二松学舎大付×早稲田実業【秋季東京大会】
11/7 秋季東京大会準々決勝
二松学舎大付×早稲田実業 @ダイワハウススタジアム八王子
試合経過
1回表、二松学舎は先頭の永見がライト前ヒットで出塁すると、2番栗島が送って1死2塁のチャンス。ここで迎えた3番瀬谷が初球をレフト前に運び、永見がホームインして、二松学舎があっさりと先制する。ただ早実も1回裏、國光がヒットで出塁して、2死1塁で注目の4番清宮を迎えるも四球で2死1・2塁。5番辻村は詰まりながらもショート頭上を越えるタイムリーを放ち、すぐに1-1に追いつく。
2回以降は早実の田和、二松学舎の秋山という名門で前チームからエース格の働きをみせており、東京を代表する2人の投手の投げ合いとなる。まず早実の田和は、腕が遅れてくるようなスリークウォーターのフォームから繰り出すストレートはMax141㌔をマークし、2シーム、得意のスライダー、さらにはチェンジアップを交えた投球。3回・5回などはピンチを迎えつつも、冷静に二松学舎打線を打ち取っていき、初回以降得点を与えない。

早稲田実業のエース田和
二松学舎付の秋山は、170㎝とどちらかというと小柄な左腕であるが、ストレートは力強くMax141㌔をマーク。先輩の大江(巨人で現在はサイドスローだが、二松学舎では左の本格派だった)を彷彿させる投手で、変化球はスライダーとチェンジアップを投げていた。ただこの試合の秋山は2回以降も毎回のようにランナーを背負う苦しい投球となってしまう。

二松学舎大付のエース秋山
すると早実は5回裏、1死から國光・壽田が連続四球を選んでチャンスを作ると、2死から5番辻村が初回のデジャヴのようにレフト前ヒット。三遊間を抜けた打球に対して、3塁コーチャーは腕を回したものの、正面の打球だったのでかなりタイミングは怪しかったが、レフト大石は送球に入るところボールをファンブルしてしまい、國光がホームインして、早実が勝ち越しに成功する。

この試合2本目のタイムリーを放った早稲田実業の5番辻村
田和・秋山の好投で、このまま早実が2-1でリードしたまま進み、次の1点がどちらに入るかが重要な展開かと思われたが、ここから怒涛の終盤をみせることとなる。二松学舎は8回表、先頭の瀬谷が内野安打で出塁すると、4番関にバントをさせてまで、1死2塁とチャンスを作ると、5番浅野がセンター前にタイムリーを放ち同点。さらに盗塁と櫻井のヒットで1死2・3塁とすると、7番途中出場の栗本のセーフティスクイズは、ホーム付近でランナーが動けなかったものの、1塁はセーフになるというレアな展開で1死満塁となる。すると8番鎌田がセンター前に弾き返して二松学舎が3-2と逆転に成功するも、2人の走者を早実のセンター石郷岡が刺して追加点は与えない。

8回に逆転となるタイムリーを放った二松学舎大付の鎌田
すると早実は8回裏、1死から太田が四球で出塁すると、続く8番横山の初球でエンドランを決行。センターの右中間よりのヒットとなると、この打球をセンター瀬谷が後逸していまい、太田が一気にホームインし同点。さらに続く9番田和は初球に見事セーフティスクイズを決めて、早実が4-3と再逆転に成功する。

見事にエンドランを決めた早稲田実業の横山
最終回を迎えて後がなくなった二松学舎であるが、1番永見がこの試合4本目となるヒットで出塁すると、さきほどの早実に対抗するかのごとく市原監督が仕掛ける。この試合バントを3個決めている2番栗島だったので、ここも当然バントかと思いきや、初球からなんとバスターを仕掛けると、これが的中して逆を突かれたセカンドの横を抜けるヒット。3番は瀬谷は今度こそとばかりにバントを決めると、これを処理した田和の送球が2バンとなってしまい、ベースカバーに入った國光がこれを弾く間に永見が一気にホームインして同点。この時点で無死2・3塁となったので、4番関は敬遠する手もあったが、この試合では関が当たっていなかったこともあり、早実バッテリーは勝負にいくも、関が見事に前進守備の1・2塁間を破るタイムリーを放ち、二松学舎が再々逆転。早実はここで田和に代えて、左腕の佐藤をマウンド送るも、二松学舎は1死から6番櫻井が犠牲フライを放ちリードを6-4と広げる。

