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日大三×日大豊山【秋季東京大会】

11/7 秋季東京大会準々決勝
日大三×日大豊山 @ダイワハウススタジアム八王子

試合経過

秋季東京大会の準々決勝の1試合目は、日大三×日大豊山という日大対決。日大三は宇山、日大豊山は玉井とともに背番号10ながら、ここまでチームの主力投手として先発を務めてきた2人の左腕の先発で始まった。

豊山の先発の玉井は、183㎝85㎏というがっちりとした体格のスリークウォーター左腕であり、ストレートはMax137㌔をマーク。これにスライダーを中心に、カーブや2シームなども混じえながら、強気な投球で日大三打線に挑んでいき、3回まで無得点に抑える素晴らしい立ち上がりをみせる。
20201107日大豊山 玉井
素晴らしい立ち上がりをみせた日大豊山の先発玉井

日大三の先発の宇山は、ストレートはMax133㌔であるが、コントロールがよく、また投げっぷりの良さが際立つ左腕。その投げっぷりがいいだけに、チェンジアップがより効果的であり、また宇山のチェンジアップは結構落ちるために、序盤は豊山打線が低めのワンバンになるようなチェンジアップを空振りする場面も目立ち、2回までに4奪三振パーフェクトとこちらも完璧な立ち上がりをみせる。

しかし3回裏、豊山は8番玉井がチーム初ヒットとなるセカンドへの内野安打を放つと、続く狩野のバントも内野安打となり無死1・2塁。これまでが快調すぎただけに宇山にも乱れが生じたのか、続く1番高橋啓には3B0Sとなってしまい、そこからストライクを取りに行くもライト前に運ばれて満塁。2番小川は低めのチェンジアップをしっかりと見送ることができていて、フルカウントに持ち込むと最後はストレートをレフト線に運ぶタイムリーを放ち、豊山が2点を先制する。
20201107日大豊山 小川
先制の2点タイムリーを放つ日大豊山の小川

ただこれに奮起したのが日大三打線で直後の4回表、玉井の制球がやや乱れ始めたこともあり、林のヒットと2四球で満塁のチャンスを作ると、7番鎌田が右中間に走者一掃のタイムリー3ベースを放って逆転。玉井はさらに続く安田にもストレートの四球を与えたところで降板し、2番手として荒木をマウンドに送る。ただ荒木も準備不足があってか、ピッチャーの宇山にも四球を与えてしまい、再び満塁となると、日大三は1番星がライト前に2点タイムリーを放ち、リードを5-1と広げる。
20201107日大三 星
追加点となる2点タイムリーを放つ日大三の星

日大三は5回表にも、1死川島がこの試合3個目の四球を選んで出塁すると、鎌田の死球とワイルドピッチで1死2・3塁のチャンスを作る。8番安田のショートゴロに対して。2・3塁ということもあって3塁ランナーの川島が勢いよくスタートを切ると、ショートからホームへ送球するもホームはセーフで(記録はフィルダースチョイス)、日大三がノーヒットで1点を追加する。

3回に2点をとられた後に宇山の投球は復調。中盤以降は三振のペースこそ落ちたものの、スライダーを多めに使い、豊山打線を打ち取っていき、4~7回をノーヒットに抑える。豊山は8回裏、豊山の中で唯一といっていいほど宇山にあっていた小川がまたもやレフト線に運んで2ベースで出塁し、飯島も四球を選んで1死1・2塁のチャンスを作るも、5番岸本は見逃し三振、6番井原もショートゴロに打ち取られ無得点。

豊山投手陣も6回以降は荒木も本来の投球を見せはじめ、Max139㌔のストレートに大きく曲がるスライダーを武器にした投球で6・7回と日大三打線を0封。代打が出た関係で8回からは背番号1のサイド右腕足立が登板して、2イニングを抑えて、日大三打線に追加点を与えない。ただ最終回の攻撃も宇山の前に、3者凡退に倒れてしまい、宇山は10奪三振2失点完投承知。日大三が6-2で日大対決を制して、ベスト4進出を決めた。
20201107日大三 宇山
10奪三振2失点完投勝利をあげた日大三の宇山


