東海大菅生×早稲田実業【秋季東京大会準決勝】
11/3 秋季東京大会準決勝
東海大菅生×早稲田実業@神宮球場
試合経過

※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください
決勝進出をかけた秋季東京大会の準決勝は、東海大菅生×早稲田実業という昨年の西東京大会と同じカードとなった。早稲田実業の伊藤、東海大菅生の中村晃という今大会で抜群の働きを見せている両エースが先発した。
3回表、菅生は1死から今江・小山が連続四球で出塁すると、4番杉崎も四球を選んで満塁とする。ここで5番杉崎の打球は高いバウンドのショートゴロかと思ったら、ショートの手前で打球がやや跳ねるとショート千葉のグラブをかすめて打球はセンターへ(記録はヒット)。成瀬の2点タイムリーで菅生が先制する。

先制の2点タイムリーヒットを放った東海大菅生の成瀬
しかしその後は再び投手戦に突入。早実の伊藤はMax138㌔のストレートにスライダー・フォークなどを交えたピッチングで4~6回を3人ずつパーフェクトに抑えるなど復調。対する菅生の中村晃はランナーを出しながら要所は締めるピッチングで試合は2-0と菅がリードしたまま終盤戦へ突入する。
早実は8回裏、千葉・茅野の連打で1死1・2塁のチャンス。2番梅村はいい当たりであったがレフトの正面で2アウト。ここで迎えるのは早実のエース伊藤。伊藤は準々決勝の日体大荏原戦でホームランを打ったこと、これまで3番を打っていた新井が左×左ということも考慮されてからスタメン落ちしたことから、この試合では伊藤が3番に昇格し。ここまで2安打を放っていた。エース同時の対決は伊藤が4球ファールを打つなど粘りを見せるが、最後は中村のアウトコースのストレートの前に三振で早実はこのチャンスを生かせなかった。

3番に昇格した伊藤は2安打を放っていたが8回の最大のチャンスでは三振に倒れた
すると最大のピンチを凌いだ菅生は直後の9回表、途中出場していた大里が四球を選んで出塁。中村晃のバントでチャンスを広げると。2死2塁で2番今江を迎える。今江は伊藤の初球の高めのボールを上からたたくと、打球は前進していたレフトの頭上を越えるタイムリー2ベース。菅生がトドメとなる1点をあげると、その裏も中村晃が無失点で抑えて完封勝利。東海大菅生が決勝進出を決め、センバツ出場に大きく前進した。

最終回にダメ押しのタイムリー2ベースを放つ東海大菅生の今江

敗れた早実はエース伊藤の好投は光ったが四球に泣いた。伊藤は非常に体感のしっかりしたフォームで、コントロール自体は悪くない。ただ1度コントロールがズレるとそのままボールが続いてしまう傾向があり、3回には3連続四球で満塁としてしまい、そこからイレギュラーも重なる不運な2点タイムリーを浴びた。9回の追加点も四球で出したランナーであり、菅生は全得点が四球で出塁したランナーであった。

好投をみせた早稲田実業のエース伊藤がであるが四球に泣いて3失点を喫してしまった
打線は左腕中村晃対策としてこれまで3番を打っていた新井をベンチスタートにして、代わりに右打者の宇野を起用、ピッチャーの伊藤を3番に上げた。伊藤は打撃センスもあり2安打を放つ活躍を見せたが、この試合1番のチャンスでは空振り三振。宇野に関しては2打席連続三振で結局、左×左も関係なく新井を代打に起用する羽目になるなど完全に起用が裏目に出た。打線全体としても中村晃の変化球を捉えるべく、バッターボックスの前に立つなど対策を講じるもチャンスであと1本が出なかった。特に主将で4番の生沼は2打席連続で変化球を引っ掛けショートゴロ併殺というのが痛かった。

早稲田実業は4番生沼が2回も併殺に倒れてしまったのが痛かった
菅生は今日はやはり中村晃に尽きる(詳細はPickUpPlayerで)。ただその中村晃を支えたキャッチ-の小山も見事であった。小山は1年夏にセンターとして甲子園に出場していたが、2年春からキャッチャーにコンバート。運動能力が高く、強肩もさることながら、捕ってからの身のこなしがよく送球までが早い。捕球にはやや課題も残るも、重要な場面ではすかさずマウンドに駆け寄るなどキャッチャーとしての気遣いなどもできている。高校通算15発を誇る打撃ではこの試合はノーヒットに終わるが、2四球を選び出塁。もともとセンターだけあって俊足で、8回にはセンターフライでのタッチアップなどは走塁の判断もよかった。走攻守揃った捕手として東京はおろか、プロからも注目される存在となることだろう。

