駒澤大×中央大【東都学生野球連盟】
10/7 東都学生野球連盟 第3週2回戦
駒澤大×中央大 @神宮球場
試合経過
1回表、駒澤大は先頭の若林が初球を捉えて三遊間を破って出塁すると、2番打者のときに盗塁も決めてチャンスを作る。2死3塁となって4番鵜飼を迎えると、鵜飼は中央大先発の畠中のインコースのストレートを力で持っていくと、センターの頭上を越えるタイムリー2ベースとなり駒澤大が先制する。
1回裏、中央大はプロ注目のスピードスターが魅せる。2番五十幡は粘った末に四球で出塁すると、続く3番森下の初球にすかさずスチールを試み、余裕でセーフ。中学時代にはサニブラウンを抑えて、全中で100m・200m走の二冠に輝いた俊足の持ち主は、その脚力には定評があったものの、3年春まではシーズン3盗塁が最高。ただスタート技術などを身に着けると、3年秋には9盗塁をマークするなど、その真価を発揮しつつあった。結局このチャンスは4番牧の鋭い打球がセカンド正面の併殺となり無得点となってしまうが、今月開かれるドラフト会議に向けていきなり五十幡が見せつけた初回であった。

初回からその超俊足をみせつけた中央大の五十幡
2回表、駒澤大は先頭の緒方がエラーで出塁すると、9番谷本も四球を選び、京都外大西の同期コンビで2死1・2塁のチャンスを作り、1番に戻って若林を迎える。若林に対して中央大バッテリーは初球にややアウトコース気味のチェンジアップを投じると、若林はジャストミートという感じではなかったものの、うまいことバットに乗せると、打球はレフトスタンドに飛び込む3ランとなって、駒澤大が4-0とリードを広げる。

3ランホームランを放った駒澤大の若林
続く2番与倉がヒットを放ったところで、中央大は2番手として皆川をマウンドに送る。皆川はMax143㌔のストレートに、130㌔前半で手元で落ちるような2シーム、スライダー、カーブ。チェンジアップと多彩な球を駆使して、3回・4回と駒澤大打線を無得点に抑えていた。ただ駒澤大は5回1死から4番鵜飼がレフトスタンドにソロホームランを放ち5点目をあげる。

5回にソロホームランを放った駒澤大の鵜飼
駒澤大の先発の竹本は、この日はカットボールを駆使した投球が特徴的であった。プロ志望届も提出した本格派右腕は、Max147㌔の角度のあるストレートに、縦のスライダーやチェンジアップといった本来の武器に加えて、この試合では130㌔前半~中盤のカットボール(おそらく)を多投。7回までで得点圏にランナーを背負ったのは5回、さらには三振は1個のみと少なかったものの、気迫の投球で中央大打線を打ち取っていき7回まで0封。試合は完全に駒澤大のペースであった。
中央大の強力打線が目覚めたのは8回裏、この回先頭の2番五十幡が自慢のスピードを武器に、1塁側に見事にセーフティバントを決めて出塁。続く3番森下はカウント2B2Sからカットボールを捉えると、打球はレフトスタンドに吸い込まれる2ランとなり、中央大がこの試合初得点をあげる。さらにここで終わることのなかった中央大打線は、ドラフト上位候補の4番牧の3塁線の当たりは内野安打となり出塁すると、四球と坂巻のレフト前ヒットで2死満塁と1打同点のチャンスを作る。ここで清水監督は代打に中田を送り込み、カウントは3B1Sとなってしまうものの、ここで竹本が開き直って気迫のストレートで2球連続で空振りを奪ってピンチを凌ぐ。

8回に反撃の狼煙となる2ランを放った中央大の森下
竹本は8回まで157球を投げていたこともあって、9回裏の駒澤大のマウンドには福山が上がる。福山は1番佐藤天・2番五十幡を打ち取って2死として勝利目前となるものの、ここから3番森下に四球を与えてしまうと、中央大は4番牧・5番内山と連打で繋いで、前の回に続いて2死満塁のチャンスを作る。さらに6番古賀に対して、福山は得意のスライダーが入らずにカウントを悪くしていまい押し出しの四球。中央大は3-5と2点ビハインドで2死満塁と、同点、さらには逆転のチャンスで7番内潟を迎える。ただここで福山も得意のスライダーに諦めをつけて吹っ切れたようで、内潟に対してストレート2球連続で追い込むと、最後はアウトコースに143㌔のストレートを決めて見逃し三振。駒澤大が5-3と逃げ切って勝利した。

