中央大×亜細亜大【東都学生野球連盟】
11/3 東都学生野球連盟 第5週1回戦
中央大×亜細亜大 @神宮球場
試合経過
東都1部のリーグ戦も最終週に入り、亜細亜大は立正大とともに6勝2敗で首位に立っており、優勝に向けて敗けられない中央大戦を迎える。先週のドラフト会議では、亜細亜大からは平内(巨人1位)・内間(楽天4位)・矢野(広島6位)の3人が、中央大からも牧(DeNA2位)・五十幡(日本ハム2位)の2人が指名を受けており、5人のドラフト選手がベンチ入りした試合でもあった。
亜大は3回裏、先頭の田中幹がチーム初ヒットで出塁すると、2番矢野の初球にすかさず盗塁。さらに2球目には投球がワンバンになったのを見逃さずに素晴らしいスタートを切って、あっという間に無死3塁というチャンスを作る。さらに2番矢野は3球目を捉えると、これが右中間への3ベースとなり、亜大が先制する。さらに3番木倉は3球目のスライダーを捉えると、打球はレフトポール際に飛び込む2ランホームラン。亜大が1~3番の活躍で3点を先制し、中央大先発の皆川をKOする。

2ランを放った亜大の3番木倉
皆川に代わって、中央大の2番手としてマウンドに上がったのは1年生右腕の石田裕。石田裕はストレートはMax141㌔ながらスライダーをはじめとした変化球も駆使して、安定した投球を披露。3~5回で打たれたヒットは内野安打1本のみという投球で亜大打線を無得点に抑えていく。

2番手としてマウンドにあがり好投をみせた中大の石田裕
ただそんな石田の好投に待ったをかけたのは亜大の1年生天井であった。1年生ながら春のオープン戦からスタメンを勝ち取り、背番号10を与えられている期待の星は、ここまで打率が3割を超える活躍。6回1死から回ってきた第3打席では、石田のインコースのストレートをうまく振り抜くと打球はライトスタンドに飛びこむリーグ戦初ホームランとなる。さらに7回裏には、亜大は途中出場の竹輪がセンター前ヒットで出塁して、バントとバッテリーミスで3塁まで進むと、3番木倉が1・2塁間を見事に破るタイムリーを放ち、亜大がリードを5点に広げ、石田裕は降板となってしまった。

リーグ戦初ホームランを放つ亜大の天井
亜大の先発の平内は、この試合は自慢のスピードはMax149㌔止まりであったものの、2シーム・スライダー・カーブ・SFFといった変化球も駆使した、非常に亜大の投手らしい投球をみせて、5回までは中大打線に2塁も踏ませない投球。6回にはイレギュラーもあって、1番中川に2ベースを浴びるものの、続く2番五十幡の三遊間を抜けようという当たりをショート矢野がダイビングキャッチ(内野安打となる)して、ランナーを3塁に止めると、続く3番内山をピッチャーゴロに打ち取りピンチを凌いだ。結局平内は7回4安打7奪三振無失点という内容でマウンドを降りる。

7回無失点の好投をみせた亜大の平内
亜大は8回からは、なんとこれまで2試合目の先発を務めていた青山が登板。青山は8回は中前・内潟と代打2人から連続三振を奪い3者凡退に抑えてみせるものの、9回には中大打線が意地をみせる。1死から2番五十幡がセンターオーバーの3ベースで出塁すると、1死1・3塁から4番牧の当たりはショートゴロとなるも、なんとか併殺を防いで、その間にまず1点。さらに5番倉石も四球を選んで、2死1・2塁と再びチャンスを作る。この回2個目の四球ということで、亜大は青山に代えて、高山をマウンドに送ると高山が気合のこもったストレートで古賀をショートフライに打ち取ってゲームセット。亜細亜大が中央大に5-1で勝利した。

最終回に意地の3ベースを放ち得点につなげた中大の五十幡

※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください
ここまで首位を走る亜細亜大の原動力となっているのが、平内・青山の先発2人である。本来エースとして期待された内間が不調の中で、青山がリーグ1位の防御率1.27、平内がリーグ2位の防御率1.32と見事な活躍をみせている。リーグを代表する投手である東洋大の村上が故障したこともあり、これほど先発のしっかりしたチームは現在の東都1部にはおらず、亜細亜大のストロングポイントになっている。ただこの試合ではこれまでの平内が1試合目、青山が2試合目という起用でなく、1試合目で平内→青山という起用をみせた。平内は投球内容的には完封ペースであったのに7回で降ろし、明日先発予定の青山を使ったことで、2年前には当時エースだった中村稔(ロッテ)を3連投させるなど生田監督の性格を考えても、翌日も平内が先発するということが大いに考えられる。平内はここまでケガ多かった選手なので、ドラフト1位で指名した巨人は気が気でないかもしれない。ただ同率で首位に並んでいた立正大がこの後の試合で国学院大に敗れたために、亜細亜大の優勝へのM1が点灯した(=翌日の試合に亜細亜大が勝つor立正大が敗けるで優勝)こともあり、優勝に向けてラストスパートをかけるということであろうか。

