高校日本代表×大学日本代表【U18日本代表壮行試合】
8/26 高校U18日本代表壮行試合
高校日本代表×大学日本代表 @神宮球場
試合経過

※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください
今年も行われたU18日本代表の壮行試合は、U18W杯に出場する前の高校日本代表を、日米大学野球選手権を戦った大学日本代表が迎え撃つ形で行われた。甲子園を沸かせた球児たちに163㌔右腕の佐々木も登場とあって、神宮球場は超満員となった。
大学日本代表はスタメンは日米大学野球選手権とほぼ同じにで、先発にはエース森下とガチメンバー。その森下はストレートはMax151㌔をマークし、カットボールも140㌔を超えるなど、おおよそ高校生では見たことのないボールを投げ込み、初回を3人で斬って取る。しかし2回表、先頭の4番石川の打球は完全に打ち取ったものの、風の影響やセンター丸山の判断ミスもあり、センター前に落ちるポテンヒットとなり、石川は一気に2塁へ。ただ続く5番遠藤の打席で2塁ランナー石川を刺そうとキャッチャー海野が2塁へ送球するも、その間に石川は3塁へ…海野の送球はカバーに入ったセンター丸山が捕球しようとするもこれをファンブルすると、石川は一気に3塁を回ってホームイン。大学日本代表が先輩らしからぬミス連発で、高校日本代表に先制点を与えてしまう。

大学日本代表の先発はエース森下暢
高校日本代表は4回表にも、大学日本代表3番手の村上から石川・遠藤の連打で1・2塁のチャンスを作ると、7番熊田が低めの変化球を巧みなバットコントロールでレフト前に運ぶタイムリーで2点目。内野手7人中6人が本職ショートという熾烈な争いの中で、スタメンショートの座を射止めた熊田が見事にバットでもその起用に応えた形となった。

大激戦のショートの座を射止めタイムリーという結果を残した高校日本代表の熊田
先発の佐々木が圧巻の3者凡退で1イニング目を終えた高校日本代表は、2回から宮城がマウンドに。宮城はMax148㌔のストレートとスライダーのコンビネーションで2・3回と大学日本代表を無得点に抑えるも、4回裏に捕まる。まずこの回先頭の3番柳町がうまくレフト線に流し打って2ベースで主将としてチームを出塁すると、4番牧のレフト前タイムリーヒット。牧はレフト遠藤のエラーも絡む間に2塁へ進むと、6番佐藤都がライト線にタイムリーを放ち同点。一気に2塁を狙った佐藤都はタッチアウトとなるものの、続く7番海野がレフトスタンドにホームランを放ち、大学日本代表が3-2と逆転に成功する。

勝ち越しのホームランを放つ大学日本代表の海野
それでも高校日本代表は5回表、大学日本代表の4番手の内間から9番横山がヒットを放ち、坂下が四球を選んで2死ながら1・2塁のチャンスを作って4番石川を迎える。ここまでポテンヒットの2安打であった4番石川は、今度は内間のストレートを完璧に捉えると、打球はレフトフェンス直撃の逆転2点タイムリー2ベース。夏の甲子園制覇の立役者である履正社の4番井上が選出されないなど、俊足巧打の選手ばかりの高校日本代表の中で、唯一スラッガーとしてその力を認められて選出されたセンバツ優勝の立役者がその評判通りの打棒を見せつけた。

逆転タイムリー2ベースを放つ高校日本代表の4番石川
ただ高校日本代表の4番が打てば、大学日本代表の4番も黙っていない。6回裏の先頭打者として打席にたった4番牧は、前の回からマウンドにあがった西のスライダーを捉えると、打球は打った瞬間にそれと分かるレフトスタンドへのホームラン。同点に追いついた大学日本代表は、7回は山崎・8回は吉田とともに日米大学野球選手権で活躍したセットアッパー勢が高校日本代表を3人ずつで片づけて、試合は4-4のまま最終回を迎える。