最終回の逆転のピンチを何とかしのいだ駒澤大の福山

※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください
秋のリーグ戦が開幕してから、この試合まで5連敗で未勝利であった駒澤大。その状態に投打の軸であり、ともにプロ志望届も提出した竹本と若林が奮起した。本来はエースとして期待されている竹本であるが、この秋のリーグ戦では先発2番手という位置付け。この日も決して圧倒的な投球をみせられたわけではないが、毎回のように招くピンチを気迫で切り抜けて、なんと157球をも投げ抜いて8回2失点の好投であった。チームの主将も務める若林も、3ランホームランを含む3安打猛打賞の活躍で、リードオフマンとしてチームに勝利をもたらせた。今年はコロナの影響で入替戦こそないものの、昨年は2度も経験してしまった入替戦(=最下位)から脱却すべく、昨年もチームの中心であった2人の意地が見えた試合であった。

先発として8回2失点の好投をみせた駒澤大の竹本
敗れてしまった中央大はやはり打線の奮起が遅すぎた…。昨年大学日本代表でも4番を務めて、今年はドラフト1位と噂される4番牧を中心に、2番五十幡・3番森下・5番内山・6番古賀といった中軸は東都の中でもNo1といえる布陣。この試合でもこの5人は全員ヒットを放っており、得点をあげた8回・9回もこの5人が中心となっていた。その一方でそれ以外の4人では計1安打と完全に抑えられてしまい、8回・9回とこの中軸で作った追加点のチャンスにはあと1本が出なかった。また中軸の前を打つ1番打者も、この試合では石井・中前の1年生コンビを起用したものの、1度も出塁できずに終わってしまい、中軸の前にいかにチャンスを作ることができなかった。この中軸以外の部分が機能するかが、今後の中央大を大きく左右することだろう。

中央大の強力打線の中核となす牧はこの試合でも2安打を放った
Pickup Player
若林楽人 駒澤大4年 外野手
~ドラフト前に最後の猛アピール~
3ランを含む3安打の活躍をみせた駒澤大の主将でリードオフマンの若林が、ドラフト会議に向けて大きくアピールに成功した。
駒澤大苫小牧では1年秋から4番サードの座を掴み、1学年上のエース伊藤(苫小牧駒澤大)を擁して全道ベスト4。2年春には1番ライトを問止め、打率.563の活躍で全道準Vに貢献した。3年時には3番ショート主将として、エース阿部(日立製作所)とともにチームを牽引したものの、甲子園には手が届かなかった。駒澤大では2年春よりセンターのレギュラーを獲得し、2年冬には大学日本代表候補合宿を経験。最終学年となる今年はチームの主将も務め、この秋はリードオフマンとしてチームを牽引。3年秋まででリーグ戦通算打率は1割台ながらも、その打撃のポテンシャルに加えて、50㍍5.8秒の俊足など身体能力も高く、ドラフト候補として注目されており、プロ志望届を提出した。
この試合でも1番センターでスタメン出場を果たした若林は、第1打席では初球を打って三遊間を破るヒット。2盗も決めてチャンスメイクを果たすと、4番鵜飼のタイムリーで先制のホームを踏んだ。2死1・2塁で回ってきた第2打席では、こちらも初球、畠中のアウトコース寄りのチェンジアップを、ジャストミートという形ではなかったものの、うまいことバットに乗せるとそのままレフトスタンドまで運び3ランホームランとなる。4回の第3打席でもレフト前ヒットを放ち、結局この試合では5打数3安打3打点2得点という活躍でチームを勝利に導いた。
これでこの秋のリーグ戦では6試合で4発の若林。しかもその4発のうち3発が3ランホームランということで、打点も10と現在リーグ二冠王である。上述の通り、3年秋までは通算打率.195であり、スカウトから見れば、守備・走塁・ポテンシャルはピカイチなものの、そこはネックであったと思う。本人はそれより主将としてチームの連敗を止めることに必死だろうだが、これはスカウトにとって大きなアピールである。この試合が駒澤大にとっては10/26のドラフト会議の前の最後の公式戦であり、直前での猛アピールがどう響いてくるのか楽しみである。

