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大阪桐蔭×智弁和歌山【秋季近畿大会準々決勝】

10/28 秋季近畿大会準々決勝
大阪桐蔭×智弁和歌山@ほっともっとフィールド神戸

前チームでは秋の近畿大会決勝、センバツの決勝、春の近畿大会決勝と3度対戦した大阪桐蔭と智弁和歌山という関西の両雄が、この秋は早くも準々決勝で激突。勝った方がセンバツ出場確定という大一番です。


試合経過

20181028大阪桐蔭×智弁和歌山
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください

前日の1回戦に続いての連戦となった両チームであるが、智弁和歌山が背番号11の1年生左腕の池田泰、大阪桐蔭が背番号1の右腕新井と両チームともに前日と同じ先発ピッチャーで試合が始まった。

先攻の大阪桐蔭はいきなり1番柳本がレフト線に特大の飛球。プロ野球だったら間違いなくリプレイ検証されていただろうという打球であったが、判定はファールとなった。しかし柳本はフルカウントからうまくライト前に弾き返して出塁すると、盗塁さらにはその送球が逸れる間に3塁に到達。3番西野のセカンドゴロの間に生還して大阪桐蔭が先制する。
20181028大阪桐蔭 柳本
大阪桐蔭の1番打者として先制点の起点となった柳本

智弁和歌山は2回裏、根来・佐藤が連打で出塁すると、ショートゴロの間にそれぞれ進塁して2死2・3塁のチャンスを作る。8番池田泰の当たりをショート榎木が好捕してチェンジかと思いきや、ファースト西野は打球が抜けると思ってしまったのかファーストベースに入るのが遅れ、ショートからの送球をキャッチするも1塁ベースを踏めずにセーフ(記録は内野安打)で同点。さらに前日の大阪偕星戦では逆転3ランを含む6打点の活躍をみせた9番綾原が好調そのままにセンター前に弾き返して智弁和歌山が逆転に成功する。
20181028智弁和歌山 綾原
逆転となるタイムリーをはなった好調の智弁和歌山の綾原

大阪桐蔭のエース新井はMax137㌔のストレートをコントロールよく投げ込む右腕。大阪大会では背番号9であったが、中田や仲三河の調子が悪いこともあり、6試合に先発し、山場となった準決勝の大阪偕星戦では1失点完投勝利。この近畿大会からは背番号1を背負い、前日に続いて先発のマウンドにあがった。この日は前日にフォークを武器に智弁和歌山を中盤まで見事に抑えた大阪偕星の福田を参考にしたのか、SFF多めの投球で智弁和歌山打線に挑んだ。ただ上記の守備のミスで同点→逆転とされてしまうとペースを乱し自慢のコントロールが乱れてしまい、綾原のタイムリーの後に細川に死球を与えて満塁としてしまうと、西川・黒川にはなんと連続押し出し四球を与えてしまい、智弁和歌山がこの回一挙4点を奪う。
20181028大阪桐蔭 新井
大阪桐蔭のエース新井であったが2回に4失点を失ってしまった

大阪桐蔭の乱れは止まらず、続く3回にも根来の打球をセカンド宮本が1塁へ暴投。これは見事なバックアップで2塁を狙った根来をアウトにしたが、続く佐藤のショートゴロも送球が逸れて1塁セーフ。このランナーを2塁へ送られると、8番ピッチャーの池田泰の打球は前進していたセンターの頭を越えるタイムリー2ベースとなる。
20181028智弁和歌山 池田泰2
追加点となるタイムリーを放つ智弁和歌山の池田泰

反撃に出たい大阪桐蔭であるが、池田泰のピッチングの前に4~7回までパーフェクトに抑えられてしまう。ただ5回からマウンドにあがった大阪桐蔭の2番手中田も5~7回と智弁和歌山打線を無得点に抑えて試合は硬直状態となる。

8回表、大阪桐蔭は好投の中田に代えてこの日はスタメンを外れていた主将の中野を代打に送る。中野は今日に応えて見事にライト前ヒットを放つも、続く西浦がセーフティを試みてバントを空振りすると、キャッチー東妻からの見事な送球で1塁牽制アウト。せっかくの反撃ムードが消沈してしまった。それでも2死から柳本がピッチャーゴロエラーが出現すると、3番西野がレフト前にタイムリーを放ち1点を返す。なおも1発が出れば同点というチャンスで4番船曳を迎えるも、セカンドゴロに倒れてしまった。

