星稜×履正社【選抜高校野球大会】
3/23 選抜高校野球大会第1日目
星稜×履正社@阪神甲子園球場
試合経過

※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください
センバツの開幕日に、ともに優勝候補である星稜と履正社が激突。1回戦では間違いなく注目度No1の好カードである。
履正社の先発はエース左腕の清水。大会前の練習試合で左手に打球を受けた影響が心配されたが、問題なくこのマウンドに立てたようだ。しかし立ち上狩りの清水はストレートも130㌔前後であり、制球もやや甘かった。1死から有松にライト前ヒットを浴びると、続く3番知田にもライト前ヒットを浴びる。ここはライト井上が強肩を発揮して3塁へのノーバンスローで有松を刺してみせるが、履正社バッテリーはこの日4番内山を非常に警戒していて、四球を与えてしまう。2死1・2塁で迎えた5番山瀬の打球はショート守備範囲範囲であったが非常に強烈で野上はキャッチすることができず(記録はヒット)、履正社が先制する。

先制タイムリーを放った星稜の5番山瀬
1回裏にマウンドにあがった、今大会注目度No1投手である星稜のエース奥川がいきなり観客を沸かす。初球に148㌔をマークすると、2球目には早くも150㌔、そして4球目には自己最速を更新する151㌔をマークした。この日の甲子園は非常に肌寒く、自分もマフラーをしながら観戦していたほどの気温。その中でいきなりこれほどのスピードをマークするのだからえげつない。奥川はストレート4球のあとにスライダーを投げ込むと桃谷は手が出ずに見逃しの三振。3番小深田はなんと137㌔のフォークで三振に仕留めるなどして完璧な立ち上がりを迎える。
奥川は2回にも151㌔をマークするも、それ以降はストレートは140㌔中盤が中心とやや抑え気味のピッチング。ただ他にも大きく曲がる120㌔後半のスライダー、130㌔後半もマークするフォーク、中盤以降はカーブにチェンジアップも使い始めるがどの変化球も一級品。よってストレートの割合もそれほど多くもなく、うまく見せ球としても使えていて、履正社打線を寄せ付けない。5回までは毎回2個ずつの三振を奪い、打たれたヒットは野口の1本のみという圧巻の投球内容であった。
履正社の清水も2回以降は調子を取り戻した。ストレートこそ140㌔止まりだったものの、ストレートとスライダーが基本線であった秋のピッチングとは違って、カーブやチェンジアップなどの変化球も駆使して、星稜打線のタイミングを外すこともできていた。毎回ランナーを許しては凌ぐという粘りのピッチングであったが、2回以降は星稜に得点を許さずに試合は星稜が1-0とリードしたまま終盤を迎える。

2回以降は星稜打線を無得点に抑えていた履正社のエース清水
7回表、星稜の先頭の山本の打球は二遊間の深いところ。これを履正社のセカンド池田が好捕するも、送球は浮いてしまい(記録はエラー)山本が出塁。東海林が送るなどして、2死3塁で3番知田を迎える。知田はカウント2B0Sからの3球目をレフトにうまく流し打って、星稜が待望の追加点をあげる。

貴重な追加点となるタイムリーを放つ星稜の3番知田
履正社の反撃は8回裏、2死から野口がこの試合2本目のヒットで出塁。代打関本は奥川の初球を叩くと強烈なサードゴロ、これをサード知田がなんとかキャッチし2塁へ送球するもやや逸れてしまい、2死1・2塁。長打が出れば同点という場面で、岡田監督はエース清水のところで代打に田上を送る。田上はカウント2B2Sからのフォークを捉えて1塁線へ強烈なファールを放ち(これが入っていれば同点だった)球場を盛り上げるも、最後は奥川の146㌔のストレートの前にバットが空を切ってしまった。

1人奥川から2安打と気を吐いた履正社の主将野口
履正社は清水に代打を送った関係で、9回のマウンドには植木があがる。植木は咋秋の大阪大会決勝では大阪桐蔭から2失点完投勝利をあげた実力者であるが、1死から東海林にレフト前ヒットを浴びると、続く2番有松にはライナーで左中間を破られてしまい、星稜に3点目を献上してしまう。

