二松学舎大付×修徳【選手権東東京大会】
7/17 選手権東東京大会3回戦
二松学舎大付×修徳 @神宮球場
試合経過

※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください
夏の東東京大会の3連覇を狙う二松学舎大付の初戦の相手は、東東京の強豪ながら今回はノーシードで1・2回戦を勝ち上がってきた修徳。修徳は2回戦ではエース結城を温存してこの試合にかけたきただけあり、その結城が1・2回と二松学舎打線を3人ずつで片づける完璧な立ち上がりをみせる。

完璧な立ち上がりをみせた修徳のエース結城
すると3回裏、2死から9番結城が自らのバットでセンター前に弾き変えて出塁。続く1番佐野は背番号14の2年生ながら2回戦からスタメンに名を連ねているスイッチヒッター。右打席に立った佐野は、二松学舎のエース左腕海老原が投じたインコースのストレートを腕をたたんでうまく捉えると、打球はレフトポール際に飛び込む2ランホームランとなり、修徳が2点を先制する。

先制の2ランホームランを放った修徳の1番佐野
しかし二松学舎も直後の4回表、1死から3番右田がヒットで出塁。続く4番内田の打球はショートライナーであったが、これをショートがはじいてしまい(記録はエラー)1死1・3塁。5番揚野は膝元のスライダーをうまく捉えてレフト前タイムリーで二松学舎が1点を返す。なおも1死1・2塁と一気に同点・逆転といきたいところであったが、秋広→山田と期待の2年生2人は続くことができず、この回は1点差止まり。

二松学舎大付の初得点となるタイムリーを放った揚野
二松学舎は5~7回にも得点圏にランナーを進めるものの、結城からあと1本を出すことができずに無得点。その間二松学舎の海老原も好投をみせる。三振こそ少ないものの、得意のクロスファイア気味のストレートとスライダーを中心にチェンジアップなどを交えて修徳打線を打ち取っていき、佐野のホームラン以降打たれたヒットは1本のみという快投で味方の反撃を待っていた。

2ランは浴びたもののそれ以降は好投をみせる二松学舎大付の海老原
ただ二松学舎打線はクリーンアップから始まる8回の攻撃が3人で終わってしまい、反撃の勢いが止まってしまう。最終回も山田のセンター後方の大飛球も、今度は佐野が守備で魅せてセンターフライとすると、最後は代打石崎が打ち取られてジーエンド。東東京の本命と目されていた二松学舎大付が修徳に1-2で敗れ、初戦で姿を消した。

勝利した修徳ナイン
これがシード校の弱点というべきなのだろうか…1・2回戦を戦って勢いに乗ってきた修徳に対して、二松学舎大付はエンジンがかからないまま夏が終わってしまった感じだ。屈指の強豪対決と言われてはいたが、修徳は2013年夏以来甲子園から遠ざかっており、その間に東東京では二松学舎大付・関東一・帝京の3強時代となっていた。この試合に関しても、修徳はエース結城の力は際立ったものの、総合力でいえば圧倒的に二松学舎大付に分があり、実際に放ったヒットも二松学舎大付が7本に対して、修徳が4本と倍近い。
修徳はほんとに佐野の一振りでワンチャンスをモノにしての勝利であり、ある意味下克上を起こす上での模範となるような戦いぶりであった。修徳はこの後の試合でも錦城学園に1点差で勝利、続く大森学園戦では9回2死から4連打で逆転勝ちを収めていて、ここ1番での勝しま強さが際立って勝ち進んでいる。以前のように力のある選手が揃っているわけではないが、この勢いは非常に不気味であり、また帝京・関東一とは決勝まで当たらないなど、二松学舎大付を倒してさえしまえば組み合わせには恵まれているので、この夏は決勝に顔を出す可能性もあるだろう。
二松学舎大付の今年のチームは、昨年甲子園でレギュラーを張っていた選手が6人も残っている期待のチームだっただけにより悔しい。ただ前チームの平間・保川・畠山のように一振りで試合を変えられる、強打の二松学舎大付を象徴させるような選手は右田くらいしかおらず、咋秋には4番を打っていた期待の198㎝2年生スラッガーの秋広は、今大会では背番号13で3打席目には代打を送られてしまう始末であった。野村ら単打を打つことには長けていた選手はいたものの、単打では繋がりが重要になってくるのに対して、この試合の二松学舎打線はあまりにも散発すぎた。
ただ打撃とは対照的に投手でいえば、海老原の成長が感じられた試合であった。海老原は1年秋よりエースナンバーを背負っていたが、2年夏の甲子園では背番号18を背負うなどどこかエースとして独り立ちできていないところがった。しかし今日のピッチングは1発で2点を失ったものの、逆にいえばこの1発だけという8回4安打2失点。エースを争っていた大庭のリリーフを仰ぐ気配すらなく、皮肉にもこの試合で二松学舎大付のエースとして独り立ちしたと感じた。