20201107日大三×日大豊山
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください


ここまで玉井→荒木→森と継投で勝ち上がってきた日大豊山だが、この試合ではその継投のタイミングが難しかった。先発の玉井は前回の創価戦よりはるかにいい投球であったが、4回に突如乱れ始めた。このとき豊山のブルペンで練習していたのは、森・足立というサイド気味の2人の右腕であった。その後に1番頼りになるリリーフである荒木が慌てて準備をはじめ、結局2番手でマウンドに上がったのも、前から練習していた森・足立でなく、荒木であった。ただ荒木は準備不足が響いたのか、日大三打線の流れを止められず、四球→連打でさらに2点を失ってしまった。そもそもピッチャーを代えるタイミングももう少し早ければ…というところもあった。荒木が早めに準備していれば、逆転される前に代えられただろうし、また万全の準備でマウンドに行ければ追加点を与えずに済んだ可能性はある。結果論といえば結果論であるが、継投ベースのチームだけに交代、さらには投球練習を開始するタイミングの難しさを感じた試合であった。
20201107日大豊山 荒木
日大豊山の投手陣で1番頼りになる荒木

日大三といえば、はやり強打のイメージであるが、前の小山台戦でも1得点のみであり、この試合でも得点を奪った4回を除けば、ほぼ無得点であるといえ、打線はまだ元気がない。それを象徴するかのように、4番でスタメン出場していた主将の山岡は、2打席目には3球三振を喫するなど当たりがなく、なんと5回の守備から交代。まだ秋ということもあるが、強打の日大三にはほど遠い状態である。宇山を中心に投手陣はしっかりしており、この試合でもノーエラーであったようにショート鎌田を中心に守備もしっかりしているので、この秋は守りを中心としたチームとして戦っていくことになりそうだ。
20201107日大三 山岡
次戦での活躍に期待したい日大三の4番山岡


Pickup Player
鎌田慎也 日大三2年 ショート
~逆転タイムリーに好守のショート~
打っては4回に走者一掃の逆転タイムリー、守ってもハイレベルな守備をみせた、ショート鎌田の活躍は大きかった。

志村ボーイズでは主将ショートとして活躍し、ボーイズ関東選抜にも選ばれた逸材は、日大三では1年秋から控えの内野手としてベンチ入り。2年秋からショートのレギュラーを獲得し、この試合でも7番ショートとしてスタメン出場を果たした。

まずバッティングでは0-2とビハインドの4回表、2死満塁で迎えた第2打席で、カウント2B2Sからのストレートを捉えると、打球は右中間を抜けて走者一掃の逆転タイムリー3ベース。7回の第4打席でもライト前ヒットを放つと2安打目をマークすると、第5打席でも1・2塁間を抜けようかという当たりを放つも、ファーストのファインプレーに阻まれた。1打席目のライトフライも含めて、この試合の鎌田の打球は全て右方向。非常にボールをおっつけて、逆方向にもっていくのがうまいバッターであった。結局この試合の鎌田は4打数2安打3打点という打撃成績であった。

守備での1番の見せ場は、8回無死2塁の場面で、豊山の代打三澤の放った打球は勢いのないライナー性の当たりで三遊間へ飛んだ。非常に嫌な打球であったが、これを難なく処理すると、ショートの深い位置であったが、そこからファーストへノビのあるストライク送球。正直際どいタイミングかと思ったが、持ち前の強肩で余裕でアウトにしてみせたのは驚いた。その一方、シートノックを見えていても目をひくように、鎌田のグラブ裁きには柔らかさがあり、まさに柔かさと力強さを兼ねそろえたハイレベルなショートである。

守備ではすでにチームの中心となっており、東京でも1位2位を争うレベルのショートではないかと思う。打撃に関してもこの試合では右方向へのうまい打撃が目立ったが、179㎝と身長はあるだけにまだまだ力強さが増す余地はあると思われ、今後の成長に期待したい。

20201107日大三 鎌田1

20201107日大三 鎌田2
逆転タイムリーを放つなど、攻守に素晴らしいプレーをみせた日大三のショート鎌田



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