同点ホームランを放った大学日本代表の4番牧
大学野球日本代表は9回表のマウンドにストッパーの伊藤を送るが、高校日本代表は先頭の代打武岡がライト線へ弾き返す2ベースでチャンスを作ると、熊田が送って1死3塁と勝ち越しのチャンスを向ける。ここで迎える途中からマスクを被っている山瀬に対し、永田監督は3球目にスクイズを仕掛けるも結果はファール。ただカウント2B2Sからの5球目に再びスクイズを仕掛けると、山瀬が150㌔のストレートをうまく転がして、武岡がホームに滑り込み高校日本代表が勝ち越しに成功する。


9回に勝ち越しのスクイズを決める山瀬とホームインをはたす武岡
高校日本代表は8回から、3塁側スタンドから母校(習志野)の応援を受けて飯塚が登板していた。8回を3人で片づけた飯塚は、9回も先頭の佐藤都を三振。ただこのまま敗れるわけにいかない大学日本代表は続く古川が振り逃げで出塁すると、ワイルドピッチで2塁に進んで1打同点のチャンスを迎える。主将の篠原がセンター前に弾き返して同点。さらに篠原は3盗を決めて、サヨナラのチャンスを作りだす。ここで迎えたのは1番宇草であったが、壮行試合とはいえ勝負に徹した高校日本代表の永田監督はここで宇草を申告敬遠…。ただこの作戦が見事に的中して、飯塚が続く2番児玉を三振に仕留めて、試合は引き分けとなった。
お祭り色の強い壮行試合であるが、この試合はともに真剣そのものであった。特に例年はチームの解散式の意味合いも強かった大学日本代表はスタメンはベストメンバー。全員が試合には出たものの、投手陣の継投の順番も全日本大学野球選手権さながらで、野手も主力はフル出場し、結果の出せていない選手から代えられていった。逆転タイムリーを浴びた内間はイニングの途中にも関わらず、チームでの監督でもある生田監督にマウンドから降ろされ、実質上2個のエラーを犯し、1打席目にはチャンスで三振に倒れると2打席目には代打を送られるなど実戦さながらの交代劇であった。高校日本代表も最終回に2ストライクからのスクイズを含むバント3個、その裏には申告敬遠と勝ちにこだわった采配をみせた。
それでも胸を貸した形となった大学日本代表から、高校日本代表に伝えられたものもあると思う。特に9回裏に意地の同点タイムリーを放った篠原は、4年前の高校日本代表の主将。ちょうど篠原が高校日本代表の主将を務めた年から、この壮行試合が始まっている。試合後には今年のU18日本代表の主将である坂下と色々と話し込む姿も見られ、4年前に先輩たちから教わったことを今度は自分が伝える形となったのだろう。他にもエース森下、1番宇草、5番郡司の4人は4年前には壮行試合にU18日本代表として出場した選手であり、受け継がれていくものも感じた。そういった面で大学生→高校生に何か伝えていってくれれば、それは当人たちにとっても非常に価値のあるものになるだろう。

4年前は高校日本代表の主将、この日は大学日本代表の主将を務めた篠原
大学日本代表相手に引き分けと善戦した高校日本代表だが、本番に向けての課題も露呈した。1つは2本柱の状態で、甲子園の決勝まで戦って疲労の溜まっている奥川はこの試合では登板なし…先発した佐々木もマメができて予定を早めて1イニングで降板
とともに万全の状態で本番に臨めるとは言い難い状態。そうなるとこの試合でともに3イニングを投げて元気な姿をみせた宮城・西といった非甲子園組の活躍が序盤はキーになってきそうだ。

高校日本代表の2番手として3イニングを投げた宮城
もう1つは外野の守備である。この試合の高校日本代表はレフト遠藤、センター森、ライト横山という布陣で本職の外野手は横山のみ。チームではショートで外野をほとんどやっていなかった遠藤・森の左中間はこの試合でともにエラーを記録。また森は9回にバックホームのスローをしたときに足を痛めてベンチに下がる場面もあったので、不慣れなポジションをいきなりやらせることにより、ケガなども心配である。そもそもメンバー選考の段階から、鵜沼も含めて外野本職が2人のみだったので、分かっていた話ではあったが、その不安視されていた部分がこの試合では露呈してしまった。本番でも、この影響が出ないことを願うばかりである。