この試合ではリリーフとして起用された亜大の青山
中央大は逆に投手陣が課題というのは、もともと分かっていることなので、やはりある程度打線が打たないとキツい。打線の中でも注目なのが、ともにドラフト2位で指名された五十幡と牧。五十幡はこの試合2安打で、牧もノーヒットながら1打席目のセンターフライ・3打席目のライトライナーなどはいい当たりであった。打率ランキングでは牧が2位、五十幡が7位と結果は出しているので、あとはまわりがもっと打てるといい。本来は3番打者として期待されていた森下は不調もあって、この試合ではついにスタメンから外し、代わりにスピードスターの齋藤を起用するも、出塁することかなわず、1番に昇格させた中川もイレギュラー絡みのヒットでの出塁のみという状態で、打線のコテ入れも機能していないようである。

森下に代わりスタメンに抜擢された中大の齋藤
Pickup Player
平内龍太 亜細亜大4年 投手
~巨人ドラ1に恥じない見事な投球~
巨人にドラフト1位で指名された平内が、7回無失点とその指名に恥じない、見事な投球をみせた。
神戸国際大付のときから146㌔をマークする奪三振率の高い本格派右腕として注目されていた平内。余談であるが、元ダイエーの投手で、現在はソフトバンクの球団統括本部を務める永井智浩を叔父に持つ。1年秋からベンチ入りを果たすと、3年春には市立神港戦で15奪三振完封勝利をマークするなど結果を残すと、3年夏は背番号1を獲得。準々決勝では吉高(日体大)、さらには来年から巨人でチームメイトとなる山崎(東海大→巨人ドラ2)の2枚看板を擁する明石商と対戦して、6回まで相手打線を無失点に抑えるも、7回に5点を失いチームは敗れた。
プロ志望届を提出するも指名はなく、亜細亜大に進学すると、1年秋は先発にリリーフに活躍し、防御率1.65の好成績をマーク。ただその後はケガの影響などもあり、なかなか安定した成績を残せずにいた。ラストシーズンとなったこの秋は、開幕戦でリリーフとして3年春以来のリーグ戦登板を果たすと、いきなり153㌔をマーク。翌週の駒澤大1回戦では先発として5回1失点で勝利をあげると、2回戦ではリリーフとして自己最速を更新する156㌔をマークして、スカウト陣の度肝を抜いた。これらの活躍とそのポテンシャルが評価され、ドラフト会議では佐藤の抽選を外した巨人が外れ1位として平内を(単独)指名した。ドラフト会議翌日には東洋大から1失点完投勝利をあげ、満を持してこの最終週の中央大戦に臨んでいた。
この試合の平内は、先発ということもあり、ストレートはMax149㌔止まりであった。ただそれでも重さのある球質のいいストレートは健在であり、コントロールもしっかりしていた。変化球は140㌔前半の2シーム、スライダーに加えて、有効であったのがストレートと球速差が40㌔あるカーブと、逆に球速差の少ない130㌔中盤~後半のSFF。これらの球を絡めて、緩急をつける投球ができており、女房役の古賀の2個の盗塁阻止もあって。5回までは中大に2塁すら踏ませない投球。6回にはイレギュラーな打球もあって、2死1・3塁と初めてピンチを招くも、3番内山をピッチャーゴロに打ち取ってピンチを切り抜けると、7回も3者凡退に斬ってとり、明らかに完封ペースであったものの、ここで降板。7回を投げて、4安打7奪三振無失点という素晴らしい内容で、青山にマウンドを託した。
翌日も先発が予想される平内。ケガ明けなので、巨人からしてみると心配でたまらないだろうが、神宮大会のない今年は、(優勝決定戦にもつれ込まない限り)翌日が平内にとって大学最後の公式戦となる。是非ともフル回転の活躍で、東都1部優勝+投手のタイトルを手土産に巨人に旅立ちたいところだ。

