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慶応大×JR東日本【オープン戦】

6/21 オープン戦
慶応大×JR東日本 @JR東日本柏グランド

試合経過

JR東日本の先発は、U18日本代表にも名を連ねた期待の高卒2年目左腕の山田。慶応は初回に1番宮尾のヒットからチャンスを作るも、山田は慶応の3・4番を打ち取りピンチを凌ぐと、2回も嶋田・橋本を打ち取り、簡単に2死をとる。しかしここから7番若林に右中間に2ベースを浴びると、続く8番福井の打球はレフトの頭上を越えるタイムリー2ベースとなり慶応が先制。さらに慶応はここから萩尾のヒットと四球で満塁とすると、2番古川の打球はポテンヒット気味にレフト前に落ちて2者が生還。完全にリズムを崩した山田はここからさらにワイルドピッチ→四球と制球が乱れ、2回持たずに降板となってしまう。山田はこの日はスライダーは浮き、フォークはひっかける場面が多く、変化球で思うにストライクがとれないためにストレートを狙われてしまっていた。テイクバックの小さなフォームからのストレートは威力十分なだけにコントロールや変化球といったその他の部分を是非とも伸ばしていってほしい。
20200621慶応大 福井
先制タイムリーを放った慶応大の福井

JR東日本は2番手には同じく高卒2年目の河浦をマウンドに送るも、河浦も予想外の登板でまだ準備ができていなかったのか、いきなりボークで追加点を献上してしまうと、慶応はこの日はセンターに入った4番正木が打者一巡の猛攻を締める2ランホームランをレフトスタンドに叩き込み、この2回で一挙7点をあげる。
20200621慶応大 正木
2回の猛攻を締める2ランを放った慶応大の4番正木

慶応の先発は、今年ケガからの復活が期待される関根。関根は2シームなどを含めたストレート系のボールを中心に安定したピッチングを展開し、2回を打者6人で片づける無失点投球。春のリーグ戦で復活が印象付けられれば、十分にプロも狙える投手であったが、現状では来年は社会人野球に進むと思われる。慶応大は対外試合を再開したばかりであり、この試合では2イニングのみの登板であったが、社会人の名門にはいいアピールになったと思われる。
20200621慶応大 関根
2回を打者6人で片づけた慶応大の先発関根

JR東日本の反撃は5回裏、慶応大は前の回から登板していた3番手小管がいきなり制球を乱し、四球と長谷川のヒットにワイルドピッチが重なって無死2・3塁のピンチを背負う。JR東日本は6番山口雄が二遊間を抜くタイムリーを放ち初得点をあげると、さらに四球で満塁としてから代打近森のファーストゴロの間に2点目。さらに左打ちに転向した9番糸野がライト前タイムリー、小管にこの回2個目のワイルドピッチも飛び出し、この回に4点を返す。
20200621JR東日本 山口雄
JR東日本の初得点となるタイムリーを放った山口雄

追い上げムードのJR東日本は、6回からエース伊藤が登板。伊藤は出所のみづらいフォームからのストレートに加え、スライダー・チェンジアップ、さらにこの日はカーブを多めに使い、慶応大打線を打ち取っていく。ランナーは出すものの、要所ではしっかりと三振を奪うこともできていて、4回を投げて無失点。高卒の若い投手と違ったピッチングを見せ、大学生に対して社会人の威厳を示した形となった。
20200621JR東日本 伊藤
JR東日本のエースらしく4回を無失点に抑えた伊藤

ただJR東日本打線の方は、慶応打線の前に沈黙。慶応は6・7回を4番手の丸谷が無失点に抑えると、8回から5番手として登板した増居は圧巻の投球。まず手塚・北野の2人を連続で3球三振に仕留めると、社会人を代表する打者に成長した丸子もセカンドゴロに仕留め8回を終わらせると、9回も渡辺・吉澤という代打で登場したJR東日本のレギュラー格の選手から連続三振を奪ってゲームセット。慶応大が7-4で勝利をおさめた。


20200621慶応大×JR東日本
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください

この試合の1つの注目は、昨年までJR東日本で指揮をとっていた堀井監督が、慶応大監督の堀井監督としてJR東日本の柏グランドに凱旋したことであった。当たり前の話だが、試合前には元指揮官のもとに挨拶に行く選手も多く、見ている側からしたら慶応nマスクとユニフォームに違和感しかない状態であった。試合は7-4で堀井監督が率いる慶応大が勝利したわけであったが、2回にJR東日本がミスも重なって7失点をした場面などは、慶応ベンチで堀井監督が怒っている姿も想像してしまった。
20200621慶応大 堀井監督
JR東日本のグランドに凱旋した、慶応大の堀井監督