本職はショートだが大学日本代表ではセンターを務める森
Pickup Player
佐々木朗希 大船渡3年 投手
~令和の怪物が大舞台デビュー~
1イニングのみであったが、高校日本代表の先発の佐々木は神宮の舞台で大きなインパクトを残した。
佐々木は大船渡では1年夏から147㌔をマークし、注目されていた。190㎝という身長に対してやや細身であったが、トレーニングにより体重を増やして、2年夏には154㌔をマークし、また俊足強打の外野手としても活躍。2年秋より背番号1を背負うと、3年春にはU18日本代表の1次合宿に参加。ここで高校生史上最速となる163㌔をマークして「令和の怪物」と呼ばれるまでになった。この夏の岩手大会では2回戦で6回参考ながらノーヒットノーランを達成、4回戦の盛岡四戦では投げては160㌔をマークして12回2失点完投、打っては12回に決勝の2ランという投打に渡る活躍をみせ、準決勝でも一関商工を完封した。しかし連投となる決勝の花巻東戦では国保監督の方針のもと、佐々木の出場はなく…それが社会問題になるほどであった。
それでもその実力は誰もが認めるところであり、佐々木はU18日本代表に選出。この壮行試合では先発を任された。夏の岩手大会でも佐々木の登板する試合は満員になったようだが、大船渡では甲子園はおろか東北大会出場すらなかった佐々木にとっては、これが初の全国の舞台となった。
先発のマウンドにたった佐々木はいきなり152㌔のストレートで1番宇草をレフトフライに打ち取ると、2番小川の打席ではこの日最速となる156㌔をマークし、最後はスライダーで三振。3番柳町も152㌔のストレートで三振に仕留めて、初回を3者凡退で終わらせた。ただ本来は2イニング投げる予定であったが、右手中指にマメができたこともあり、この回で降板。それでも足を高く上げて、長い腕を使ったフォームから繰り出した球の威力は十分でコントロールも安定していて、圧巻の投球であったといえる。
この全国の舞台でも大学生を圧倒して、その実力は疑いの余地のないものだと証明した佐々木。U18日本代表でも主力となりえることは間違いない。あとは降板理由となったマメの状態が心配であり、また国保監督が甲子園を捨てる覚悟で大事に使ってきた逸材だけに、その起用法は難しいところである。

初回を2奪三振パーフェクトに抑えた高校日本代表の先発佐々木
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高校日本代表×大学日本代表 @神宮球場
試合経過

※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください
今年も行われたU18日本代表の壮行試合は、U18W杯に出場する前の高校日本代表を、日米大学野球選手権を戦った大学日本代表が迎え撃つ形で行われた。甲子園を沸かせた球児たちに163㌔右腕の佐々木も登場とあって、神宮球場は超満員となった。
大学日本代表はスタメンは日米大学野球選手権とほぼ同じにで、先発にはエース森下とガチメンバー。その森下はストレートはMax151㌔をマークし、カットボールも140㌔を超えるなど、おおよそ高校生では見たことのないボールを投げ込み、初回を3人で斬って取る。しかし2回表、先頭の4番石川の打球は完全に打ち取ったものの、風の影響やセンター丸山の判断ミスもあり、センター前に落ちるポテンヒットとなり、石川は一気に2塁へ。ただ続く5番遠藤の打席で2塁ランナー石川を刺そうとキャッチャー海野が2塁へ送球するも、その間に石川は3塁へ…海野の送球はカバーに入ったセンター丸山が捕球しようとするもこれをファンブルすると、石川は一気に3塁を回ってホームイン。大学日本代表が先輩らしからぬミス連発で、高校日本代表に先制点を与えてしまう。

大学日本代表の先発はエース森下暢
高校日本代表は4回表にも、大学日本代表3番手の村上から石川・遠藤の連打で1・2塁のチャンスを作ると、7番熊田が低めの変化球を巧みなバットコントロールでレフト前に運ぶタイムリーで2点目。内野手7人中6人が本職ショートという熾烈な争いの中で、スタメンショートの座を射止めた熊田が見事にバットでもその起用に応えた形となった。