巨人ドラ1の名に恥じない7回無失点の好投をみせた亜大の平内
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中央大×亜細亜大 @神宮球場
試合経過
東都1部のリーグ戦も最終週に入り、亜細亜大は立正大とともに6勝2敗で首位に立っており、優勝に向けて敗けられない中央大戦を迎える。先週のドラフト会議では、亜細亜大からは平内(巨人1位)・内間(楽天4位)・矢野(広島6位)の3人が、中央大からも牧(DeNA2位)・五十幡(日本ハム2位)の2人が指名を受けており、5人のドラフト選手がベンチ入りした試合でもあった。
亜大は3回裏、先頭の田中幹がチーム初ヒットで出塁すると、2番矢野の初球にすかさず盗塁。さらに2球目には投球がワンバンになったのを見逃さずに素晴らしいスタートを切って、あっという間に無死3塁というチャンスを作る。さらに2番矢野は3球目を捉えると、これが右中間への3ベースとなり、亜大が先制する。さらに3番木倉は3球目のスライダーを捉えると、打球はレフトポール際に飛び込む2ランホームラン。亜大が1~3番の活躍で3点を先制し、中央大先発の皆川をKOする。

2ランを放った亜大の3番木倉
皆川に代わって、中央大の2番手としてマウンドに上がったのは1年生右腕の石田裕。石田裕はストレートはMax141㌔ながらスライダーをはじめとした変化球も駆使して、安定した投球を披露。3~5回で打たれたヒットは内野安打1本のみという投球で亜大打線を無得点に抑えていく。

2番手としてマウンドにあがり好投をみせた中大の石田裕
ただそんな石田の好投に待ったをかけたのは亜大の1年生天井であった。1年生ながら春のオープン戦からスタメンを勝ち取り、背番号10を与えられている期待の星は、ここまで打率が3割を超える活躍。6回1死から回ってきた第3打席では、石田のインコースのストレートをうまく振り抜くと打球はライトスタンドに飛びこむリーグ戦初ホームランとなる。さらに7回裏には、亜大は途中出場の竹輪がセンター前ヒットで出塁して、バントとバッテリーミスで3塁まで進むと、3番木倉が1・2塁間を見事に破るタイムリーを放ち、亜大がリードを5点に広げ、石田裕は降板となってしまった。

リーグ戦初ホームランを放つ亜大の天井
亜大の先発の平内は、この試合は自慢のスピードはMax149㌔止まりであったものの、2シーム・スライダー・カーブ・SFFといった変化球も駆使した、非常に亜大の投手らしい投球をみせて、5回までは中大打線に2塁も踏ませない投球。6回にはイレギュラーもあって、1番中川に2ベースを浴びるものの、続く2番五十幡の三遊間を抜けようという当たりをショート矢野がダイビングキャッチ(内野安打となる)して、ランナーを3塁に止めると、続く3番内山をピッチャーゴロに打ち取りピンチを凌いだ。結局平内は7回4安打7奪三振無失点という内容でマウンドを降りる。

7回無失点の好投をみせた亜大の平内
亜大は8回からは、なんとこれまで2試合目の先発を務めていた青山が登板。青山は8回は中前・内潟と代打2人から連続三振を奪い3者凡退に抑えてみせるものの、9回には中大打線が意地をみせる。1死から2番五十幡がセンターオーバーの3ベースで出塁すると、1死1・3塁から4番牧の当たりはショートゴロとなるも、なんとか併殺を防いで、その間にまず1点。さらに5番倉石も四球を選んで、2死1・2塁と再びチャンスを作る。この回2個目の四球ということで、亜大は青山に代えて、高山をマウンドに送ると高山が気合のこもったストレートで古賀をショートフライに打ち取ってゲームセット。亜細亜大が中央大に5-1で勝利した。

最終回に意地の3ベースを放ち得点につなげた中大の五十幡

※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください
ここまで首位を走る亜細亜大の原動力となっているのが、平内・青山の先発2人である。本来エースとして期待された内間が不調の中で、青山がリーグ1位の防御率1.27、平内がリーグ2位の防御率1.32と見事な活躍をみせている。リーグを代表する投手である東洋大の村上が故障したこともあり、これほど先発のしっかりしたチームは現在の東都1部にはおらず、亜細亜大のストロングポイントになっている。ただこの試合ではこれまでの平内が1試合目、青山が2試合目という起用でなく、1試合目で平内→青山という起用をみせた。平内は投球内容的には完封ペースであったのに7回で降ろし、明日先発予定の青山を使ったことで、2年前には当時エースだった中村稔(ロッテ)を3連投させるなど生田監督の性格を考えても、翌日も平内が先発するということが大いに考えられる。平内はここまでケガ多かった選手なので、ドラフト1位で指名した巨人は気が気でないかもしれない。ただ同率で首位に並んでいた立正大がこの後の試合で国学院大に敗れたために、亜細亜大の優勝へのM1が点灯した(=翌日の試合に亜細亜大が勝つor立正大が敗けるで優勝)こともあり、優勝に向けてラストスパートをかけるということであろうか。