9回に逆転となるタイムリーを放った二松学舎大付の4番で主将の関
それでも早実は9回裏、1死から3番壽田がエラーで出塁すると、迎えるのは4番清宮ということで当然のことながら長打を警戒して外野を下げた二松学舎だが、清宮の打球はライトの前に落ちるポテンヒット。さらに秋山は5番辻村の初球をぶつけてしまい、早実は1死満塁、長打が出れば一気にサヨナラという場面を迎える。ただ球数が160球を超えても、ストレートの威力は衰えなかった秋山は6番中村を浅いレフトフライに打ち取ると、最後は太田をファーストフライに打ち取りゲームセット。二松学舎の秋山は172球を投げて完投勝利で、二松学舎付が6-4で大激戦を制して、4強進出を決めた。

※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください
7回までは早実の田和、二松学舎大付の秋山による好投でロースコアとなった試合。7回までは早実が2-1とリードしており、また投球内容も田和の方が上であったが、最終的にはスタミナの差が出たようであった。田和は終盤は疲れたこともあってか、8・9回で9安打を打たれてしまい計5失点。対する秋山も8回は得点を奪われたものの、これはエラー絡みであり、8・9回で打たれたヒットは1本ずつのみ。最終回にもストレートは137㌔をマークするなど、勢いは衰えておらず、最終的には田和を大きく上回る172球を投げての完投勝利。秋山のスタミナがチームに勝利をもたらせたともいえる結果であった。
また二松学舎大付といえば強打のイメージが強いが、この試合ではスモールベースボールもうまく機能していた。この試合で決めた盗塁3個は全て得点に絡んでおり、3本ものバントヒットを放っている。特に2番栗島は1・2打席目は送りバントを決めて、3打席目にもバントヒットと見事にバントを決めていたにも関わらず、1点ビハインドの最終回無死1塁で今度はバスターでヒットを放ち、逆転において重要な役割を果たした。最終的に逆転した場面も、瀬谷のバントヒットに、相手の暴投が絡んだものであり、スモールベースボールが機能したことも大きな勝因であった。

3個のバントにバスターと二松学舎大付のスモールベースボールを牽引した栗島
早実はやはり兄(清宮幸太郎)と同じく、4番ファースト主将を務めた清宮福太郎に注目が集まっていた。右左こそ違えど、兄と同じく181㎝97㎏という立派な体格のスラッガーは構えにも雰囲気があり、この試合でも2四球と二松学舎バッテリーにも警戒されていた。ただ打撃ではボールを追ってしまったり、またタイミングの取り方などもまだまだで、兄ほどの柔らかさはない。それでも第3打席ではタイミングが合わずにほぼ当てただけで、強烈なセンターライナーを放っており、そのパワーは凄まじいものがある。素質からいっても十分に来年のドラフトで指名される選手であるが、現段階では上位指名とまではいきそうになるので、早稲田大進学が既定路線になるだろうか…。ただ来年の夏に確実性が増して、甲子園に出れるようなことがあれば、兄と同じくドラフト1位でプロ入りという可能性も秘めているバッターである。

早稲田実業の4番で主将の清宮
Pickup Player
永見恵多 二松学舎大付2年 セカンド
~攻撃の起点となった4安打のヒットメーカー~
二松学舎大付は1番永見が4安打を放ち、攻撃の起点となれていたことが大きかった。
永見は二松学舎大付では1年秋より1番セカンドとして活躍し、夏の独自大会でも2番セカンドを務めた。この秋も初戦の成立学園戦では2番セカンドで出場しノーヒットであったが、2回戦から1番を打つようになると、岩倉戦では2安打、佼成学園戦では3回には猛打賞をマークするなど3安打とヒットを量産していた。
この試合でも1番セカンドとして出場した永見は、いきなり第1打席でライト前ヒットを放ち、瀬谷のタイムリーで先制のホームを踏んだ。これで1番になってから3試合連続で、1打席目にヒットを放つという、素晴らしい核弾頭ぶりをみせている。2打席目にはセカンド内野安打、3打席目にはセンター前に弾き返して、この試合でも5回で猛打賞を達成。4打席目こそレフトフライに倒れるものの、逆転された直後の9回表の先頭打者として打席に立つと、センター前ヒットを放った。チームとしてはこれで再逆転への機運は高まったといえ、9回の逆転の起点として重要なヒットであった。結局この試合の永見は、5打数4安打2得点という活躍であった。
永見の特徴は右方向にうまくヒットが打てるところであり、この試合も4安打全てがセンターから右方向。167㎝と小柄な打者であるが、テクニックで流し打ちというようりは、しっかりとボールをひきつけて叩くことができてるので、右方向にも力のある打球が飛んでいる。これで今大会15打数9安打と絶好調のリードオフマンは、二松学舎大付が準決勝以降を勝ち進むのにも必須の存在であろう。