大激戦のショートの座を射止めタイムリーという結果を残した高校日本代表の熊田
先発の佐々木が圧巻の3者凡退で1イニング目を終えた高校日本代表は、2回から宮城がマウンドに。宮城はMax148㌔のストレートとスライダーのコンビネーションで2・3回と大学日本代表を無得点に抑えるも、4回裏に捕まる。まずこの回先頭の3番柳町がうまくレフト線に流し打って2ベースで主将としてチームを出塁すると、4番牧のレフト前タイムリーヒット。牧はレフト遠藤のエラーも絡む間に2塁へ進むと、6番佐藤都がライト線にタイムリーを放ち同点。一気に2塁を狙った佐藤都はタッチアウトとなるものの、続く7番海野がレフトスタンドにホームランを放ち、大学日本代表が3-2と逆転に成功する。

勝ち越しのホームランを放つ大学日本代表の海野
それでも高校日本代表は5回表、大学日本代表の4番手の内間から9番横山がヒットを放ち、坂下が四球を選んで2死ながら1・2塁のチャンスを作って4番石川を迎える。ここまでポテンヒットの2安打であった4番石川は、今度は内間のストレートを完璧に捉えると、打球はレフトフェンス直撃の逆転2点タイムリー2ベース。夏の甲子園制覇の立役者である履正社の4番井上が選出されないなど、俊足巧打の選手ばかりの高校日本代表の中で、唯一スラッガーとしてその力を認められて選出されたセンバツ優勝の立役者がその評判通りの打棒を見せつけた。

逆転タイムリー2ベースを放つ高校日本代表の4番石川
ただ高校日本代表の4番が打てば、大学日本代表の4番も黙っていない。6回裏の先頭打者として打席にたった4番牧は、前の回からマウンドにあがった西のスライダーを捉えると、打球は打った瞬間にそれと分かるレフトスタンドへのホームラン。同点に追いついた大学日本代表は、7回は山崎・8回は吉田とともに日米大学野球選手権で活躍したセットアッパー勢が高校日本代表を3人ずつで片づけて、試合は4-4のまま最終回を迎える。

同点ホームランを放った大学日本代表の4番牧
大学野球日本代表は9回表のマウンドにストッパーの伊藤を送るが、高校日本代表は先頭の代打武岡がライト線へ弾き返す2ベースでチャンスを作ると、熊田が送って1死3塁と勝ち越しのチャンスを向ける。ここで迎える途中からマスクを被っている山瀬に対し、永田監督は3球目にスクイズを仕掛けるも結果はファール。ただカウント2B2Sからの5球目に再びスクイズを仕掛けると、山瀬が150㌔のストレートをうまく転がして、武岡がホームに滑り込み高校日本代表が勝ち越しに成功する。


9回に勝ち越しのスクイズを決める山瀬とホームインをはたす武岡
高校日本代表は8回から、3塁側スタンドから母校(習志野)の応援を受けて飯塚が登板していた。8回を3人で片づけた飯塚は、9回も先頭の佐藤都を三振。ただこのまま敗れるわけにいかない大学日本代表は続く古川が振り逃げで出塁すると、ワイルドピッチで2塁に進んで1打同点のチャンスを迎える。主将の篠原がセンター前に弾き返して同点。さらに篠原は3盗を決めて、サヨナラのチャンスを作りだす。ここで迎えたのは1番宇草であったが、壮行試合とはいえ勝負に徹した高校日本代表の永田監督はここで宇草を申告敬遠…。ただこの作戦が見事に的中して、飯塚が続く2番児玉を三振に仕留めて、試合は引き分けとなった。
お祭り色の強い壮行試合であるが、この試合はともに真剣そのものであった。特に例年はチームの解散式の意味合いも強かった大学日本代表はスタメンはベストメンバー。全員が試合には出たものの、投手陣の継投の順番も全日本大学野球選手権さながらで、野手も主力はフル出場し、結果の出せていない選手から代えられていった。逆転タイムリーを浴びた内間はイニングの途中にも関わらず、チームでの監督でもある生田監督にマウンドから降ろされ、実質上2個のエラーを犯し、1打席目にはチャンスで三振に倒れると2打席目には代打を送られるなど実戦さながらの交代劇であった。高校日本代表も最終回に2ストライクからのスクイズを含むバント3個、その裏には申告敬遠と勝ちにこだわった采配をみせた。
それでも胸を貸した形となった大学日本代表から、高校日本代表に伝えられたものもあると思う。特に9回裏に意地の同点タイムリーを放った篠原は、4年前の高校日本代表の主将。ちょうど篠原が高校日本代表の主将を務めた年から、この壮行試合が始まっている。試合後には今年のU18日本代表の主将である坂下と色々と話し込む姿も見られ、4年前に先輩たちから教わったことを今度は自分が伝える形となったのだろう。他にもエース森下、1番宇草、5番郡司の4人は4年前には壮行試合にU18日本代表として出場した選手であり、受け継がれていくものも感じた。そういった面で大学生→高校生に何か伝えていってくれれば、それは当人たちにとっても非常に価値のあるものになるだろう。