慶応大の投手陣のレベルの高さは有名であるが、この試合はいわゆる主力でない投手のレベルの高さも際立った試合であった。この日の慶応は木澤・佐藤というドラフト1位候補の2人は遠征に帯同しておらず、さらに森田・長谷部らもおらず、リーグ戦での経験があるのは関根・増居の2人のみ。この2人はともに2回無失点という素晴らしい内容(特に増居)であったが、これはある意味折込済の話。それに加えて、田中陸は1回を3人で抑え、小管は5回こそ乱れたものの4回はフォークで三振を奪うなど3人で切っており、丸谷も手元で曲がるスライダーを武器に6・7回を無失点。この3人はいずれも高校時代からそれほどネームバリューがあったわけではなく、さらにリーグ戦での登板もない投手であるが、主力は一部出ていなかったとはいえ社会人の名門に対して、十分に通用していた。ただこの3人もリーグ戦で登板できるかというと…というところであり、145㌔オーバーが15人もいるという投手陣の層の厚さを改めて実感した。
20200621慶応大 丸谷
6・7回を無得点に抑えた慶応大の4番手丸谷

JR東日本とえいば、あっと驚くようなコンバートが多いが3か月ぶりに見る今日もいくつかの驚きがあった。まずは投手として入社していた菅田がこの試合では2番センターでスタメン出場。もともと奈良学園試合から二刀流として注目されていたルーキーなので、これに関してはそこまでの驚きはないものの、とりあえず1年目は外野でいくということなのだろうか?続いて天理では正捕手時々ファーストであった高卒ルーキーの北野は、この試合では途中からサードとして出場。絶対的な正捕手の渡辺に加えて、同期として小藤・西野と東京六大学の正捕手2人が入社していることもあって、まずは打力をいかすために挑戦といったところであろうか?
20200621JR東日本 北野
本職は捕手であるが、この試合ではサードに挑戦していたJR東日本のルーキー北野

そして1番の驚きであったのが、この試合ではショートとしてフル出場した糸野であった。糸野は明秀日立時代から細川(DeNA)と双璧をなす右のスラッガーとして注目されていた大型内野手であり、なかなかレギュラー獲得とはいっていなかったが、ドラフト候補としても注目されていた。そんな糸野だが、この試合ではなんと左打席に立っていた。JR東日本が配布していた名簿でもまだ右投右打として登録されていので、本当に左に転向したのは最近のようだが、1打席目にはいいあたりのセンターフライを放つと、2打席目にはライト前タイムリーを放っており、そのセンスの高さには感心した。ただ左バッターになったことで、スラッガーというようりは巧打者タイプに見えたのは個人的には残念な部分もある…。
20200621JR東日本 糸野
左打ちに転向し、この試合ではタイムリーも放ったJR東日本の糸野

JR東日本としては、今日は相手が大学生ということもあり、まだ色々試している段階なのであろう。この試合で7失点してしまった、山田・河浦の2人も社会人ではあるものの、年齢としては大学2年生に相当していて、年齢でいえば先輩に打たれたに過ぎない。打線も当たりが少なかったものの、渡辺・小室といった主力も出ていない。敗れはしたものの、そんなに気にする必要もないと思われる。堀井前監督には喝を入れられたかもしれないが…。

社会人野球界ではいち早くオープン戦の観戦を解禁してくれたJR東日本。スタンドの前には消毒液を完備し、スタンドの席も密にならないようにいくつかの席はオリジナルのイラストで使用不可とするなど工夫もみられた。新しい生活様式を模索する中で、野球界もどのように観客を入れていくかは模索していかなければいけないが、どこのチームもそのために1歩を踏み出せていないのが現状。そういう意味で、その1歩を踏み出してくれたJR東日本は、自粛で野球が見られずにいたファンとしては感謝しかない。


Pickup Player
増居翔太 慶応大2年 投手
~社会人を圧倒したスーパー左腕~
この試合で8回から登板した慶応の増居の投球は、社会人野球の名門のJR東日本をも圧倒しているといえるものであった。