二松学舎大付のリードオフマンとして4安打の活躍をみせた永見
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二松学舎大付×早稲田実業 @ダイワハウススタジアム八王子
試合経過
1回表、二松学舎は先頭の永見がライト前ヒットで出塁すると、2番栗島が送って1死2塁のチャンス。ここで迎えた3番瀬谷が初球をレフト前に運び、永見がホームインして、二松学舎があっさりと先制する。ただ早実も1回裏、國光がヒットで出塁して、2死1塁で注目の4番清宮を迎えるも四球で2死1・2塁。5番辻村は詰まりながらもショート頭上を越えるタイムリーを放ち、すぐに1-1に追いつく。
2回以降は早実の田和、二松学舎の秋山という名門で前チームからエース格の働きをみせており、東京を代表する2人の投手の投げ合いとなる。まず早実の田和は、腕が遅れてくるようなスリークウォーターのフォームから繰り出すストレートはMax141㌔をマークし、2シーム、得意のスライダー、さらにはチェンジアップを交えた投球。3回・5回などはピンチを迎えつつも、冷静に二松学舎打線を打ち取っていき、初回以降得点を与えない。

早稲田実業のエース田和
二松学舎付の秋山は、170㎝とどちらかというと小柄な左腕であるが、ストレートは力強くMax141㌔をマーク。先輩の大江(巨人で現在はサイドスローだが、二松学舎では左の本格派だった)を彷彿させる投手で、変化球はスライダーとチェンジアップを投げていた。ただこの試合の秋山は2回以降も毎回のようにランナーを背負う苦しい投球となってしまう。

二松学舎大付のエース秋山
すると早実は5回裏、1死から國光・壽田が連続四球を選んでチャンスを作ると、2死から5番辻村が初回のデジャヴのようにレフト前ヒット。三遊間を抜けた打球に対して、3塁コーチャーは腕を回したものの、正面の打球だったのでかなりタイミングは怪しかったが、レフト大石は送球に入るところボールをファンブルしてしまい、國光がホームインして、早実が勝ち越しに成功する。

この試合2本目のタイムリーを放った早稲田実業の5番辻村
田和・秋山の好投で、このまま早実が2-1でリードしたまま進み、次の1点がどちらに入るかが重要な展開かと思われたが、ここから怒涛の終盤をみせることとなる。二松学舎は8回表、先頭の瀬谷が内野安打で出塁すると、4番関にバントをさせてまで、1死2塁とチャンスを作ると、5番浅野がセンター前にタイムリーを放ち同点。さらに盗塁と櫻井のヒットで1死2・3塁とすると、7番途中出場の栗本のセーフティスクイズは、ホーム付近でランナーが動けなかったものの、1塁はセーフになるというレアな展開で1死満塁となる。すると8番鎌田がセンター前に弾き返して二松学舎が3-2と逆転に成功するも、2人の走者を早実のセンター石郷岡が刺して追加点は与えない。

8回に逆転となるタイムリーを放った二松学舎大付の鎌田
すると早実は8回裏、1死から太田が四球で出塁すると、続く8番横山の初球でエンドランを決行。センターの右中間よりのヒットとなると、この打球をセンター瀬谷が後逸していまい、太田が一気にホームインし同点。さらに続く9番田和は初球に見事セーフティスクイズを決めて、早実が4-3と再逆転に成功する。

見事にエンドランを決めた早稲田実業の横山
最終回を迎えて後がなくなった二松学舎であるが、1番永見がこの試合4本目となるヒットで出塁すると、さきほどの早実に対抗するかのごとく市原監督が仕掛ける。この試合バントを3個決めている2番栗島だったので、ここも当然バントかと思いきや、初球からなんとバスターを仕掛けると、これが的中して逆を突かれたセカンドの横を抜けるヒット。3番は瀬谷は今度こそとばかりにバントを決めると、これを処理した田和の送球が2バンとなってしまい、ベースカバーに入った國光がこれを弾く間に永見が一気にホームインして同点。この時点で無死2・3塁となったので、4番関は敬遠する手もあったが、この試合では関が当たっていなかったこともあり、早実バッテリーは勝負にいくも、関が見事に前進守備の1・2塁間を破るタイムリーを放ち、二松学舎が再々逆転。早実はここで田和に代えて、左腕の佐藤をマウンド送るも、二松学舎は1死から6番櫻井が犠牲フライを放ちリードを6-4と広げる。

