新潟高野連の球数制限導入に思う
新潟県高野連「球数制限」導入へ 来春県大会で、全国初
新潟の高野連が来年の春季大会で1投手は1試合100球までという球数制限を導入する。
~評価できる新潟高野連の勇気~
まず今回の導入は非常に思い切ったことである。高校野球というは都道府県ごとに独自ルールはあるものの(ベンチ入りの人数など)、基本的には日本高野連が主導であり、それぞれの都道府県の高野連で大きくやり方を変えることはあまりない組織だ。
ただ高野連の中ではいまだに1人の投手が投げぬくことが美学との見方が多く、タイブレークは導入したものの、投手の投球量に具体的な制限を設けることについては腰が重い。この夏には6試合で881球を投じた吉田(金足農業)は、最後の決勝戦では大阪桐蔭を相手に本来の投球ができずに5回KO。山口(済美)は星稜戦で延長14回タイブレークを184球完投するなど5試合で607球を投じた。こういう状況に、100回という記念大会、昨今の甲子園人気も相まって、投手の投球過多に対する心配はよりいっそう強まっても、高野連には投球制限に関する具体的な動きはなかった。

夏の甲子園では決勝までの6試合で計881球を投じた金足農の吉田

夏の甲子園では延長14回を187球で完投した済美の山口直
このような状況下でいわば全然動かない本社に任せておけないという形で、支社が自ら大きな1歩を踏み出したということは非常に評価できることだ。それは投球過多の対策ということもさることながら、全国高校野球連盟が動かないと改革ができないという状態から脱却するにも繋がるからである。これに続く都道府県の高野連(特に四国)が出てくれればいいと思う。
ただその反面実施する内容について、少し疑問が残る。
~球数より連投を防いでほしい~
まずは100球という数。100球というのはイニングに換算するとだいたい7回くらいで終わってしまう。1試合で100球という数字は日々練習を積んでいる高校生にとってみれば、決して投げすぎといえる数字ではないだろう。また個人的に投球過多でもっとも危惧すべきことは連投を始めとした登板間隔であると思う。今回のルールでは100球投げて降板しても、次の日にはまた100球投げれることになり、これこそ防ぐべきことではないだろうか?例えば「100球以上投げた投手は、翌日の試合は登板不可とする」とか…。日米野球やWBCの球数制限も1試合の球数だけでなく、「○球投げたら、次の登板まで中●日必要」というようにセットとなっていることも考えると、なんとも今回の制限は片割れ感がある。
~春だけじゃなくて夏も~
次に春季大会限定というのも違和感がある。実験としてやるなら甲子園に直結しない春季大会で~というも理解できるが、結局1番投球制限が必要なのは夏の選手権大会である。気温も高く、また平日を使って試合も行われるため連戦連戦となる大会でこそ投球制限は効果があるものだ。基本土日のみの春季大会ならば、多くても2連投でその後しばらくは休めるわけだから、効果は薄い。当事者から見れば、結局夏は連投がOKなら、この春のルールは何なんだろうと思うだろうし、実験のモルモットにされた感がある。そして甲子園に繋がらないからといって、春季大会を軽視している高野連の姿勢も気になる。春季大会とはいえ1年に3つしかない公式戦のうちの1つ、特に強豪とは言えないチームにとっては強いチームとも対戦できる貴重な実戦の機会でもある。せっかく思いきってやるのなら、いっそのこと夏の選手権大会にも導入してしまえばいいと思う。
ということで新潟高野連の球数制限導入について個人的な意見をまとめると…
・日本高野連を待つことなく、1歩を踏み出した姿勢は評価できる
・ただ100球という制限は少なすぎるし、制限を作るなら連投を禁止すべき
・どうせ思いきって導入するなら、本当に必要な夏の大会にも導入してしまえ
となります。
以上です。
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新潟の高野連が来年の春季大会で1投手は1試合100球までという球数制限を導入する。
~評価できる新潟高野連の勇気~
まず今回の導入は非常に思い切ったことである。高校野球というは都道府県ごとに独自ルールはあるものの(ベンチ入りの人数など)、基本的には日本高野連が主導であり、それぞれの都道府県の高野連で大きくやり方を変えることはあまりない組織だ。
ただ高野連の中ではいまだに1人の投手が投げぬくことが美学との見方が多く、タイブレークは導入したものの、投手の投球量に具体的な制限を設けることについては腰が重い。この夏には6試合で881球を投じた吉田(金足農業)は、最後の決勝戦では大阪桐蔭を相手に本来の投球ができずに5回KO。山口(済美)は星稜戦で延長14回タイブレークを184球完投するなど5試合で607球を投じた。こういう状況に、100回という記念大会、昨今の甲子園人気も相まって、投手の投球過多に対する心配はよりいっそう強まっても、高野連には投球制限に関する具体的な動きはなかった。

夏の甲子園では決勝までの6試合で計881球を投じた金足農の吉田

夏の甲子園では延長14回を187球で完投した済美の山口直
このような状況下でいわば全然動かない本社に任せておけないという形で、支社が自ら大きな1歩を踏み出したということは非常に評価できることだ。それは投球過多の対策ということもさることながら、全国高校野球連盟が動かないと改革ができないという状態から脱却するにも繋がるからである。これに続く都道府県の高野連(特に四国)が出てくれればいいと思う。
ただその反面実施する内容について、少し疑問が残る。
~球数より連投を防いでほしい~
まずは100球という数。100球というのはイニングに換算するとだいたい7回くらいで終わってしまう。1試合で100球という数字は日々練習を積んでいる高校生にとってみれば、決して投げすぎといえる数字ではないだろう。また個人的に投球過多でもっとも危惧すべきことは連投を始めとした登板間隔であると思う。今回のルールでは100球投げて降板しても、次の日にはまた100球投げれることになり、これこそ防ぐべきことではないだろうか?例えば「100球以上投げた投手は、翌日の試合は登板不可とする」とか…。日米野球やWBCの球数制限も1試合の球数だけでなく、「○球投げたら、次の登板まで中●日必要」というようにセットとなっていることも考えると、なんとも今回の制限は片割れ感がある。
~春だけじゃなくて夏も~
次に春季大会限定というのも違和感がある。実験としてやるなら甲子園に直結しない春季大会で~というも理解できるが、結局1番投球制限が必要なのは夏の選手権大会である。気温も高く、また平日を使って試合も行われるため連戦連戦となる大会でこそ投球制限は効果があるものだ。基本土日のみの春季大会ならば、多くても2連投でその後しばらくは休めるわけだから、効果は薄い。当事者から見れば、結局夏は連投がOKなら、この春のルールは何なんだろうと思うだろうし、実験のモルモットにされた感がある。そして甲子園に繋がらないからといって、春季大会を軽視している高野連の姿勢も気になる。春季大会とはいえ1年に3つしかない公式戦のうちの1つ、特に強豪とは言えないチームにとっては強いチームとも対戦できる貴重な実戦の機会でもある。せっかく思いきってやるのなら、いっそのこと夏の選手権大会にも導入してしまえばいいと思う。
ということで新潟高野連の球数制限導入について個人的な意見をまとめると…
・日本高野連を待つことなく、1歩を踏み出した姿勢は評価できる
・ただ100球という制限は少なすぎるし、制限を作るなら連投を禁止すべき
・どうせ思いきって導入するなら、本当に必要な夏の大会にも導入してしまえ
となります。
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