敗れはしたものの海老原のピッチングは二松学舎大付のエースと呼ぶにふさわしいものであった
Pickup Player
結城貞人 修徳 投手3年
~二松学舎打線を1失点完投~
修徳の下克上の最大の立役者はやはり1失点完投勝利をあげたエース結城であろう。
修徳では2年秋の新チームよりエースとなった結城は、3年春には日大三相手に7回無失点の好投を見せた。この夏も1回戦の淵江戦で7回無失点の好投をすると、2回戦では温存されて、満を持してこの試合の先発マウンドに上がった。結城の足をあまり上げずに腕を引いたからスリークウォーター気味に腕を振るフォームで、ストレートはスピードで勝負できるほどのではないが、通常のストレートに加えて、打者の手元で少し動くボールも持っていて、これをインアウトと厳しいコースに投げ分けらえるコントロールを兼ねそろえている。変化球はスライダー。中盤以降はチェンジアップの割合も増えていたが、基本線は上記のストレートが中心だ。
この試合の結城は1・2回は二松学舎打線を完璧に抑えるものの、3回以降はピンチの連続で、4~7回までは毎回得点圏にランナーを背負う。ただ5回以降はピンチの場面でタイムリーを許さずに、試合を修徳1点リードのまま進めて二松学舎にどんどんプレッシャーをかけていった。すると8回には二松学舎のクリーンアップを3人で抑え、最終回も無難に3人で抑えて9回7安打1失点(自責点0)の完投勝利をあげた。
結城はまだ高校生だが非常にピッチングの完成度が高く、動くボールをうまく使うあたりはまるで大学生や社会人のようであった。このようなボールはバットが金属→木製に変わる次のステージではもっと有効になってくるだろう。せっかく二松学舎を倒して甲子園に向けて頑張っている最中には失礼かもしれないが、早くも大学での活躍が楽しみな選手である。

二松学舎大付から9回1失点完投勝利をあげた修徳の結城
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二松学舎大付×修徳 @神宮球場
試合経過

※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください
夏の東東京大会の3連覇を狙う二松学舎大付の初戦の相手は、東東京の強豪ながら今回はノーシードで1・2回戦を勝ち上がってきた修徳。修徳は2回戦ではエース結城を温存してこの試合にかけたきただけあり、その結城が1・2回と二松学舎打線を3人ずつで片づける完璧な立ち上がりをみせる。

完璧な立ち上がりをみせた修徳のエース結城
すると3回裏、2死から9番結城が自らのバットでセンター前に弾き変えて出塁。続く1番佐野は背番号14の2年生ながら2回戦からスタメンに名を連ねているスイッチヒッター。右打席に立った佐野は、二松学舎のエース左腕海老原が投じたインコースのストレートを腕をたたんでうまく捉えると、打球はレフトポール際に飛び込む2ランホームランとなり、修徳が2点を先制する。

先制の2ランホームランを放った修徳の1番佐野
しかし二松学舎も直後の4回表、1死から3番右田がヒットで出塁。続く4番内田の打球はショートライナーであったが、これをショートがはじいてしまい(記録はエラー)1死1・3塁。5番揚野は膝元のスライダーをうまく捉えてレフト前タイムリーで二松学舎が1点を返す。なおも1死1・2塁と一気に同点・逆転といきたいところであったが、秋広→山田と期待の2年生2人は続くことができず、この回は1点差止まり。

二松学舎大付の初得点となるタイムリーを放った揚野
二松学舎は5~7回にも得点圏にランナーを進めるものの、結城からあと1本を出すことができずに無得点。その間二松学舎の海老原も好投をみせる。三振こそ少ないものの、得意のクロスファイア気味のストレートとスライダーを中心にチェンジアップなどを交えて修徳打線を打ち取っていき、佐野のホームラン以降打たれたヒットは1本のみという快投で味方の反撃を待っていた。

2ランは浴びたもののそれ以降は好投をみせる二松学舎大付の海老原
ただ二松学舎打線はクリーンアップから始まる8回の攻撃が3人で終わってしまい、反撃の勢いが止まってしまう。最終回も山田のセンター後方の大飛球も、今度は佐野が守備で魅せてセンターフライとすると、最後は代打石崎が打ち取られてジーエンド。東東京の本命と目されていた二松学舎大付が修徳に1-2で敗れ、初戦で姿を消した。

