6/4智弁学園和歌山×履正社【春季近畿大会】
春季近畿大会の準決勝2試合目。寺島率いる優勝候補筆頭の履正社と、地元和歌山県1位の智弁和歌山の戦いです。(これを見るために和歌山まで来たといっても過言でない)
スタメン
智弁和歌山
履正社
試合経過
《1回表》智弁和歌山は先頭の北阪が四球で出塁、3番野口の際に盗塁を決め、2死2塁で4番高垣を迎える。高垣は2B0Sから甘く入ったストレートをセンターに弾き返し、北阪がホームイン。地元の智弁和歌山が先制します。(智1-0履)
《1回裏》履正社は先頭の福田が初球をライト前ヒット。2番北野が送ると、3番四川が甘く入った変化球をたたくと、フラッと上がった打球はそのままライトスタンドへ。四川の一振りで履正社が早くも逆転します。(智1-2履)
《3回裏》2死から四川がセンター前で出塁すると。続く4番安田が高めに浮いた変化球をとらえる。打球は右中間のフェンスを越え、履正社が2本目の2ランでリードを広げる。(智1-4履)
《6回表》グランド整備明けの智弁和歌山は2死ランナーなしから4番高垣がレフトへのソロを放ち反撃の狼煙を上げる。(智2-4履)
《6回裏》1死から井町のヒット、代打:若林将(2年)の四球でチャンスを作ると、まずは7番山本がレフト前にタイムリーヒット。ここで智弁和歌山はピッチャーを黒原(2年)に交代。しかし若林健の四球で満塁となると、福田・北野・四川の1~3番が3連続タイムリーを放つなどして、この回一挙5点をあげる。(智2-9履)
《7回表》後がない智弁和歌山であるが、履正社の先発山口の前に三者三振。履正社が9-2(7回コールド)で智弁和歌山を破り、春季近畿大会の決勝に進出しました。

タタイムリーにホームランと1人智弁和歌山打線で気を吐いた高垣

3回に2ランを放った履正社の4番安田

見事2失点完投勝利をあげた履正社の山口
スコア
智弁和歌山

履正社

Topic
秋からの成長を見せた履正社打線
秋は1-2大阪桐蔭、0-1阪南大と、打線が打てずに寺島(3年)の好投を見殺しにする形で、近畿大会出場を逃した履正社。だがこの春は見事な強力打線っぷりを見せている。
その打線の中心は四川・安田の2人のスラッガー。この日もこの2人にそれぞれ2ランホームランが飛び出し、試合を優位に進められた。またそれ以外の打者も激しい競争を勝ち抜いただけあって、どの打者も振りが鋭く、どこからでも点がとれる打線だ。6回裏には連打で一気に畳みかけ5得点、この5点が効いて結局コールド勝ちまでもっていくことができた。
さらに履正社打線はこの日はヒットを9本放ったのだが、そのすべてが得点に絡むという試合巧者っぷりも見せた。投手陣はもともと全国でもトップクラスだけに、打線に力がついてくると、いよいよ夏の大阪桐蔭との決戦に向けて視角はないです。
想像以上の山口
プロ注目のエース寺島はこの日は出場なし。秋は寺島が4番エースで孤軍奮闘していた状態だったので、そんな寺島抜きで智弁和歌山にコールド勝ちとは秋からの履正社のチームとしての成長がうかがえます。
代わりに先発を任されたのが山口。この投手もプロから注目されるほどの左腕ですが、実際に見てみるとストレートの威力は想像以上でした。これがしっかりと溜めを作ったスリークウォーターのフォームから放たれる角度のついた重い球なので、スピードは140くらいかと思いますが(紀三井寺球場はスピード表示なし)、それ以上の威力があります。それにうまい具合にスライダーなどの変化球を混ぜることができていたので、智弁和歌山打線ですら全然という感じでした。天敵:高垣がいたために2点を失ってしまいましたが、2点とれれたのを忘れるほど素晴らしいピッチングでした。
正直これだけ強力なサススポーが2枚もいた高校のチームは記憶にないですね…。

寺島はブルペンで投げただけ…
智弁和歌山の夏への課題は投手陣
一方で完敗の智弁和歌山。2点に抑えられた打線もさることながら、夏に向けての1番の課題は投手陣かなと思いました。
今年の智弁和歌山のエースは軟投派の左腕:橋。序盤は2ランを浴びた以外は、履正社打線のタイミングをうまくはずすピッチングをできていましたが、6回にはついにつかまりました。2番手の黒原も似たタイプのピッチャーであるために、この勢いを止めるのは不十分であったかなと思います。
強打のイメージの智弁和歌山ですが、近年は蔭地野(ニチダイ)、吉川(JR西日本)、東妻(日体大)、斎藤(JR西日本)とプロも注目するような好投手を輩出してきました。それらと比べると今年のエース橋はだいぶ物足りないかなという印象です。橋自身の奮起も必要ですが、橋の後をリリーフする球に力のあるピッチャーがいるともっと形になるかと思います。加藤(2年)あたりが、そうなってくれると高嶋監督としても心強いことでしょう。