この試合ではリリーフとして起用された亜大の青山
中央大は逆に投手陣が課題というのは、もともと分かっていることなので、やはりある程度打線が打たないとキツい。打線の中でも注目なのが、ともにドラフト2位で指名された五十幡と牧。五十幡はこの試合2安打で、牧もノーヒットながら1打席目のセンターフライ・3打席目のライトライナーなどはいい当たりであった。打率ランキングでは牧が2位、五十幡が7位と結果は出しているので、あとはまわりがもっと打てるといい。本来は3番打者として期待されていた森下は不調もあって、この試合ではついにスタメンから外し、代わりにスピードスターの齋藤を起用するも、出塁することかなわず、1番に昇格させた中川もイレギュラー絡みのヒットでの出塁のみという状態で、打線のコテ入れも機能していないようである。

森下に代わりスタメンに抜擢された中大の齋藤
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平内龍太 亜細亜大4年 投手
~巨人ドラ1に恥じない見事な投球~
巨人にドラフト1位で指名された平内が、7回無失点とその指名に恥じない、見事な投球をみせた。
神戸国際大付のときから146㌔をマークする奪三振率の高い本格派右腕として注目されていた平内。余談であるが、元ダイエーの投手で、現在はソフトバンクの球団統括本部を務める永井智浩を叔父に持つ。1年秋からベンチ入りを果たすと、3年春には市立神港戦で15奪三振完封勝利をマークするなど結果を残すと、3年夏は背番号1を獲得。準々決勝では吉高(日体大)、さらには来年から巨人でチームメイトとなる山崎(東海大→巨人ドラ2)の2枚看板を擁する明石商と対戦して、6回まで相手打線を無失点に抑えるも、7回に5点を失いチームは敗れた。
プロ志望届を提出するも指名はなく、亜細亜大に進学すると、1年秋は先発にリリーフに活躍し、防御率1.65の好成績をマーク。ただその後はケガの影響などもあり、なかなか安定した成績を残せずにいた。ラストシーズンとなったこの秋は、開幕戦でリリーフとして3年春以来のリーグ戦登板を果たすと、いきなり153㌔をマーク。翌週の駒澤大1回戦では先発として5回1失点で勝利をあげると、2回戦ではリリーフとして自己最速を更新する156㌔をマークして、スカウト陣の度肝を抜いた。これらの活躍とそのポテンシャルが評価され、ドラフト会議では佐藤の抽選を外した巨人が外れ1位として平内を(単独)指名した。ドラフト会議翌日には東洋大から1失点完投勝利をあげ、満を持してこの最終週の中央大戦に臨んでいた。
この試合の平内は、先発ということもあり、ストレートはMax149㌔止まりであった。ただそれでも重さのある球質のいいストレートは健在であり、コントロールもしっかりしていた。変化球は140㌔前半の2シーム、スライダーに加えて、有効であったのがストレートと球速差が40㌔あるカーブと、逆に球速差の少ない130㌔中盤~後半のSFF。これらの球を絡めて、緩急をつける投球ができており、女房役の古賀の2個の盗塁阻止もあって。5回までは中大に2塁すら踏ませない投球。6回にはイレギュラーな打球もあって、2死1・3塁と初めてピンチを招くも、3番内山をピッチャーゴロに打ち取ってピンチを切り抜けると、7回も3者凡退に斬ってとり、明らかに完封ペースであったものの、ここで降板。7回を投げて、4安打7奪三振無失点という素晴らしい内容で、青山にマウンドを託した。
翌日も先発が予想される平内。ケガ明けなので、巨人からしてみると心配でたまらないだろうが、神宮大会のない今年は、(優勝決定戦にもつれ込まない限り)翌日が平内にとって大学最後の公式戦となる。是非ともフル回転の活躍で、東都1部優勝+投手のタイトルを手土産に巨人に旅立ちたいところだ。

巨人ドラ1の名に恥じない7回無失点の好投をみせた亜大の平内
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