9回に逆転となるタイムリーを放った二松学舎大付の4番で主将の関
それでも早実は9回裏、1死から3番壽田がエラーで出塁すると、迎えるのは4番清宮ということで当然のことながら長打を警戒して外野を下げた二松学舎だが、清宮の打球はライトの前に落ちるポテンヒット。さらに秋山は5番辻村の初球をぶつけてしまい、早実は1死満塁、長打が出れば一気にサヨナラという場面を迎える。ただ球数が160球を超えても、ストレートの威力は衰えなかった秋山は6番中村を浅いレフトフライに打ち取ると、最後は太田をファーストフライに打ち取りゲームセット。二松学舎の秋山は172球を投げて完投勝利で、二松学舎付が6-4で大激戦を制して、4強進出を決めた。

※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください
7回までは早実の田和、二松学舎大付の秋山による好投でロースコアとなった試合。7回までは早実が2-1とリードしており、また投球内容も田和の方が上であったが、最終的にはスタミナの差が出たようであった。田和は終盤は疲れたこともあってか、8・9回で9安打を打たれてしまい計5失点。対する秋山も8回は得点を奪われたものの、これはエラー絡みであり、8・9回で打たれたヒットは1本ずつのみ。最終回にもストレートは137㌔をマークするなど、勢いは衰えておらず、最終的には田和を大きく上回る172球を投げての完投勝利。秋山のスタミナがチームに勝利をもたらせたともいえる結果であった。
また二松学舎大付といえば強打のイメージが強いが、この試合ではスモールベースボールもうまく機能していた。この試合で決めた盗塁3個は全て得点に絡んでおり、3本ものバントヒットを放っている。特に2番栗島は1・2打席目は送りバントを決めて、3打席目にもバントヒットと見事にバントを決めていたにも関わらず、1点ビハインドの最終回無死1塁で今度はバスターでヒットを放ち、逆転において重要な役割を果たした。最終的に逆転した場面も、瀬谷のバントヒットに、相手の暴投が絡んだものであり、スモールベースボールが機能したことも大きな勝因であった。

3個のバントにバスターと二松学舎大付のスモールベースボールを牽引した栗島
早実はやはり兄(清宮幸太郎)と同じく、4番ファースト主将を務めた清宮福太郎に注目が集まっていた。右左こそ違えど、兄と同じく181㎝97㎏という立派な体格のスラッガーは構えにも雰囲気があり、この試合でも2四球と二松学舎バッテリーにも警戒されていた。ただ打撃ではボールを追ってしまったり、またタイミングの取り方などもまだまだで、兄ほどの柔らかさはない。それでも第3打席ではタイミングが合わずにほぼ当てただけで、強烈なセンターライナーを放っており、そのパワーは凄まじいものがある。素質からいっても十分に来年のドラフトで指名される選手であるが、現段階では上位指名とまではいきそうになるので、早稲田大進学が既定路線になるだろうか…。ただ来年の夏に確実性が増して、甲子園に出れるようなことがあれば、兄と同じくドラフト1位でプロ入りという可能性も秘めているバッターである。

早稲田実業の4番で主将の清宮
Pickup Player
永見恵多 二松学舎大付2年 セカンド
~攻撃の起点となった4安打のヒットメーカー~
二松学舎大付は1番永見が4安打を放ち、攻撃の起点となれていたことが大きかった。
永見は二松学舎大付では1年秋より1番セカンドとして活躍し、夏の独自大会でも2番セカンドを務めた。この秋も初戦の成立学園戦では2番セカンドで出場しノーヒットであったが、2回戦から1番を打つようになると、岩倉戦では2安打、佼成学園戦では3回には猛打賞をマークするなど3安打とヒットを量産していた。
この試合でも1番セカンドとして出場した永見は、いきなり第1打席でライト前ヒットを放ち、瀬谷のタイムリーで先制のホームを踏んだ。これで1番になってから3試合連続で、1打席目にヒットを放つという、素晴らしい核弾頭ぶりをみせている。2打席目にはセカンド内野安打、3打席目にはセンター前に弾き返して、この試合でも5回で猛打賞を達成。4打席目こそレフトフライに倒れるものの、逆転された直後の9回表の先頭打者として打席に立つと、センター前ヒットを放った。チームとしてはこれで再逆転への機運は高まったといえ、9回の逆転の起点として重要なヒットであった。結局この試合の永見は、5打数4安打2得点という活躍であった。
永見の特徴は右方向にうまくヒットが打てるところであり、この試合も4安打全てがセンターから右方向。167㎝と小柄な打者であるが、テクニックで流し打ちというようりは、しっかりとボールをひきつけて叩くことができてるので、右方向にも力のある打球が飛んでいる。これで今大会15打数9安打と絶好調のリードオフマンは、二松学舎大付が準決勝以降を勝ち進むのにも必須の存在であろう。

二松学舎大付のリードオフマンとして4安打の活躍をみせた永見
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