ただ自らの凡ミス(エラー)でピンチを招くなど池田泰は100球も越えて疲れてきたこともあり、8回裏の攻撃では代打を送られて降板。智弁和歌山の最終回のマウンドには背番号1をつけていて、センバツの決勝では先発して大阪桐蔭の前チームを5回2失点に抑えた池田陽がマウンドにあがる。しかし大阪桐蔭のようにストレートに振りまけない打線は、独特なフォームの左腕池田泰より、130㌔後半のストレートを操る池田陽の方がお得意様だったのか…1死から石井がヒットで出塁すると、続く山田は逆方向であるレフトの頭を越える2ベースを放ち1死2・3塁とする。センバツ出場を見据えると、敗れるにしてもここで少しでも点差を詰めておきたい大阪桐蔭は代打に伊東を送るも、池田陽のスライダーの前にバットが空を斬ってしまい2死。続く西浦もサードゴロに倒れてしまい、智弁和歌山が5-2で勝利した。

20181028大阪桐蔭×智弁和歌山 スコアボード


大阪桐蔭が重要な公式戦で敗けたのは2017夏の甲子園の仙台育英戦以来である(甲子園の直結しない明治神宮大会や秋季大阪大会の決勝では敗けているが…)。そしてくしくもこの時と同じようなミスが敗北に繋がってしまった。ご存知の通り仙台育英戦ではショートゴロでゲームセットと思いきやファースト中川がベースを踏み外して、その後に逆転サヨナラ打。この日も2回の裏の守備ではショートゴロでチェンジと思いきや、ベースに入るのが遅れたファースト西野がベースを踏めずにセーフ。そこから4失点を喫してこれが敗北の原因となった。1年生ながらスタメンに名を連ねた西野にとっては非常に辛い結果となってしまったことだろう。

西野は1年生ながら180㎝90㎏という体格のスラッガーで1年生ながら大阪桐蔭の3番を務める。足を大きく上げたフォームからパワフルなスイングを繰り出し、当てれば打球スピードはすでに高校生離れしている。ただタイミングが合わないと打てる気がしないという脆さもあるが、この試合の大阪桐蔭の2打点はいずれも西野のバットからだった。打力は非常に魅力な一方、守備・走塁に関してはまだまだ大阪桐蔭のレベルにはない。ただ西谷監督にしてみれば、それらは織り込み済で西野を使っているだろうし、大阪桐蔭全体にそれをカバーするものがなかったということだ。仙台育英戦で踏み外した中川は、その後新チームで主将を務め春夏甲子園連覇を果たした。西野にもこの経験を糧に大阪桐蔭を代表する選手に成長して欲しい。
20181028大阪桐蔭 西野
守備のミスは痛かったが、打っては2打点を叩き出した大阪桐蔭の西野

大阪桐蔭の課題は投手陣であろう。この試合は結果だけ見れば智弁和歌山を5点というのはそこまで悪いとは思わない。ただエース新井は味方の守備に足を引っ張られたこともあったが、連続押し出しを与えるなどして5失点。その後は2番手の中田、3番手の高野と智弁和歌山打線を無得点に抑えたが、3投手ともにMaxは130㌔後半。3投手とも"いい投手"ではあるのだが、凄い投手ではないのだ。やはり大阪桐蔭のエースとしては藤浪・徳山・柿木のように凄い投手が求められることだろう。新井・中田の両右腕に、藤江・高野といった左腕、さらには近畿大会ではベンチ外となってしまった1年生右腕の仲三河の中から冬場に成長して凄い投手が出てくることに期待したい。