それでも履正社は9回裏、先頭の桃谷がこの試合で奥川から初となる四球を選んで出塁。1死から小深田が強烈な打球で1・2塁間を破り1死1・3塁とホームランがでれば同点というチャンスで4番井上を迎える。ただ奥川は井上を2球で追い込むと、最後は低めのスライダーを引っ掛けさせて、それを自ら冷静に処理して1-6-3のダブルプレーでゲームセット。奥川は結局3安打17奪三振という圧倒的な内容での完封劇であった。
総括
奥川の凄さを改めて感じた試合であった。今大会の参加チームの中でもトップクラスの力があると言われていた履正社打線相手から17個もの三振を奪っての完封劇。151㌔をマークしたが、フォームに力みなどはなく、ゆったりしたところからドシンと来る感じである。またスライダー・カーブ・フォーク・チェンジアップといった変化球も多く、そこからの150㌔なので厳しかった。何やら見ていて奥川に余裕のようなものも感じられた。優勝候補筆頭の星稜であっても、いきなり初戦に履正社はかなりのマイナスだという評価もあったが、そんな心配は無用だったようだ。今日の試合のピッチングを継続するという条件付きではあるが、個人的にはこれまで甲子園で見てきた投手の中でNo1といえる存在だと感じた。

3安打17奪三振という圧倒的な内容で完封勝利をあげた星稜のエース奥川
奥川に圧倒されてしまった履正社打線であるが、奥川の150㌔に対しても決して振りまけている印象ななく、ハイレベルな打線であった。そのハイレベルさを象徴したのが、8回裏に登場した2人の代打だ。まず最初に登場したのは控え捕手でもある2年生の関本(元阪神の関本賢太郎の息子)は、公式戦初打席ながら初球の148㌔を振り抜くとサードの強烈な打球を放った(サードはキャッチするも暴投で出塁)。これで長打が出れば同点という場面で、打席にたった同じく2年生の田上は4球連続ストレートでカウント2B2Sとなったところから、136㌔のフォークを捉えると打球は1塁線にライナーで飛んで行ったが惜しくもファール(入っていれば同点タイムリーだった)。結果には結びつかった2人であるが、代打で出てきて148㌔のストレートを、あるいは136㌔のフォークを初見で打てるというのは並大抵のことではない。こういう打者が控えているというのは打線の層の厚さを感じさせる。敗れはしたものの、甲子園という場で奥川というNo1投手と対戦できたことは履正社にとって貴重な経験になったころだろう。

代打で登場して初球から積極的なバッティングをみせた履正社の関本
Pickup Player
山瀬慎之介 星稜3 年キャッチャー
~秋のケガから復活して見事チームを牽引~
秋にはケガの影響もあり、打順を9番まで落とした山瀬が、この春に見事復活をとげた。
中学時代には宇ノ気中で全国制覇を経験した山瀬は遠投120㍍を誇る強肩捕手で林監督からも歴代No1と評されていて、星稜高校でも1年秋から正捕手を務める。2年春のセンバツでは打率.600をマークするなど打撃面でも大活躍をみせてベスト8入りに貢献。新チームでは主将も務めるが、昨秋は右手首のケガに苦しみ、スタメンを外れた試合もあり、打順は9番まで落ちていた。
しかしケガが治り、先月からフルスイングできるようになった山瀬は打順を5番に戻してこの試合に臨んだ。すると2死1・2塁で迎えた第1打席では清水のストレートを捉えると、強烈な打球はショートの守備範囲内であったが、とることができずにレフトに抜ける先制のタイムリー。それぞれ回の先頭打者として迎えた6回の第3打席、8回の第4打席でもヒットを放ち、4打数3安打1打点という活躍であった。
守っては小4からずっとバッテリーを組む奥川を好リードして完封劇をアシスト。最初にフルギアで150㌔のストレートを意識させた後に、スライダーを多めにして打ち取ったり、試合の後半からチェンジアップを解禁して球種を増やすなど計画的なリードであった。
回の合間のセカンドの送球も、他のチームとは桁違いに低くて速い送球を投げて、それを見たからかどうかは知らないが履正社の盗塁企画数は0。他には1塁のカバーで逸れたボールがベンチに入りそうなところをスライディングキャッチで止めるプレーもあった。
山瀬が本来の姿に戻ることこそ、星稜にとっては秋からの1番の戦力アップであると言われていて、今日はそれが実現できていたとみる。また山瀬が本調子になることで、奥川の投球の質も上がり、今日はその結果も現れたといえる。奥川ー山瀬バッテリーが中学に続いて、甲子園でも全国制覇を果たすという姿もどんどん現実味を帯びてきている。