3ランを含む3安打の活躍でドラフト前に大きくアピールに成功した駒澤大の若林
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駒澤大×中央大 @神宮球場
試合経過
1回表、駒澤大は先頭の若林が初球を捉えて三遊間を破って出塁すると、2番打者のときに盗塁も決めてチャンスを作る。2死3塁となって4番鵜飼を迎えると、鵜飼は中央大先発の畠中のインコースのストレートを力で持っていくと、センターの頭上を越えるタイムリー2ベースとなり駒澤大が先制する。
1回裏、中央大はプロ注目のスピードスターが魅せる。2番五十幡は粘った末に四球で出塁すると、続く3番森下の初球にすかさずスチールを試み、余裕でセーフ。中学時代にはサニブラウンを抑えて、全中で100m・200m走の二冠に輝いた俊足の持ち主は、その脚力には定評があったものの、3年春まではシーズン3盗塁が最高。ただスタート技術などを身に着けると、3年秋には9盗塁をマークするなど、その真価を発揮しつつあった。結局このチャンスは4番牧の鋭い打球がセカンド正面の併殺となり無得点となってしまうが、今月開かれるドラフト会議に向けていきなり五十幡が見せつけた初回であった。

初回からその超俊足をみせつけた中央大の五十幡
2回表、駒澤大は先頭の緒方がエラーで出塁すると、9番谷本も四球を選び、京都外大西の同期コンビで2死1・2塁のチャンスを作り、1番に戻って若林を迎える。若林に対して中央大バッテリーは初球にややアウトコース気味のチェンジアップを投じると、若林はジャストミートという感じではなかったものの、うまいことバットに乗せると、打球はレフトスタンドに飛び込む3ランとなって、駒澤大が4-0とリードを広げる。

3ランホームランを放った駒澤大の若林
続く2番与倉がヒットを放ったところで、中央大は2番手として皆川をマウンドに送る。皆川はMax143㌔のストレートに、130㌔前半で手元で落ちるような2シーム、スライダー、カーブ。チェンジアップと多彩な球を駆使して、3回・4回と駒澤大打線を無得点に抑えていた。ただ駒澤大は5回1死から4番鵜飼がレフトスタンドにソロホームランを放ち5点目をあげる。

5回にソロホームランを放った駒澤大の鵜飼
駒澤大の先発の竹本は、この日はカットボールを駆使した投球が特徴的であった。プロ志望届も提出した本格派右腕は、Max147㌔の角度のあるストレートに、縦のスライダーやチェンジアップといった本来の武器に加えて、この試合では130㌔前半~中盤のカットボール(おそらく)を多投。7回までで得点圏にランナーを背負ったのは5回、さらには三振は1個のみと少なかったものの、気迫の投球で中央大打線を打ち取っていき7回まで0封。試合は完全に駒澤大のペースであった。
中央大の強力打線が目覚めたのは8回裏、この回先頭の2番五十幡が自慢のスピードを武器に、1塁側に見事にセーフティバントを決めて出塁。続く3番森下はカウント2B2Sからカットボールを捉えると、打球はレフトスタンドに吸い込まれる2ランとなり、中央大がこの試合初得点をあげる。さらにここで終わることのなかった中央大打線は、ドラフト上位候補の4番牧の3塁線の当たりは内野安打となり出塁すると、四球と坂巻のレフト前ヒットで2死満塁と1打同点のチャンスを作る。ここで清水監督は代打に中田を送り込み、カウントは3B1Sとなってしまうものの、ここで竹本が開き直って気迫のストレートで2球連続で空振りを奪ってピンチを凌ぐ。

8回に反撃の狼煙となる2ランを放った中央大の森下
竹本は8回まで157球を投げていたこともあって、9回裏の駒澤大のマウンドには福山が上がる。福山は1番佐藤天・2番五十幡を打ち取って2死として勝利目前となるものの、ここから3番森下に四球を与えてしまうと、中央大は4番牧・5番内山と連打で繋いで、前の回に続いて2死満塁のチャンスを作る。さらに6番古賀に対して、福山は得意のスライダーが入らずにカウントを悪くしていまい押し出しの四球。中央大は3-5と2点ビハインドで2死満塁と、同点、さらには逆転のチャンスで7番内潟を迎える。ただここで福山も得意のスライダーに諦めをつけて吹っ切れたようで、内潟に対してストレート2球連続で追い込むと、最後はアウトコースに143㌔のストレートを決めて見逃し三振。駒澤大が5-3と逃げ切って勝利した。