智弁和歌山のエース:橋
Pickup Player
四川雄翔 履正社3年 ファースト
~覚醒した打線の柱~
2年時から履正社で5番などを任され、新チームでは打線の柱として期待されていた四川。しかし昨秋は寺島が4番を打つこととなり、打線の不調が原因で近畿大会出場を逃した。
この日は3番打者として、まず逆転の2ランホームラン。2打席目はセンター前ヒット、4打席目は左中間へのタイムリー2ベースと、4打数3安打3打点と主軸としての役割を見事に果たした。最初のホームランもそうだが、そのあとのセンターへの2本のヒットこそ、四川の真骨頂であった。体重を落としたからだろうか?、スイングに柔軟性が出たようで、2本ともうまく合わせてセンター前にもっていった。それまでのパワーヒッターに加えて、アベレージヒッターも取得したようなイメージだ。
その点で4番を打つ安田よりは四川のほうが打者として優っている。3年生ということもあるし、履正社打線の柱は四川!!これで夏も頑張ってほしい。

3安打3打点の活躍をした履正社の3番四川
余談
そろそろ高嶋さんも…
智弁和歌山→慶応大→ロッテと進んで2011年に智弁和歌山に戻ってきた喜多コーチ。ノックを軽々こなす姿もだいぶ板についてきたと思います。今年で70歳の高嶋監督…ここ最近は甲子園でも上の方まで進出していないですし…そろそろ智弁和歌山の喜多監督が誕生する日も近い?

試合前ノックをする智弁和歌山の喜多コーチ
スタメン
智弁和歌山
RF | 北阪 | ③ | 5 |
2B | 森本 | ② | 4 |
CF | 野口 | ③ | 8 |
SS | 高垣 | ③ | 6 |
1B | 文元 | ① | 18 |
3B | 林 | ① | 17 |
LF | 下村 | ③ | 7 |
C | 門脇 | ③ | 2 |
P | 橋 | ③ | 1 |
履正社
CF | 福田 | ③ | 8 |
2B | 北野 | ③ | 4 |
1B | 四川 | ③ | 5 |
3B | 安田 | ② | 3 |
C | 井町 | ③ | 2 |
LF | 石田 | ② | 14 |
RF | 山本 | ③ | 9 |
SS | 若林健 | ③ | 6 |
P | 山口 | ③ | 18 |
試合経過
《1回表》智弁和歌山は先頭の北阪が四球で出塁、3番野口の際に盗塁を決め、2死2塁で4番高垣を迎える。高垣は2B0Sから甘く入ったストレートをセンターに弾き返し、北阪がホームイン。地元の智弁和歌山が先制します。(智1-0履)
《1回裏》履正社は先頭の福田が初球をライト前ヒット。2番北野が送ると、3番四川が甘く入った変化球をたたくと、フラッと上がった打球はそのままライトスタンドへ。四川の一振りで履正社が早くも逆転します。(智1-2履)
《3回裏》2死から四川がセンター前で出塁すると。続く4番安田が高めに浮いた変化球をとらえる。打球は右中間のフェンスを越え、履正社が2本目の2ランでリードを広げる。(智1-4履)
《6回表》グランド整備明けの智弁和歌山は2死ランナーなしから4番高垣がレフトへのソロを放ち反撃の狼煙を上げる。(智2-4履)
《6回裏》1死から井町のヒット、代打:若林将(2年)の四球でチャンスを作ると、まずは7番山本がレフト前にタイムリーヒット。ここで智弁和歌山はピッチャーを黒原(2年)に交代。しかし若林健の四球で満塁となると、福田・北野・四川の1~3番が3連続タイムリーを放つなどして、この回一挙5点をあげる。(智2-9履)
《7回表》後がない智弁和歌山であるが、履正社の先発山口の前に三者三振。履正社が9-2(7回コールド)で智弁和歌山を破り、春季近畿大会の決勝に進出しました。

