5/21 浦和学院×日本航空【春季関東大会】
5/21桐生球場の第2試合。
春の関東大会連覇を目指す浦和学院に、秋の関東大会ベスト8の日本航空が挑みます。
スタメン
浦和学院
日本航空
試合経過
試合は両エースの投手戦で4回まで0-0。日本航空の先発:片岡は調子がいいとは言えない状態でランナーを出すものの、2つの併殺などでなんとかしのぐピッチング。対する浦和学院の先発:榊原は3回までヒットを許さない完璧なピッチングです。(浦0-0日)
試合が動いたのは4回、浦和学院は2つの四球で1・2塁とすると山本晃のライトオーバー2ベースでまずは先制。2死後、主将の諏訪が粘って8球目をライトスタンドに放り込む3ランで、浦学が一気に試合を動かします。(浦4-0日)
その裏、日本航空は1死から7番;上栗がホームランを放ち1点を返します。5回裏にも、2死1塁から豊田の左中間へのタイムリー2ベースが飛び出し日本航空が追い上げます。(浦4-2日)
7回裏、日本航空は1死から浦学サード杉山の暴投で出塁。すると浦学はここでエース:榊原→1年生左腕の佐野(1年)にスイッチ。しかし佐野は自らのバント処理のミスでピンチを広げると、西角・長沼に連続タイムリーを浴びて同点に追いつかれます。(浦4-4日)
勢いに乗る日本航空は8回裏、この回1死からリリーフした浦学3番手の黒川(3年)から4番の藤沢がヒットで出塁。代走の三島真(3年)が盗塁を決めると、次の片野のセンター前でホームイン。日本航空が勝ち越しに成功します。(浦4-5日)
9回表、6回からリリーフした西角に無安打に抑えられていた浦学は、代打:松永(3年)が初ヒットを放ち、さらに杉山もヒットを放ち2死1・2塁と同点のチャンスを作ります。しかし続く山本晃の打球は西角のグラブに収まりピッチャーゴロ。日本航空が5-4と逆転で浦和学院を破りました。

4回表に3ランを放つ浦和学院:諏訪

4回裏に反撃の狼煙となるソロホームランを放った日本航空:上栗

決勝のタイムリーを放った日本航空:片野
スコア
浦和学院

日本航空

Topic
手負いのエースに、経験不足のリリーフ陣
7回裏、1死からサードエラーで出塁を許したところで、浦学はエース榊原から1年生の佐野に投手交代をした。榊原はこの日は確かにボールに勢いはなかったが、それでも7回まで被安打3に抑えていた。佐野は期待の1年生ではあるが、試合に「勝つ」ということを考えると榊原続投がベストであり、この継投には疑問が残った。案の定、佐野は自らのエラーでピンチを広げると連続タイムリーで同点とされてしまった。
実は榊原は背中に痛みを抱えていたらしい。
浦学は昨秋の埼玉県大会決勝で花咲徳栄相手に好投した辻(3年)や、春の埼玉県大会準決勝で8回無失点の好投を見せた左腕の大澤(3年)といった実績のある投手がこの関東大会ではベンチ外。エースの榊原以外は、黒川と3人の1年生という布陣であった。この日リリーフ登板した佐野も黒川も球自体は悪くないが、どこか流れに飲まれるままに打たれてしまった感がある。一言でいうならば「経験不足」だ。
ただ逆に言えば経験さえ積めば夏には十分戦力になる力は持っている。これに辻や大澤が復帰すれば、なかなか充実した投手陣ができあがることだろう。

背中に痛みを抱えながらも7回途中まで好投した浦和学院エースの榊原
6人の1年生
浦和学院は6人の1年生がベンチ入りしていた。その中で出場したのは、埼玉県大会の決勝に続いて4番に座った蛭間と、2番手で登板した佐野であった。結果的に蛭間は3タコで途中交代、代わりに入った佐野も守備の乱れはあったものの同点に追いつかれるなどと、2人にとってはほろ苦い全国デビューとなってしまった。
蛭間に関しては、「4番は…」というところはあるが、スイングが鋭く、スタメンにいる分には全く遜色ない。佐野も打たれはしたものの、ストレートには威力があり、小島(早稲田大2年)以上との噂も納得できるものだった。
この日の経験を糧にして、夏には是非とも「浦学のスーパー1年生」という言葉を聞きたいものだ。