見事に中村晃の完封を支えた走攻守3拍子揃った東海大菅生のキャッチャー小山
Pickup Player
中村晃太朗 東海大菅生2年 ピッチャー
~大一番でお見事完封~
中村晃は中学時代は湘南ボーイズに所属し、ジャイアンツカップ制覇。ただ当時のエースは谷村(桐光学園)であり、中村晃は海老原(二松学舎大付)とともに控え投手であった。東海大菅生では2年春からベンチ入りを果たすと、エース戸田の退部(?)に伴いエース争いに参戦。2年夏には背番号18ながらも八王子戦、日大三戦などの主要試合に先発。八王子戦では6回2失点の好投をみせるも、日大三戦では1回持たずにKOされてしまった。新チームでは背番号1を獲得してエースとなると、桜美林戦では6回まで快調な投球も、7回に突如乱れてKO。ただ後は二松学舎大付(相手投手は海老原)、岩倉と連続で1失点完投勝利をあげてこの準決勝にコマを進めた。
この試合でも先発マウンド上がった中村晃。左腕らしいクロス気味のステップから繰り出すストレートはMax137㌔だが、ボールの回転はよくそれ以上の威力がある。130㌔前後のツーシーム、スライダー、カーブ、チェンジアップと多彩な変化球も含めてそれぞれをコントロールよく投げることができるのが魅力であり、早実打線に的を絞らせない。初回のピンチを三振で切り抜けると、その後もスライダー・チェンジアップを決め球に三振を奪っていった。ヒットは8本浴びるも、先頭打者に出塁を許した4回・6回はいずれも生沼を変化球で泳がせて併殺に打ち取っていたので、早実打線はランナーを出してもなかなかチャンスとはいかない。最大のピンチであった8回裏も伊藤戸のエース対決を制して凌ぐと、そのまま最後まで投げ切り、8安打8奪三振で四球は1個のみという見事な完封劇であった。
東海大菅生のエースとして今大会中に成長を遂げ、チームの決勝進出の最大の立役者ともいうべき活躍の中村晃。明日の決勝でも連投はほぼ確実な状態であり、その左腕に菅生のセンバツ確定はかかっている。

お見事8安打8奪三振完封勝利をあげた東海大菅生のエース中村晃
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東海大菅生×早稲田実業@神宮球場
試合経過

※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください
決勝進出をかけた秋季東京大会の準決勝は、東海大菅生×早稲田実業という昨年の西東京大会と同じカードとなった。早稲田実業の伊藤、東海大菅生の中村晃という今大会で抜群の働きを見せている両エースが先発した。
3回表、菅生は1死から今江・小山が連続四球で出塁すると、4番杉崎も四球を選んで満塁とする。ここで5番杉崎の打球は高いバウンドのショートゴロかと思ったら、ショートの手前で打球がやや跳ねるとショート千葉のグラブをかすめて打球はセンターへ(記録はヒット)。成瀬の2点タイムリーで菅生が先制する。

先制の2点タイムリーヒットを放った東海大菅生の成瀬
しかしその後は再び投手戦に突入。早実の伊藤はMax138㌔のストレートにスライダー・フォークなどを交えたピッチングで4~6回を3人ずつパーフェクトに抑えるなど復調。対する菅生の中村晃はランナーを出しながら要所は締めるピッチングで試合は2-0と菅がリードしたまま終盤戦へ突入する。
早実は8回裏、千葉・茅野の連打で1死1・2塁のチャンス。2番梅村はいい当たりであったがレフトの正面で2アウト。ここで迎えるのは早実のエース伊藤。伊藤は準々決勝の日体大荏原戦でホームランを打ったこと、これまで3番を打っていた新井が左×左ということも考慮されてからスタメン落ちしたことから、この試合では伊藤が3番に昇格し。ここまで2安打を放っていた。エース同時の対決は伊藤が4球ファールを打つなど粘りを見せるが、最後は中村のアウトコースのストレートの前に三振で早実はこのチャンスを生かせなかった。

3番に昇格した伊藤は2安打を放っていたが8回の最大のチャンスでは三振に倒れた
すると最大のピンチを凌いだ菅生は直後の9回表、途中出場していた大里が四球を選んで出塁。中村晃のバントでチャンスを広げると。2死2塁で2番今江を迎える。今江は伊藤の初球の高めのボールを上からたたくと、打球は前進していたレフトの頭上を越えるタイムリー2ベース。菅生がトドメとなる1点をあげると、その裏も中村晃が無失点で抑えて完封勝利。東海大菅生が決勝進出を決め、センバツ出場に大きく前進した。

