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大阪ガス×JFE東日本【都市対抗】

7/14 都市対抗野球大会2回戦
大阪ガス×JFE東日本 @東京ドーム

試合経過

20190714大阪ガス×JFE東日本
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください

昨年の都市対抗の覇者である大阪ガスに挑むのは、3年ぶりの出場となるJFE東日本。ただ今年新人9人が加入し、またDeNAから須田が復帰して戦力が大幅にアップしたJFE東日本は、Honda・日本通運など強豪がひしめく南関東予選を全勝で突破していて、2回戦屈指の好カードと言われていた。そんな試合は両先発の好投による投手戦となる。

JFE東日本の先発は大方の予想に反して、2年目の右腕本田(多くの人が経験豊富な左腕の中林を予想していただろう)。本田のストレートは140㌔そこそこであったが、これを低めのコースに糸をひくように決めることができていた。得意のスライダーも使いながら、大阪ガス打線を打ち取っていき、なんと5回まで大阪ガス打線をヒット1本に抑える好投。あえて若い投手を重要な初戦のマウンドに送った落合監督の起用が功を奏した形となった。
20190714JFE東日本 本田
5回無失点の好投をみせたJFE東日本の先発本田

一方大阪ガスの先発の阪本は、序盤はMax146㌔をマークしたストレートに、得意のカットボールを多用するピッチング。3回には先頭の内藤に2ベースを浴びてピンチを招くも、そこから2番今川・3番峯本を気迫の投球で連続三振。昨年の都市対抗では2試合に先発するも、いずれも5回持たずに降板してしまったが、今年はこのピンチを凌ぐと、他には全く危なげない投球で5回まで無失点で抑える。
20190718大阪ガス 阪本
6回無失点の好投を見せた大阪ガスの先発阪本

グランド整備が明けると両チームの打線はやや活発となった。まず大阪ガス打線は6回に、この回からマウンドに上がったJFE東日本の2番手橘(かずさマジックからの補強)から小深田・峰下の近大コンビがヒットを放つも、いずれも橘の鋭い牽制の前に刺されてしまう。一方JFE東日本も6回裏に、2死から内藤がヒットで出塁→盗塁でチャンスを作ると、2番今川にレフト前ヒットが飛び出すも、一気にホームを狙った内藤はレフト古川の好返球の前にタッチアウトになってしまう。
20190714JFE東日本 内藤
先制点奪取のためにホームを狙った内藤は惜しくもタッチアウト

また両チームともに継投に入り、JFE東日本は橘が6~8回を無失点に抑えると、9回からはリリーフエースの須田が登板。大阪ガスは7回から左腕中谷がマウンドに上がると、8回の先頭打者を出したところで緒方、9回からは猿渡と昨年の都市対抗制覇を経験した投手を次々と送り込む。ただJFE東日本は9回裏、その猿渡に対して内藤・今川が連打でチャンスを作ると、2死1・2塁とサヨナラのチャンスで4番平山快を迎える。大阪ガスはこのピンチで、5番手として飯塚をマウンドに送る。飯塚は攻めの投球で平山快を追い込むも、粘られると5球目をセンター前に弾き返されえてしまう。ただ大阪ガスはここでも途中出場のセンター宮崎がホームにストライク送球で内藤を刺して、試合は0-0のまま延長戦に突入する。
20190718大阪ガス 宮崎
サヨナラのピンチを救った大阪ガスのセンター宮崎

延長戦ではJFE東日本の須田が圧巻の投球。ストレートは140㌔ちょっとであるが、コンパクトなフォームから放たれる球は打者からしてみるといきなりくるような感じであり、またその球が本当に際どいコーナーに決まる。ほぼこのストレートと時よりスライダーで延長10回は3者三振、9回から5者連続三振を奪うと、11回も3人で抑える。ただ大阪ガスの飯塚も、10回・11回と3人ずつで打たせてとり、試合は0-0のまま延長12回からのタイブレークに突入する。
20190714JFE東日本 須田
5者連続三振など圧巻の投球をみせたJFE東日本の須田

無死1・2塁、継続打順から始めるタイブレークは12回表、大阪ガスは峰下のセカンドゴロが併殺崩れとなり1・3塁とすると。4番土井がレフトに犠牲フライを放ち1点。さらに続く5番古川の左中間への大飛球はわずかにレフトのグラブをかすめタイムリー2ベース。大阪ガスにとっては大きな2点目が入り、試合は決まったかに思えた。
20190718大阪ガス 古川
左中間にタイムリー2ベースを放った大阪ガスの古川

しかしその裏のJFE東日本は、2番今川が初球に死球を喰らい無死満塁。ここで途中出場の鳥巣の三遊間の打球はサード青柳のグラブに当たってコースが変わり点々とする間に2者が生還してJFE東日本が同点。さらに無死1・2塁とサヨナラのチャンスであったが、4番平山快はピッチャーゴロ併殺。2死3塁で5番の左バッター中澤を迎えたところで、大阪ガスはマウンドに新人左腕の秋山を送る。ただ中澤は粘った末の10球目を1・2塁間に弾き返しサヨナラタイムリー。JFE東日本がタイブレークの末に昨年の覇者大阪ガスを破って3回戦進出を決めた。
20190714JFE東日本 中澤1
サヨナラ打を放ちガッツポーズのJFE東日本の中澤



