勝負に出ると、倉石は初球を見事に捉えるも強烈な打球はセカンドライナーとなり、内山も戻れずにゲッツーとなってしまう。中央大は8回裏にも1死から了海が四球で出塁して送って2死2塁のチャンスで3番牧を迎える。雨が強くなる中、駒大はここで好投のエース辻本からリリーフエースの白銀にスイッチ。白銀が牧を1球でショートゴロに打ち取りしっかりと仕事を果たす。白銀は最終回もきっちりと抑えて、駒大が2-1のまま逃げ切りに成功して、開幕戦を勝利で飾った。

4打数4安打と中央大打線で1人気を吐いた内山

8回のピンチから見事なリリーフをみせた駒大の白銀
両チームともに投手陣が見事なピッチングで自責点は0。勝負としてはいいところで1本出せた駒大が勝ったという試合であった。
駒大は何といってもエース辻本のピッチングがたくましかった。基本的にはMax143㌔のストレートと得意の130㌔前後のSFFのコンビネーションで、これに120㌔ちょっとのスライダー、終盤になって100㌔台のカーブを使い始める余裕もあった。SFFはまさに辻本の代名詞であり、多投しているにも関わらずSFFで打たれたヒットは1本のみという魔球っぷり。春のリーグ戦では51回で22四死球、特に勝負どころでの四死球があった辻本であったが、この日の四死球は8回の1個のみと安定感も増していてエースらしくなってきた。8回のピンチで登板した白銀もさすがという投球でサイド気味のフォームからMax147㌔のストレートと130㌔後半のカットボールで、点のとられる気はしなかった。

8回途中まで1失点の好投をみせた駒大のエース辻本
中央大の畠中も5回2失点とまずますの内容。ストレートはMax140㌔であったが右バッターのインコースにも投げれるなどきっちりとコントロールできていて、120㌔手前のスライダーに加えて、独特の曲がりをするカーブも魅力的で個人的にはこのカーブはもっと使ってもいいのかなと思った。投球自体はよかっただけに、自分のバント処理ミスから1打で逆転を許してしまったのは残念であった。

5回2失点とまとめあげた中央大の先発畠中
そして中央大にとって1番の収穫は2番手の水谷。6回無死1塁の場面で2番手としてマウンドに上がると、バントで2塁に送られるも後続を抑えて無失点。そのまま最後までの4イニングをノーヒットに抑えた。水谷はストレートはMax140㌔であるがコントロールがよく、120㌔中盤の縦に大きく曲がるスライダーが最大の武器となっていた。非常に安定感のある投手であり、是非とも先発でも見てみたい。

4イニング無安打の好リリーフをみせた中央大の2番手水谷
Pickup Player
酒井良樹 駒澤大4年 外野手
~主将が復活の兆し~
駒澤大にとっては酒井が逆転タイムリーを打ったといのは非常に大きな意味をもったことだろう。
酒井は修徳では俊足巧打の内野手として1年秋よりセカンドのレギュラーを獲得すると、2年夏には6番セカンドとして甲子園出場。甲子園では初戦で笠谷(ソフトバンク)がエースを務める大分商と対戦して2安打2打点の活躍も、2回戦では板東(JR東日本)の前に抑えられて鳴門に敗れた。2年秋には国体で優勝(大阪桐蔭と2校同時であるが)を果たし、新チームでは主将に就任。バッティングに力強さが出てきて強打の1番センターとして活躍した。
駒澤大では2年秋からライトのレギュラーを獲得し、3年春秋は3番打者も務めた。3年秋は東都2部7位の打率.316をマークし、優勝に貢献すると4番を務めた入替戦では3戦目で決勝ホームランを放ちチームを1部昇格に導くと新チームの主将に就任。ただ名実ともにチームの柱となった春は打率.128と大不振に陥った。
そんな不振からまだ抜け出せていないのか、この秋の初戦も酒井の打順は7番であった。ただ2死2塁で迎えた第1打席では変化球を引っ張ってライト前ヒット。そして1点ビハインド、2死2・3塁で迎えた第2打席では今度は逆後方であるレフト後方への大飛球で、状況的に外野がやや前めにいたこともありレフトの頭を越える逆転のタイムリー2ベース。この試合の駒大の唯一の打点である貴重な2点を叩きだした。第3打席はセカンドゴロ、第4打席はセーフティバント失敗に終わってしまったが、この試合トータルで4打数2安打2打点という活躍。まだ1試合だけであるが、酒井の活躍と復調の兆しが見えたことでこの勝利は1勝以上の価値のあるものになったといえる。
春の不振でプロ入りは厳しくなったが、走力と守備力もレベルが高いために、打撃さえ復調し、社会人で活躍すればプロ入りも十分にあり得逸材である。

逆転の2点タイムリー2ベースを放った駒大の主将酒井
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