最終回にダメ押しのタイムリー2ベースを放つ東海大菅生の今江

敗れた早実はエース伊藤の好投は光ったが四球に泣いた。伊藤は非常に体感のしっかりしたフォームで、コントロール自体は悪くない。ただ1度コントロールがズレるとそのままボールが続いてしまう傾向があり、3回には3連続四球で満塁としてしまい、そこからイレギュラーも重なる不運な2点タイムリーを浴びた。9回の追加点も四球で出したランナーであり、菅生は全得点が四球で出塁したランナーであった。

好投をみせた早稲田実業のエース伊藤がであるが四球に泣いて3失点を喫してしまった
打線は左腕中村晃対策としてこれまで3番を打っていた新井をベンチスタートにして、代わりに右打者の宇野を起用、ピッチャーの伊藤を3番に上げた。伊藤は打撃センスもあり2安打を放つ活躍を見せたが、この試合1番のチャンスでは空振り三振。宇野に関しては2打席連続三振で結局、左×左も関係なく新井を代打に起用する羽目になるなど完全に起用が裏目に出た。打線全体としても中村晃の変化球を捉えるべく、バッターボックスの前に立つなど対策を講じるもチャンスであと1本が出なかった。特に主将で4番の生沼は2打席連続で変化球を引っ掛けショートゴロ併殺というのが痛かった。

早稲田実業は4番生沼が2回も併殺に倒れてしまったのが痛かった
菅生は今日はやはり中村晃に尽きる(詳細はPickUpPlayerで)。ただその中村晃を支えたキャッチ-の小山も見事であった。小山は1年夏にセンターとして甲子園に出場していたが、2年春からキャッチャーにコンバート。運動能力が高く、強肩もさることながら、捕ってからの身のこなしがよく送球までが早い。捕球にはやや課題も残るも、重要な場面ではすかさずマウンドに駆け寄るなどキャッチャーとしての気遣いなどもできている。高校通算15発を誇る打撃ではこの試合はノーヒットに終わるが、2四球を選び出塁。もともとセンターだけあって俊足で、8回にはセンターフライでのタッチアップなどは走塁の判断もよかった。走攻守揃った捕手として東京はおろか、プロからも注目される存在となることだろう。

見事に中村晃の完封を支えた走攻守3拍子揃った東海大菅生のキャッチャー小山
Pickup Player
中村晃太朗 東海大菅生2年 ピッチャー
~大一番でお見事完封~
中村晃は中学時代は湘南ボーイズに所属し、ジャイアンツカップ制覇。ただ当時のエースは谷村(桐光学園)であり、中村晃は海老原(二松学舎大付)とともに控え投手であった。東海大菅生では2年春からベンチ入りを果たすと、エース戸田の退部(?)に伴いエース争いに参戦。2年夏には背番号18ながらも八王子戦、日大三戦などの主要試合に先発。八王子戦では6回2失点の好投をみせるも、日大三戦では1回持たずにKOされてしまった。新チームでは背番号1を獲得してエースとなると、桜美林戦では6回まで快調な投球も、7回に突如乱れてKO。ただ後は二松学舎大付(相手投手は海老原)、岩倉と連続で1失点完投勝利をあげてこの準決勝にコマを進めた。
この試合でも先発マウンド上がった中村晃。左腕らしいクロス気味のステップから繰り出すストレートはMax137㌔だが、ボールの回転はよくそれ以上の威力がある。130㌔前後のツーシーム、スライダー、カーブ、チェンジアップと多彩な変化球も含めてそれぞれをコントロールよく投げることができるのが魅力であり、早実打線に的を絞らせない。初回のピンチを三振で切り抜けると、その後もスライダー・チェンジアップを決め球に三振を奪っていった。ヒットは8本浴びるも、先頭打者に出塁を許した4回・6回はいずれも生沼を変化球で泳がせて併殺に打ち取っていたので、早実打線はランナーを出してもなかなかチャンスとはいかない。最大のピンチであった8回裏も伊藤戸のエース対決を制して凌ぐと、そのまま最後まで投げ切り、8安打8奪三振で四球は1個のみという見事な完封劇であった。
東海大菅生のエースとして今大会中に成長を遂げ、チームの決勝進出の最大の立役者ともいうべき活躍の中村晃。明日の決勝でも連投はほぼ確実な状態であり、その左腕に菅生のセンバツ確定はかかっている。

お見事8安打8奪三振完封勝利をあげた東海大菅生のエース中村晃
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