勝利した修徳ナイン
これがシード校の弱点というべきなのだろうか…1・2回戦を戦って勢いに乗ってきた修徳に対して、二松学舎大付はエンジンがかからないまま夏が終わってしまった感じだ。屈指の強豪対決と言われてはいたが、修徳は2013年夏以来甲子園から遠ざかっており、その間に東東京では二松学舎大付・関東一・帝京の3強時代となっていた。この試合に関しても、修徳はエース結城の力は際立ったものの、総合力でいえば圧倒的に二松学舎大付に分があり、実際に放ったヒットも二松学舎大付が7本に対して、修徳が4本と倍近い。
修徳はほんとに佐野の一振りでワンチャンスをモノにしての勝利であり、ある意味下克上を起こす上での模範となるような戦いぶりであった。修徳はこの後の試合でも錦城学園に1点差で勝利、続く大森学園戦では9回2死から4連打で逆転勝ちを収めていて、ここ1番での勝しま強さが際立って勝ち進んでいる。以前のように力のある選手が揃っているわけではないが、この勢いは非常に不気味であり、また帝京・関東一とは決勝まで当たらないなど、二松学舎大付を倒してさえしまえば組み合わせには恵まれているので、この夏は決勝に顔を出す可能性もあるだろう。
二松学舎大付の今年のチームは、昨年甲子園でレギュラーを張っていた選手が6人も残っている期待のチームだっただけにより悔しい。ただ前チームの平間・保川・畠山のように一振りで試合を変えられる、強打の二松学舎大付を象徴させるような選手は右田くらいしかおらず、咋秋には4番を打っていた期待の198㎝2年生スラッガーの秋広は、今大会では背番号13で3打席目には代打を送られてしまう始末であった。野村ら単打を打つことには長けていた選手はいたものの、単打では繋がりが重要になってくるのに対して、この試合の二松学舎打線はあまりにも散発すぎた。
ただ打撃とは対照的に投手でいえば、海老原の成長が感じられた試合であった。海老原は1年秋よりエースナンバーを背負っていたが、2年夏の甲子園では背番号18を背負うなどどこかエースとして独り立ちできていないところがった。しかし今日のピッチングは1発で2点を失ったものの、逆にいえばこの1発だけという8回4安打2失点。エースを争っていた大庭のリリーフを仰ぐ気配すらなく、皮肉にもこの試合で二松学舎大付のエースとして独り立ちしたと感じた。

敗れはしたものの海老原のピッチングは二松学舎大付のエースと呼ぶにふさわしいものであった
Pickup Player
結城貞人 修徳 投手3年
~二松学舎打線を1失点完投~
修徳の下克上の最大の立役者はやはり1失点完投勝利をあげたエース結城であろう。
修徳では2年秋の新チームよりエースとなった結城は、3年春には日大三相手に7回無失点の好投を見せた。この夏も1回戦の淵江戦で7回無失点の好投をすると、2回戦では温存されて、満を持してこの試合の先発マウンドに上がった。結城の足をあまり上げずに腕を引いたからスリークウォーター気味に腕を振るフォームで、ストレートはスピードで勝負できるほどのではないが、通常のストレートに加えて、打者の手元で少し動くボールも持っていて、これをインアウトと厳しいコースに投げ分けらえるコントロールを兼ねそろえている。変化球はスライダー。中盤以降はチェンジアップの割合も増えていたが、基本線は上記のストレートが中心だ。
この試合の結城は1・2回は二松学舎打線を完璧に抑えるものの、3回以降はピンチの連続で、4~7回までは毎回得点圏にランナーを背負う。ただ5回以降はピンチの場面でタイムリーを許さずに、試合を修徳1点リードのまま進めて二松学舎にどんどんプレッシャーをかけていった。すると8回には二松学舎のクリーンアップを3人で抑え、最終回も無難に3人で抑えて9回7安打1失点(自責点0)の完投勝利をあげた。
結城はまだ高校生だが非常にピッチングの完成度が高く、動くボールをうまく使うあたりはまるで大学生や社会人のようであった。このようなボールはバットが金属→木製に変わる次のステージではもっと有効になってくるだろう。せっかく二松学舎を倒して甲子園に向けて頑張っている最中には失礼かもしれないが、早くも大学での活躍が楽しみな選手である。

二松学舎大付から9回1失点完投勝利をあげた修徳の結城
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