また2点に抑えれた大阪桐蔭打線だが、ヒットは智弁和歌山を上回る9本をマーク。特に池田泰に疲れが見えてきた終盤は、十分に同点に追いつくチャンスはあった。それだけに8回に中野がキャッチャーからの牽制でアウトになってしまった場面は、その後にチャンスを作って得点に持っていっただけに痛かった。また9回は敗けるにしても1点でも2点でも詰めておけばセンバツに大きく近づく場面であり、智弁和歌山は前進守備を引いていなかったにもかかわらず1死2・3塁のチャンスで代打に送った伊東が内野ゴロも打てずに三振したのは痛かった。というように大阪桐蔭としては珍しく拙攻が目立ってしまった。大阪桐蔭の強さは選手個々の能力だけに限らず、試合巧者ぶりであったが、新チームでは経験者が少ない(前チームのレギュラー0で、甲子園でベンチ入りしていたのも宮本と中野のみ)こともあり、まだそのような力は備わっていないようであった。それでも近畿ベスト8ということでまだセンバツ出場の可能性はある。春夏連覇した藤浪世代も、秋は近畿ベスト8であったし、まだまだここからだ。

勝利した智弁和歌山が伏兵の活躍が目立った。打線でいえば前チームからのレギュラーである西川・黒川・東妻という打線の中核をなす3人はノーヒット。打で活躍したといえるのはタイムリー2本の8番池田泰(先発投手)、前日の6打点から好調さをキープした9番綾原といった下位打線であった。投手陣でも、春のセンバツ決勝で大阪桐蔭を5回2失点に抑えた実績のあるエースの池田陽が先発すると思われたが、フタを開けてみれば前日に続いて1年生左腕の池田泰。前日では大阪偕星にKOされてしまった左腕が大阪桐蔭相手に8回2失点のピッチングを見せるとは誰が思ったであろうか?

97年の智弁和歌山センバツ優勝の主将捕手であり、阪神→楽天→巨人にも在籍した中谷仁がこの秋から監督を務めるが。早くも采配が的中して、公式戦6連敗中で、前高嶋監督が打倒に執念を燃やしていた大阪桐蔭を早くも撃破。2年生世代は入学時から大阪桐蔭に苦杯をなめていて、主将の黒川は1年春から大阪桐蔭戦5試合にスタメン出場を果たして全て敗れている。勝った瞬間の智弁和歌山ナインはまるで優勝したかのような喜び方であり、サードゴロに打ち取った瞬間の池田陽のガッツポーズも印象的であった。
20181028智弁和歌山 池田陽
最終回を締めた智弁和歌山の背番号1池田陽
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池田泰騎 智弁和歌山1年 ピッチャー
~前日とは打って変わっての横綱撃破~
前日の内容を踏まえても智弁和歌山の1年生左腕の池田泰が大阪桐蔭を撃破するのは誰が予想したであろうか?

池田泰は1年夏から控え投手として甲子園でもベンチ入りを果たした左腕であるが、甲子園では登板無し。この秋は背番号11を背負い、前日の近畿大会1回戦の大阪偕星戦でも先発を果たしていた。しかし3回3失点という内容で相手にリードを許した状態で降板と結果を残せずに、この試合の先発はエース池田陽だと思われいた。

しかしそんな予想に反して、前日に続いて先発のマウンドにあがった池田泰。体をやや前に倒した独特なスリークウォーターのフォームから繰り出されるストレートはMax133㌔であったが、右バッターにクロス気味に入ってきて角度がある。変化球はスライダーが多く、カーブも交えるというオーソドックスなタイプである。初回に先制を許してしまったが、味方が逆転した後は完全にペースを掴み、4~7回は大阪桐蔭を3人ずつで抑える好投。前日と違ってコントロールがよく、ボールをコーナーに低めに集めることができていた。8回にはスタミナが切れてきたこともあり、自らのエラーから2点目を失ってしまい、最終回は池田陽にマウンドを譲る形となったが、天下の大阪桐蔭打線相手に8回2失点の好投であった。

池田泰は打撃面でも大きく貢献。2回には同点タイムリーとなるショート内野安打(西野がベース踏めなかったやつであるが、打球が強烈であり記録は内野安打)。3回には前進守備のセンターの頭を越えるタイムリー2ベースを放つなど打ってもタイムリー2本で大阪桐蔭撃破に大きく貢献した。まだ1年生ながら大仕事を果たしてしまった池田泰。これは大きな地震にもなったことだろうし、今後の活躍にも期待したい。

20181028智弁和歌山 池田泰1
大阪桐蔭相手に8回2失点の好投をみせた智弁和歌山の池田泰


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