ケガを直して本来の姿に戻りつつある星稜の正捕手山瀬
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星稜×履正社@阪神甲子園球場
試合経過

※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください
センバツの開幕日に、ともに優勝候補である星稜と履正社が激突。1回戦では間違いなく注目度No1の好カードである。
履正社の先発はエース左腕の清水。大会前の練習試合で左手に打球を受けた影響が心配されたが、問題なくこのマウンドに立てたようだ。しかし立ち上狩りの清水はストレートも130㌔前後であり、制球もやや甘かった。1死から有松にライト前ヒットを浴びると、続く3番知田にもライト前ヒットを浴びる。ここはライト井上が強肩を発揮して3塁へのノーバンスローで有松を刺してみせるが、履正社バッテリーはこの日4番内山を非常に警戒していて、四球を与えてしまう。2死1・2塁で迎えた5番山瀬の打球はショート守備範囲範囲であったが非常に強烈で野上はキャッチすることができず(記録はヒット)、履正社が先制する。

先制タイムリーを放った星稜の5番山瀬
1回裏にマウンドにあがった、今大会注目度No1投手である星稜のエース奥川がいきなり観客を沸かす。初球に148㌔をマークすると、2球目には早くも150㌔、そして4球目には自己最速を更新する151㌔をマークした。この日の甲子園は非常に肌寒く、自分もマフラーをしながら観戦していたほどの気温。その中でいきなりこれほどのスピードをマークするのだからえげつない。奥川はストレート4球のあとにスライダーを投げ込むと桃谷は手が出ずに見逃しの三振。3番小深田はなんと137㌔のフォークで三振に仕留めるなどして完璧な立ち上がりを迎える。
奥川は2回にも151㌔をマークするも、それ以降はストレートは140㌔中盤が中心とやや抑え気味のピッチング。ただ他にも大きく曲がる120㌔後半のスライダー、130㌔後半もマークするフォーク、中盤以降はカーブにチェンジアップも使い始めるがどの変化球も一級品。よってストレートの割合もそれほど多くもなく、うまく見せ球としても使えていて、履正社打線を寄せ付けない。5回までは毎回2個ずつの三振を奪い、打たれたヒットは野口の1本のみという圧巻の投球内容であった。
履正社の清水も2回以降は調子を取り戻した。ストレートこそ140㌔止まりだったものの、ストレートとスライダーが基本線であった秋のピッチングとは違って、カーブやチェンジアップなどの変化球も駆使して、星稜打線のタイミングを外すこともできていた。毎回ランナーを許しては凌ぐという粘りのピッチングであったが、2回以降は星稜に得点を許さずに試合は星稜が1-0とリードしたまま終盤を迎える。

2回以降は星稜打線を無得点に抑えていた履正社のエース清水
7回表、星稜の先頭の山本の打球は二遊間の深いところ。これを履正社のセカンド池田が好捕するも、送球は浮いてしまい(記録はエラー)山本が出塁。東海林が送るなどして、2死3塁で3番知田を迎える。知田はカウント2B0Sからの3球目をレフトにうまく流し打って、星稜が待望の追加点をあげる。

貴重な追加点となるタイムリーを放つ星稜の3番知田
履正社の反撃は8回裏、2死から野口がこの試合2本目のヒットで出塁。代打関本は奥川の初球を叩くと強烈なサードゴロ、これをサード知田がなんとかキャッチし2塁へ送球するもやや逸れてしまい、2死1・2塁。長打が出れば同点という場面で、岡田監督はエース清水のところで代打に田上を送る。田上はカウント2B2Sからのフォークを捉えて1塁線へ強烈なファールを放ち(これが入っていれば同点だった)球場を盛り上げるも、最後は奥川の146㌔のストレートの前にバットが空を切ってしまった。

1人奥川から2安打と気を吐いた履正社の主将野口
履正社は清水に代打を送った関係で、9回のマウンドには植木があがる。植木は咋秋の大阪大会決勝では大阪桐蔭から2失点完投勝利をあげた実力者であるが、1死から東海林にレフト前ヒットを浴びると、続く2番有松にはライナーで左中間を破られてしまい、星稜に3点目を献上してしまう。