タタイムリーにホームランと1人智弁和歌山打線で気を吐いた高垣

3回に2ランを放った履正社の4番安田

見事2失点完投勝利をあげた履正社の山口
スコア
智弁和歌山

履正社

Topic
秋からの成長を見せた履正社打線
秋は1-2大阪桐蔭、0-1阪南大と、打線が打てずに寺島(3年)の好投を見殺しにする形で、近畿大会出場を逃した履正社。だがこの春は見事な強力打線っぷりを見せている。
その打線の中心は四川・安田の2人のスラッガー。この日もこの2人にそれぞれ2ランホームランが飛び出し、試合を優位に進められた。またそれ以外の打者も激しい競争を勝ち抜いただけあって、どの打者も振りが鋭く、どこからでも点がとれる打線だ。6回裏には連打で一気に畳みかけ5得点、この5点が効いて結局コールド勝ちまでもっていくことができた。
さらに履正社打線はこの日はヒットを9本放ったのだが、そのすべてが得点に絡むという試合巧者っぷりも見せた。投手陣はもともと全国でもトップクラスだけに、打線に力がついてくると、いよいよ夏の大阪桐蔭との決戦に向けて視角はないです。
想像以上の山口
プロ注目のエース寺島はこの日は出場なし。秋は寺島が4番エースで孤軍奮闘していた状態だったので、そんな寺島抜きで智弁和歌山にコールド勝ちとは秋からの履正社のチームとしての成長がうかがえます。
代わりに先発を任されたのが山口。この投手もプロから注目されるほどの左腕ですが、実際に見てみるとストレートの威力は想像以上でした。これがしっかりと溜めを作ったスリークウォーターのフォームから放たれる角度のついた重い球なので、スピードは140くらいかと思いますが(紀三井寺球場はスピード表示なし)、それ以上の威力があります。それにうまい具合にスライダーなどの変化球を混ぜることができていたので、智弁和歌山打線ですら全然という感じでした。天敵:高垣がいたために2点を失ってしまいましたが、2点とれれたのを忘れるほど素晴らしいピッチングでした。
正直これだけ強力なサススポーが2枚もいた高校のチームは記憶にないですね…。

寺島はブルペンで投げただけ…
智弁和歌山の夏への課題は投手陣
一方で完敗の智弁和歌山。2点に抑えられた打線もさることながら、夏に向けての1番の課題は投手陣かなと思いました。
今年の智弁和歌山のエースは軟投派の左腕:橋。序盤は2ランを浴びた以外は、履正社打線のタイミングをうまくはずすピッチングをできていましたが、6回にはついにつかまりました。2番手の黒原も似たタイプのピッチャーであるために、この勢いを止めるのは不十分であったかなと思います。
強打のイメージの智弁和歌山ですが、近年は蔭地野(ニチダイ)、吉川(JR西日本)、東妻(日体大)、斎藤(JR西日本)とプロも注目するような好投手を輩出してきました。それらと比べると今年のエース橋はだいぶ物足りないかなという印象です。橋自身の奮起も必要ですが、橋の後をリリーフする球に力のあるピッチャーがいるともっと形になるかと思います。加藤(2年)あたりが、そうなってくれると高嶋監督としても心強いことでしょう。

智弁和歌山のエース:橋
Pickup Player
四川雄翔 履正社3年 ファースト
~覚醒した打線の柱~
2年時から履正社で5番などを任され、新チームでは打線の柱として期待されていた四川。しかし昨秋は寺島が4番を打つこととなり、打線の不調が原因で近畿大会出場を逃した。
この日は3番打者として、まず逆転の2ランホームラン。2打席目はセンター前ヒット、4打席目は左中間へのタイムリー2ベースと、4打数3安打3打点と主軸としての役割を見事に果たした。最初のホームランもそうだが、そのあとのセンターへの2本のヒットこそ、四川の真骨頂であった。体重を落としたからだろうか?、スイングに柔軟性が出たようで、2本ともうまく合わせてセンター前にもっていった。それまでのパワーヒッターに加えて、アベレージヒッターも取得したようなイメージだ。
その点で4番を打つ安田よりは四川のほうが打者として優っている。3年生ということもあるし、履正社打線の柱は四川!!これで夏も頑張ってほしい。

3安打3打点の活躍をした履正社の3番四川
余談
そろそろ高嶋さんも…
智弁和歌山→慶応大→ロッテと進んで2011年に智弁和歌山に戻ってきた喜多コーチ。ノックを軽々こなす姿もだいぶ板についてきたと思います。今年で70歳の高嶋監督…ここ最近は甲子園でも上の方まで進出していないですし…そろそろ智弁和歌山の喜多監督が誕生する日も近い?

試合前ノックをする智弁和歌山の喜多コーチ
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