彦根東時代から伸びのあるストレートを武器に甲子園を沸かせた増居。2年春の近畿大会の初戦で龍谷大平安から2失点完投勝利をあげその名を全国に轟かせると、3年夏には滋賀大会で滋賀学園から2失点完投、決勝では近江から1失点完投勝利をあげて甲子園に出場。甲子園では開幕戦となった波佐見戦に先発すると、現在はJR東日本所属の内野に先制ホームランを含む3打点を許すも、5失点完投勝利をあげる。リリーフとして登板した2回戦の青森山田戦ではリリーフとして4回無失点の好投をみせるも、チームは敗れた。2年秋には滋賀3位から近畿大会出場を果たすと、初戦で明石商から完投勝利をあげ、準々決勝では近江にリベンジを許すも、春のセンバツの切符を手に入れる。3年春のセンバツでは初戦で、現在はチームメイトとなった生井・善波・宮・下山らを擁する慶応との接戦を制する。2回戦の花巻東戦では9回まで14奪三振ノーヒットピッチングという圧巻の投球を見せるも、自チームも無得点でそのまま延長に入ると、10回にはサヨナラ敗けを喫してしまった。

プロからも注目されたが、進学校の彦根東ということもあり、慶応大に進学。1年春からリリーフとして6試合に登板して計9イニング1失点と結果を残すと、秋にも6試合に登板して無失点。チームの優勝に貢献すると、明治神宮大会でも東海大札幌戦で勝ち投手になるなど、2試合に登板して秋の日本一に輝いた。ストレートもMax146㌔まで成長し、普通のチームなら1年目にこれだけの成績を出せば、2年目には先発として期待されるのであるが、慶応は今年ケガがちであった4年生の木澤・佐藤・関根がそろい踏みとなっており、昨年から先発経験のある森田も控えている。そういう投手陣の事情もあって、増居は今年もオープン戦ではリリーフとしての起用が続いている。

この試合でも8回に5番手としてマウンドに上がった増居。左腕の増居に対して、JR東日本はいきなり右のパワーヒッターである手塚を代打に送るも、なんと3球三振。続く北野もさ3球三振に仕留めるという、この上ないスタートを切ると、2死から迎えた社会人野球屈指の強打者である丸子もセカンドゴロに打ち取る。9回も増居は先頭の長谷川をキャッチャーフライに打ち取ると、続く山口へのフルカウントからのアウトコースのストレートはかなりいい球であったが球審の手が上がらずに四球となりランナーを出してしまう。さらにJR東日本はここで右の代打として本来はクリーンアップの渡辺を起用すると、ここで見ごたえのある勝負が実現。渡辺はタイミングも合わせられていて、6球も放ったファールも真後ろに飛んでいく打球が多かったが、フルカウントからの10球目に増居の投じたインコースへのストレートに渡辺は手が出ずに見逃しの三振。最後は同じく代打の吉澤も三振に仕留めてゲームセットとなった。

結局増居は2イニングをなげて、4奪三振無安打1四球という内容。増居は昨年よりも溜めを作って、球の出所がさらに見づらいようなフォームとなっていて、ここから繰り出すストレートはキレが抜群であり、特に右バッターのインコース、左バッターのアウトコースの際どいところに正確に決まる。さらにスライダーが曲がりが大きく、特に対左という面ではすぐにでもプロで通用しそうなレベル。社会人野球の名門である、JR東日本でも打てる気がしないレベルの投球であった。

レベルの高い投手陣の中でも、順調に成長を続けている増居。今年はまだリリーフという立場のようだが、こういう左腕をリリーフに置けるあたりが慶応の強みである。そして来年以降は森田とともに、先発として慶応投手陣の柱となって欲しい選手である。

20200621慶応大 増居
8回・9回と圧巻のピッチングで試合を締めた慶応大の5番手増居


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No title

今日も読みごたえのある記事をありがとうございました。
たいへん勉強になりました。糸野選手の名前も初めて知りました。20歳で左打者転向は驚きました。

増居投手はあの花巻東ノーヒットノーランの子ですね。
てっきり京都大学に進学して野球を辞めたのかと思ってました。
慶応で野球を続けていたとは嬉しいです!しかも相変わらずの奪三振王ぶり。
右の強打者へのクロスファイヤー見逃し三振は私の大好物です。笑

プロ野球ファンの私は増居君にぜひプロの世界に来てほしいですが、こればっかりはご本人次第。無理は言いません。

Re: No title

>ひがさん

糸野は本当に驚きでしたね!
しかも足が自慢の巧打者タイプ(杉谷みたいな感じ)が転向するならわかりますが、スラッガーとして期待されていた選手ですからね…。

確かに増居は彦根東ですし、当初は京大目指すって噂ありましたね!
京大も近田(報徳学園→ソフトバンク→JR西日本)がコーチとしてしますが、十分プロ入りもあり得る存在なので、投手育成には定評のある慶応大で良かったと思います。
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