2番手で登板した浦和学院の1年生サウスポー:佐野
代走見事的中
8回裏、1死から4番の藤沢がヒットで出塁すると、沢田監督は勝負とみて、代走を三島真を送った。そして三島真は初球から黒川のフォームを盗んで盗塁を成功させるという鈴木尚(巨人)のような大仕事をやってのける。
続く片野のセンター前ヒットは球足が早くセンターも前進しながらキャッチという打球であったが、サードコーチャーは迷わず手を回した。これもランナーが三島真でなかったらできないことであっただろう。結果的にセンターからの送球が少しそれたこともあり、三島真はスライディングせずに悠々とホームイン。
見事に起用に応えて最高の仕事をした代走がもぎとった決勝点であった。

決勝のホームを踏む代走の三島真
Pickup Player
西角優杏 日本航空3年 ピッチャー
日本航空が勝つならば、大黒柱のエース:片岡が浦学打線を抑えてロースコアの展開に持ち込む必要があると試合前は考えていた。しかし片岡はこの日はホームに躍動感がなく、球に勢いがなく、また四球が多くコントロールにも苦しみ、5回で降板。日本航空が勝利するための必要条件が消えたように思えた。
そんな中、6回から登板した西角は腕を伸ばして大きく使うフォームから勢いのあるストレート、手元で鋭く曲がるスライダーを投げ込む。まだコントロールが安定しそうにないフォームではあったが、この日は四死球も0。6~8回は出したランナーは振り逃げのみと、完全に浦学打線を手玉にとっていた。
打っても7回のチャンスで1点差に詰め寄るタイムリーを放つなど、まさにこの日は西角デーであった。
昨秋は片岡が15回を投げ切り、中1日で完投したことを考えると、日本航空に頼もしい2番手が登場したと言える。

浦学打線を4イニング被安打2無失点に抑えて逆転を呼び込んだ日本航空:西角
春の関東大会連覇を目指す浦和学院に、秋の関東大会ベスト8の日本航空が挑みます。
スタメン
浦和学院
CF | 山本晃 | ② | 8 |
2B | 家盛 | ② | 15 |
SS | 諏訪 | ③ | 6 |
RF | 蛭間 | ① | 9 |
LF | 幸喜 | ③ | 7 |
C | 梶山 | ③ | 2 |
1B | 前田 | ③ | 3 |
P | 榊原 | ③ | 1 |
3B | 杉山 | ② | 5 |
日本航空
3B | 小郷 | ③ | 5 |
SS | 三島優 | ③ | 6 |
LF | 豊田 | ③ | 7 |
1B | 藤沢 | ③ | 3 |
C | 片野 | ③ | 2 |
CF | 馬場 | ② | 8 |
RF | 上栗 | ② | 9 |
P | 片岡 | ③ | 1 |
2B | 長沼 | ③ | 4 |
試合経過
試合は両エースの投手戦で4回まで0-0。日本航空の先発:片岡は調子がいいとは言えない状態でランナーを出すものの、2つの併殺などでなんとかしのぐピッチング。対する浦和学院の先発:榊原は3回までヒットを許さない完璧なピッチングです。(浦0-0日)
試合が動いたのは4回、浦和学院は2つの四球で1・2塁とすると山本晃のライトオーバー2ベースでまずは先制。2死後、主将の諏訪が粘って8球目をライトスタンドに放り込む3ランで、浦学が一気に試合を動かします。(浦4-0日)
その裏、日本航空は1死から7番;上栗がホームランを放ち1点を返します。5回裏にも、2死1塁から豊田の左中間へのタイムリー2ベースが飛び出し日本航空が追い上げます。(浦4-2日)
7回裏、日本航空は1死から浦学サード杉山の暴投で出塁。すると浦学はここでエース:榊原→1年生左腕の佐野(1年)にスイッチ。しかし佐野は自らのバント処理のミスでピンチを広げると、西角・長沼に連続タイムリーを浴びて同点に追いつかれます。(浦4-4日)
勢いに乗る日本航空は8回裏、この回1死からリリーフした浦学3番手の黒川(3年)から4番の藤沢がヒットで出塁。代走の三島真(3年)が盗塁を決めると、次の片野のセンター前でホームイン。日本航空が勝ち越しに成功します。(浦4-5日)
9回表、6回からリリーフした西角に無安打に抑えられていた浦学は、代打:松永(3年)が初ヒットを放ち、さらに杉山もヒットを放ち2死1・2塁と同点のチャンスを作ります。しかし続く山本晃の打球は西角のグラブに収まりピッチャーゴロ。日本航空が5-4と逆転で浦和学院を破りました。