4年前は高校日本代表の主将、この日は大学日本代表の主将を務めた篠原
大学日本代表相手に引き分けと善戦した高校日本代表だが、本番に向けての課題も露呈した。1つは2本柱の状態で、甲子園の決勝まで戦って疲労の溜まっている奥川はこの試合では登板なし…先発した佐々木もマメができて予定を早めて1イニングで降板
とともに万全の状態で本番に臨めるとは言い難い状態。そうなるとこの試合でともに3イニングを投げて元気な姿をみせた宮城・西といった非甲子園組の活躍が序盤はキーになってきそうだ。

高校日本代表の2番手として3イニングを投げた宮城
もう1つは外野の守備である。この試合の高校日本代表はレフト遠藤、センター森、ライト横山という布陣で本職の外野手は横山のみ。チームではショートで外野をほとんどやっていなかった遠藤・森の左中間はこの試合でともにエラーを記録。また森は9回にバックホームのスローをしたときに足を痛めてベンチに下がる場面もあったので、不慣れなポジションをいきなりやらせることにより、ケガなども心配である。そもそもメンバー選考の段階から、鵜沼も含めて外野本職が2人のみだったので、分かっていた話ではあったが、その不安視されていた部分がこの試合では露呈してしまった。本番でも、この影響が出ないことを願うばかりである。

本職はショートだが大学日本代表ではセンターを務める森
Pickup Player
佐々木朗希 大船渡3年 投手
~令和の怪物が大舞台デビュー~
1イニングのみであったが、高校日本代表の先発の佐々木は神宮の舞台で大きなインパクトを残した。
佐々木は大船渡では1年夏から147㌔をマークし、注目されていた。190㎝という身長に対してやや細身であったが、トレーニングにより体重を増やして、2年夏には154㌔をマークし、また俊足強打の外野手としても活躍。2年秋より背番号1を背負うと、3年春にはU18日本代表の1次合宿に参加。ここで高校生史上最速となる163㌔をマークして「令和の怪物」と呼ばれるまでになった。この夏の岩手大会では2回戦で6回参考ながらノーヒットノーランを達成、4回戦の盛岡四戦では投げては160㌔をマークして12回2失点完投、打っては12回に決勝の2ランという投打に渡る活躍をみせ、準決勝でも一関商工を完封した。しかし連投となる決勝の花巻東戦では国保監督の方針のもと、佐々木の出場はなく…それが社会問題になるほどであった。
それでもその実力は誰もが認めるところであり、佐々木はU18日本代表に選出。この壮行試合では先発を任された。夏の岩手大会でも佐々木の登板する試合は満員になったようだが、大船渡では甲子園はおろか東北大会出場すらなかった佐々木にとっては、これが初の全国の舞台となった。
先発のマウンドにたった佐々木はいきなり152㌔のストレートで1番宇草をレフトフライに打ち取ると、2番小川の打席ではこの日最速となる156㌔をマークし、最後はスライダーで三振。3番柳町も152㌔のストレートで三振に仕留めて、初回を3者凡退で終わらせた。ただ本来は2イニング投げる予定であったが、右手中指にマメができたこともあり、この回で降板。それでも足を高く上げて、長い腕を使ったフォームから繰り出した球の威力は十分でコントロールも安定していて、圧巻の投球であったといえる。
この全国の舞台でも大学生を圧倒して、その実力は疑いの余地のないものだと証明した佐々木。U18日本代表でも主力となりえることは間違いない。あとは降板理由となったマメの状態が心配であり、また国保監督が甲子園を捨てる覚悟で大事に使ってきた逸材だけに、その起用法は難しいところである。

初回を2奪三振パーフェクトに抑えた高校日本代表の先発佐々木
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