今回のJFE東日本で話題となったのが、かずさマジックから松本を補強したことで、DeNA時代のチームメイトであり、また早稲田大では同期であった須田との再タッグが形成されたことである。ちなみに余談だが、トヨタ自動車の細山田も、この2人と早稲田大→DeNAではともに同期である。今年新人9人が加わってチームが一新されたことが話題となったJFE東日本は、スタメンに新人4人が名を連ねた。ただ落合監督も都市対抗という舞台での経験がないことは不安であったのだろうか、それを補うべく、元プロであり昨年の都市対抗ではかずさマジックの4番として出場した松本の力を必要としたのであろう。実際にこの試合でチームに勝利をもたらせたのは途中から試合に出た経験者たちであった。タイブレークで同点タイムリーを放った主将の鳥巣も途中からセカンドの守備についていたし、最後に試合を決めたのも松本に代わってライトに入った中澤であった。また投手陣でも上述の通り、リリーフエース須田の好投は大きかった。
20190714JFE東日本 松本
JFE東日本に補強選手として参加した松本

ただ新人も今川・平山快・岡田はしっかりとヒットを放っていて、勝利に結びつきこそしかったものの自分の打撃はできているといえる。特に2番今川は、2番打者ながらその豪快なスイングで東京ドームもファンを沸かせていて、バントが定石中の定石となる無死1・2塁で始まるタイブレークでもバントの素振りはなし。待望の1発こそ見られたかったものの、レフトに強烈な打球でのヒットを2本放ち、今年の新生JFE東日本を象徴する存在となっている。
20190714JFE東日本 今川
JFE東日本の強打の2番今川

敗れた大阪ガスも決して悪い戦いぶりでなかった。ただ前年度の覇者ということで、昨年のように補強選手は使うことができず、また昨年の橋戸賞の近本は阪神に入団した。橋口監督はその分、チーム内の競争が激化するなど効果も強調していたが、打線でいえばその穴を埋めるような新戦力の活躍はこの試合では見られなかった。その一方投手陣に関しては、昨年の戦力がそのまま残っている上に、昨年の都市対抗では2試合に先発しながらともに5回持たないという悔しい思いをした阪本が6回無失点と見事なピッチング。その後を中谷→緒方→猿渡→飯塚と高卒で入社してから手塩に掛けて育てたリリーフ陣が見事に繋いでいくれた。投手陣に関しては大阪ガスの育成力はさすがの一言であった。
20190718大阪ガス 飯塚
高卒で大阪ガスに入社してからサヨナラのピンチの場面でマウンドを任せれるまでになった飯塚

Pickup Player
中澤彰太 JFE東日本 外野手
~途中出場の悔しさをぶつける大仕事~
スタメン落ちで途中出場となってしまった中澤が、最後には大仕事をやってのけた。

中澤は静岡高時代から身体能力の高い走攻守揃った選手として注目されていた。1年夏からベンチ入りを果たすと、1年秋からサードのレギュラーに定着し、2年夏には3番サードとして甲子園出場。この時の4番が小川(明治安田生命)で、ライトにはJFE東日本でも同期の平川というチームであったが、初戦で習志野の泉澤(明治安田)→木村(東京ガス)の継投の前に敗れた。2年秋・3年春も東海大会出場を果たすも、3番センターとして迎えた3年夏は聖隷クリストファーの鈴木(中日)の前に1点に抑えられ、静岡大会4回戦で敗退となった。

早稲田大では1年春から守備固めや代走で出場機会を得ると、1年秋には1番センターのレギュラーを獲得。3年時には大竹(ソフトバンク)・小島(ロッテ)・道端(明治安田生命)・丸子(JR東日本)・茂木(楽天)・石井(日本ハム)・重信(巨人)が揃ったチームで7番センターとして春秋リーグ連覇、全日本大学野球選手権優勝を経験した。ただその能力の高さは認められドラフト候補と評されつつも、リーグ戦通算打率2割ちょっとと確実性に課題があり、卒業後はJFE東日本に入社した。

JFE東日本でも1年目よりセンターのレギュラーを務めていて、昨年はHondaに補強されて3番を打つなど主力として活躍。ただ3年目を迎えた今年は新人の今川が外野のレギュラーを獲得し、内藤・中島ら強者とのレギュラー争いをしていたところに、都市対抗では松本を補強。この試合も中澤はベンチからのスタートとなった。

ただ松本の打撃がイマイチであったために、中澤は6回からライトの守備に就くこととなる。打撃では1打席目は四球、2打席はショートライナーと内容としては悪くない中で迎えた3打席目は、延長12回同点で2死3塁という場面であった。中澤を迎えたところで大阪ガスベンチは左腕の秋山を投入し、右の代打も考えられるところだったが、落合監督はこの重要な場面を中澤に託すこととした。早稲田大の先輩である須田から、「W(早稲田)の意地を見せてこい」と言われて打席に向かった中澤は初見の左腕秋山のクロス気味の球に対して、2球で追い込まれてしまうも、そこから4球ファールで粘ってカウントは3B2S。10球目はインコースのストレートであったが、この球にうまく体を引きながら合わせると、打球は1・2塁間を抜けてサヨナラタイムリーとなった。

途中出場で最後には結果を出した中澤、松本は簡単に外せないにしても、次戦の相手先発が右であれば中嶋に代わってセンターで起用される可能性も高い。もともと高い身体能力を生かした守備・走力については評価が高く、打撃もパンチ力は折り紙つき。この大会でJFE東日本の勢いにのって、打撃で結果を出して確実性のあるところも見せられれば、まだまだプロ入りの可能性もある大卒3年目である。
20190714JFE東日本 中澤2
途中出場ながら試合を決めるサヨナラ打をはなったJFE東日本の中澤


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