最終回の逆転のピンチを何とかしのいだ駒澤大の福山

※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください
秋のリーグ戦が開幕してから、この試合まで5連敗で未勝利であった駒澤大。その状態に投打の軸であり、ともにプロ志望届も提出した竹本と若林が奮起した。本来はエースとして期待されている竹本であるが、この秋のリーグ戦では先発2番手という位置付け。この日も決して圧倒的な投球をみせられたわけではないが、毎回のように招くピンチを気迫で切り抜けて、なんと157球をも投げ抜いて8回2失点の好投であった。チームの主将も務める若林も、3ランホームランを含む3安打猛打賞の活躍で、リードオフマンとしてチームに勝利をもたらせた。今年はコロナの影響で入替戦こそないものの、昨年は2度も経験してしまった入替戦(=最下位)から脱却すべく、昨年もチームの中心であった2人の意地が見えた試合であった。

先発として8回2失点の好投をみせた駒澤大の竹本
敗れてしまった中央大はやはり打線の奮起が遅すぎた…。昨年大学日本代表でも4番を務めて、今年はドラフト1位と噂される4番牧を中心に、2番五十幡・3番森下・5番内山・6番古賀といった中軸は東都の中でもNo1といえる布陣。この試合でもこの5人は全員ヒットを放っており、得点をあげた8回・9回もこの5人が中心となっていた。その一方でそれ以外の4人では計1安打と完全に抑えられてしまい、8回・9回とこの中軸で作った追加点のチャンスにはあと1本が出なかった。また中軸の前を打つ1番打者も、この試合では石井・中前の1年生コンビを起用したものの、1度も出塁できずに終わってしまい、中軸の前にいかにチャンスを作ることができなかった。この中軸以外の部分が機能するかが、今後の中央大を大きく左右することだろう。

中央大の強力打線の中核となす牧はこの試合でも2安打を放った
Pickup Player
若林楽人 駒澤大4年 外野手
~ドラフト前に最後の猛アピール~
3ランを含む3安打の活躍をみせた駒澤大の主将でリードオフマンの若林が、ドラフト会議に向けて大きくアピールに成功した。
駒澤大苫小牧では1年秋から4番サードの座を掴み、1学年上のエース伊藤(苫小牧駒澤大)を擁して全道ベスト4。2年春には1番ライトを問止め、打率.563の活躍で全道準Vに貢献した。3年時には3番ショート主将として、エース阿部(日立製作所)とともにチームを牽引したものの、甲子園には手が届かなかった。駒澤大では2年春よりセンターのレギュラーを獲得し、2年冬には大学日本代表候補合宿を経験。最終学年となる今年はチームの主将も務め、この秋はリードオフマンとしてチームを牽引。3年秋まででリーグ戦通算打率は1割台ながらも、その打撃のポテンシャルに加えて、50㍍5.8秒の俊足など身体能力も高く、ドラフト候補として注目されており、プロ志望届を提出した。
この試合でも1番センターでスタメン出場を果たした若林は、第1打席では初球を打って三遊間を破るヒット。2盗も決めてチャンスメイクを果たすと、4番鵜飼のタイムリーで先制のホームを踏んだ。2死1・2塁で回ってきた第2打席では、こちらも初球、畠中のアウトコース寄りのチェンジアップを、ジャストミートという形ではなかったものの、うまいことバットに乗せるとそのままレフトスタンドまで運び3ランホームランとなる。4回の第3打席でもレフト前ヒットを放ち、結局この試合では5打数3安打3打点2得点という活躍でチームを勝利に導いた。
これでこの秋のリーグ戦では6試合で4発の若林。しかもその4発のうち3発が3ランホームランということで、打点も10と現在リーグ二冠王である。上述の通り、3年秋までは通算打率.195であり、スカウトから見れば、守備・走塁・ポテンシャルはピカイチなものの、そこはネックであったと思う。本人はそれより主将としてチームの連敗を止めることに必死だろうだが、これはスカウトにとって大きなアピールである。この試合が駒澤大にとっては10/26のドラフト会議の前の最後の公式戦であり、直前での猛アピールがどう響いてくるのか楽しみである。

3ランを含む3安打の活躍でドラフト前に大きくアピールに成功した駒澤大の若林
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