それでも履正社は9回裏、先頭の桃谷がこの試合で奥川から初となる四球を選んで出塁。1死から小深田が強烈な打球で1・2塁間を破り1死1・3塁とホームランがでれば同点というチャンスで4番井上を迎える。ただ奥川は井上を2球で追い込むと、最後は低めのスライダーを引っ掛けさせて、それを自ら冷静に処理して1-6-3のダブルプレーでゲームセット。奥川は結局3安打17奪三振という圧倒的な内容での完封劇であった。
総括
奥川の凄さを改めて感じた試合であった。今大会の参加チームの中でもトップクラスの力があると言われていた履正社打線相手から17個もの三振を奪っての完封劇。151㌔をマークしたが、フォームに力みなどはなく、ゆったりしたところからドシンと来る感じである。またスライダー・カーブ・フォーク・チェンジアップといった変化球も多く、そこからの150㌔なので厳しかった。何やら見ていて奥川に余裕のようなものも感じられた。優勝候補筆頭の星稜であっても、いきなり初戦に履正社はかなりのマイナスだという評価もあったが、そんな心配は無用だったようだ。今日の試合のピッチングを継続するという条件付きではあるが、個人的にはこれまで甲子園で見てきた投手の中でNo1といえる存在だと感じた。

3安打17奪三振という圧倒的な内容で完封勝利をあげた星稜のエース奥川
奥川に圧倒されてしまった履正社打線であるが、奥川の150㌔に対しても決して振りまけている印象ななく、ハイレベルな打線であった。そのハイレベルさを象徴したのが、8回裏に登場した2人の代打だ。まず最初に登場したのは控え捕手でもある2年生の関本(元阪神の関本賢太郎の息子)は、公式戦初打席ながら初球の148㌔を振り抜くとサードの強烈な打球を放った(サードはキャッチするも暴投で出塁)。これで長打が出れば同点という場面で、打席にたった同じく2年生の田上は4球連続ストレートでカウント2B2Sとなったところから、136㌔のフォークを捉えると打球は1塁線にライナーで飛んで行ったが惜しくもファール(入っていれば同点タイムリーだった)。結果には結びつかった2人であるが、代打で出てきて148㌔のストレートを、あるいは136㌔のフォークを初見で打てるというのは並大抵のことではない。こういう打者が控えているというのは打線の層の厚さを感じさせる。敗れはしたものの、甲子園という場で奥川というNo1投手と対戦できたことは履正社にとって貴重な経験になったころだろう。

代打で登場して初球から積極的なバッティングをみせた履正社の関本
Pickup Player
山瀬慎之介 星稜3 年キャッチャー
~秋のケガから復活して見事チームを牽引~
秋にはケガの影響もあり、打順を9番まで落とした山瀬が、この春に見事復活をとげた。
中学時代には宇ノ気中で全国制覇を経験した山瀬は遠投120㍍を誇る強肩捕手で林監督からも歴代No1と評されていて、星稜高校でも1年秋から正捕手を務める。2年春のセンバツでは打率.600をマークするなど打撃面でも大活躍をみせてベスト8入りに貢献。新チームでは主将も務めるが、昨秋は右手首のケガに苦しみ、スタメンを外れた試合もあり、打順は9番まで落ちていた。
しかしケガが治り、先月からフルスイングできるようになった山瀬は打順を5番に戻してこの試合に臨んだ。すると2死1・2塁で迎えた第1打席では清水のストレートを捉えると、強烈な打球はショートの守備範囲内であったが、とることができずにレフトに抜ける先制のタイムリー。それぞれ回の先頭打者として迎えた6回の第3打席、8回の第4打席でもヒットを放ち、4打数3安打1打点という活躍であった。
守っては小4からずっとバッテリーを組む奥川を好リードして完封劇をアシスト。最初にフルギアで150㌔のストレートを意識させた後に、スライダーを多めにして打ち取ったり、試合の後半からチェンジアップを解禁して球種を増やすなど計画的なリードであった。
回の合間のセカンドの送球も、他のチームとは桁違いに低くて速い送球を投げて、それを見たからかどうかは知らないが履正社の盗塁企画数は0。他には1塁のカバーで逸れたボールがベンチに入りそうなところをスライディングキャッチで止めるプレーもあった。
山瀬が本来の姿に戻ることこそ、星稜にとっては秋からの1番の戦力アップであると言われていて、今日はそれが実現できていたとみる。また山瀬が本調子になることで、奥川の投球の質も上がり、今日はその結果も現れたといえる。奥川ー山瀬バッテリーが中学に続いて、甲子園でも全国制覇を果たすという姿もどんどん現実味を帯びてきている。

ケガを直して本来の姿に戻りつつある星稜の正捕手山瀬
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