4回表に3ランを放つ浦和学院:諏訪

4回裏に反撃の狼煙となるソロホームランを放った日本航空:上栗

決勝のタイムリーを放った日本航空:片野
スコア
浦和学院

日本航空

Topic
手負いのエースに、経験不足のリリーフ陣
7回裏、1死からサードエラーで出塁を許したところで、浦学はエース榊原から1年生の佐野に投手交代をした。榊原はこの日は確かにボールに勢いはなかったが、それでも7回まで被安打3に抑えていた。佐野は期待の1年生ではあるが、試合に「勝つ」ということを考えると榊原続投がベストであり、この継投には疑問が残った。案の定、佐野は自らのエラーでピンチを広げると連続タイムリーで同点とされてしまった。
実は榊原は背中に痛みを抱えていたらしい。
浦学は昨秋の埼玉県大会決勝で花咲徳栄相手に好投した辻(3年)や、春の埼玉県大会準決勝で8回無失点の好投を見せた左腕の大澤(3年)といった実績のある投手がこの関東大会ではベンチ外。エースの榊原以外は、黒川と3人の1年生という布陣であった。この日リリーフ登板した佐野も黒川も球自体は悪くないが、どこか流れに飲まれるままに打たれてしまった感がある。一言でいうならば「経験不足」だ。
ただ逆に言えば経験さえ積めば夏には十分戦力になる力は持っている。これに辻や大澤が復帰すれば、なかなか充実した投手陣ができあがることだろう。

背中に痛みを抱えながらも7回途中まで好投した浦和学院エースの榊原
6人の1年生
浦和学院は6人の1年生がベンチ入りしていた。その中で出場したのは、埼玉県大会の決勝に続いて4番に座った蛭間と、2番手で登板した佐野であった。結果的に蛭間は3タコで途中交代、代わりに入った佐野も守備の乱れはあったものの同点に追いつかれるなどと、2人にとってはほろ苦い全国デビューとなってしまった。
蛭間に関しては、「4番は…」というところはあるが、スイングが鋭く、スタメンにいる分には全く遜色ない。佐野も打たれはしたものの、ストレートには威力があり、小島(早稲田大2年)以上との噂も納得できるものだった。
この日の経験を糧にして、夏には是非とも「浦学のスーパー1年生」という言葉を聞きたいものだ。

2番手で登板した浦和学院の1年生サウスポー:佐野
代走見事的中
8回裏、1死から4番の藤沢がヒットで出塁すると、沢田監督は勝負とみて、代走を三島真を送った。そして三島真は初球から黒川のフォームを盗んで盗塁を成功させるという鈴木尚(巨人)のような大仕事をやってのける。
続く片野のセンター前ヒットは球足が早くセンターも前進しながらキャッチという打球であったが、サードコーチャーは迷わず手を回した。これもランナーが三島真でなかったらできないことであっただろう。結果的にセンターからの送球が少しそれたこともあり、三島真はスライディングせずに悠々とホームイン。
見事に起用に応えて最高の仕事をした代走がもぎとった決勝点であった。

決勝のホームを踏む代走の三島真
Pickup Player
西角優杏 日本航空3年 ピッチャー
日本航空が勝つならば、大黒柱のエース:片岡が浦学打線を抑えてロースコアの展開に持ち込む必要があると試合前は考えていた。しかし片岡はこの日はホームに躍動感がなく、球に勢いがなく、また四球が多くコントロールにも苦しみ、5回で降板。日本航空が勝利するための必要条件が消えたように思えた。
そんな中、6回から登板した西角は腕を伸ばして大きく使うフォームから勢いのあるストレート、手元で鋭く曲がるスライダーを投げ込む。まだコントロールが安定しそうにないフォームではあったが、この日は四死球も0。6~8回は出したランナーは振り逃げのみと、完全に浦学打線を手玉にとっていた。
打っても7回のチャンスで1点差に詰め寄るタイムリーを放つなど、まさにこの日は西角デーであった。
昨秋は片岡が15回を投げ切り、中1日で完投したことを考えると、日本航空に頼もしい2番手が登場したと言える。

浦学打線を4イニング被安打2無失点に抑えて逆転を呼び込んだ日本航空:西角
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