三菱重工広島×日本製鉄鹿島【都市対抗】
11/25 都市対抗野球大会1回戦
三菱重工広島×日本製鉄鹿島 @東京ドーム
試合経過
1回表、三菱重工広島は1番市原がショートへの内野安打で出塁すると、盗塁を決め、3番実政のセカンドゴロの間に進塁して、2死3塁で4番松永を迎える。すると松永は、日本製鉄鹿島の先発飯田のインコースのフォークをレフト線に持っていき、これがタイムリー2ベースとなり三菱重工広島が先制。さらに5番松原も同じように、レフト線にタイムリー2ベースを放ち2点目をあげる。
三菱重工広島は3回表にも、同じように先頭の市原が三遊間を破るヒットで出塁すると、2番田中が送って、3番実政のセカンドゴロの間に進塁と、初回のデジャヴのようなに2死3塁で4番松永を迎える。松永は今度はサード強襲のタイムリーを放ち、三菱重工広島が3-0とリードを広げ、日本製鉄鹿島の飯田は次の松原に死球を与えたところで降板となってしまう。

1回・3回ともに得点の起点となった三菱重工広島の1番市原
日本製鉄鹿島の反撃は3回裏、1死から1番池間が内野安打で出塁すると、この試合前に10年表彰を受けた2番堀越が右中間に2ベースを放ち2・3塁のチャンスを作る。4番高畠は初球を打ちにいくと、つまりながらもうまくライト前に運び、池間・堀越が生還して1点差に迫る。さらに4回裏には、この回先頭の7番生田目が左中間スタンドにソロホームランを放ち、日本製鉄鹿島が3-3の同点に追いつく。

同点ホームランを放った日本製鉄鹿島のルーキー生田目
日本製鉄鹿島は3回に飯田が降板した後を、東洋大の先輩である能間が登板していた。3回のピンチを凌ぎ、4回も無得点に抑えた能間であったが、5回表に三菱重工広島打線が奮起する。三菱重工広島はまず先頭の2番田中がセーフティバントを決めて出塁すると、3番実松のショート強襲ヒットで1・3塁とし、4番松永が3打席連続となるタイムリーを放ち勝ち越し。5番松原が送って2・3塁とすると。6番岡の打球は前進守備のセカンドの頭上を越えるタイムリー、7番櫻井は1塁線に絶妙なセーフティスクイズを決めると、8番青木の打球もサードの頭上を越えてレフト前に落ちて、この回計4点を奪って、今後は能間をマウンドから引きずり降ろす。
三菱重工広島の先発は、シティライトからの補強選手であり、ヤクルトにも所属していた左腕の児山。児山は腕の出どころがみづらく、また常時クイック気味の早いモーションで投げてくるためにタイミングが取りづらい。ストレートはMax141㌔であったが、スライダー・チェンジアップに加えて、91㌔という超スローカーブなどで緩急をつけたピッチングをみせた。2階以降はランナーを出しながらも、5回3失点と先発として最低限の役割を果たした。

三菱重工広島の先発を務めた児山
三菱重工広島は6回から2番手として、サイド右腕の長島が登板。ただ長島に対して、日本製鉄鹿島打線は7回裏、先頭の池間が3塁戦を破る2ベースを放つと、3番林の打球をファースト松永がエラーしてまいまず1点。さらに4番高畠は、高めのボールを左中間スタンドに運ぶ2ランを放ち、日本製鉄鹿島が6ー7と1点差に迫る。

1点差に迫る2ランホームランを放った日本製鉄鹿島の4番高畠
1点差に迫られた三菱重工広島は、8回からチームの象徴的存在である右腕の鮫島を投入。日本製鉄鹿島は先頭の坂口が詰まりながらもセンター前に運び、そこから2死3塁のチャンスを作るも、最後は鮫島が得意のフォークで堀越を三振に仕留め無得点。最終回も鮫島が3人で締めて、三菱重工広島が7ー6で勝利した。

勝利をおさめた鮫島ー佐々木の三菱重工広島バッテリー

※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください
三菱重工広島は来年からは三菱重工神戸高砂に合併される形となり、これが三菱重工広島として参加する大会は最後になり、敗ける=三菱重工広島としての活動が終わることになる。そんな中で奮起したのは、チームにより愛着があるだろうベテラン選手立ちであった。1番~5番の上位打線は、1番若いのが29歳の市原というさらに高齢な布陣であったが、4安打3打点の4番松永をはじめとして、チーム7得点のうち、打点は5、得点は6とこのベテラン勢がほぼ全ての得点をあげている。また投手でもコーチ兼任の鮫島の奮闘が光った。長年完投型のエースとしてチームを支えてきた右腕は、今年はクローザーを務めており、先発のときのクールに投げ続けるイメージと違って、気迫十分の投球で試合を締めた。三菱重工広島の選手たちは来年から引退するか、神戸高砂に合流するかの選択を迫られることになる。ただベテラン選手でいえば実力があっても、これを引退の機会とする選手も少なくないはずであり、チームとしてだけでなく個人としても最後の都市対抗として覚悟を決めている選手もいるのかもしれない。

今大会ではクローザーを務める三菱重工広島の鮫島
日本製鉄鹿島は昨年で投手陣の柱であった元阪神の玉置が勇退し、今年は飯田・能間・伊藤の3本柱として大会に臨んでいたが、この3人がともに結果を出せずに7失点してしまったのが痛かった。北関東予選ではSUBARUから2度も完投勝利をあげてチームを本戦出場に導いた飯田を先発として送り出したものの3回途中で降板。飯田の後を受け継いだのは、東洋大の先輩であり、東洋大ではエース兼主将を務めたもののドラフト指名漏れで日本製鉄鹿島に入社したという共通点の多い能間であったが、能間も同点に追いつけてもらったにもかかわらず、5回には4点の勝ち越しを許した。3番手の伊藤はMax149㌔をマークするなど全盛期のストレートに近いものは見えたものの、2回1/3で6安打を浴びてしまい、正直無失点であったのは運が良かったという内容。結局最後は昨年と同じく補強の角田に頼ることとなり、角田が2回ノーヒット無失点という素晴らしい投球をみせた。エースの確立というのは、日本製鉄鹿島の来年に向けての課題となる。

日本製鉄鹿島の先発飯田、来年はエースになることが期待される
Pickup Player
松永弘樹 三菱重工広島 ファースト
~3打席連続タイムリーの4番打者~
3打席連続タイムリーヒットを放った、三菱重工広島の4番松永の活躍は大きかった。
松永は広陵高時代から高い守備力をはじめとして走攻守揃った内野手として注目されており、中井監督も「上本を超える」とコメントしたほどの選手であった。同期のエース吉川(来年から西武に移籍)がおり、1個下には野村(広島)・小林(巨人)ら翌年に甲子園準優勝を果たす世代がいたチームでは、1番ショートとして活躍したものの、甲子園出場はならなかった。早稲田大に進学すると、2年春よりショートのレギュラーを掴み、3年秋にはベストナインを獲得。早稲田大の同期には、齋藤(日本ハム)・大石(西武コーチ)・福井(楽天)のドラ1トリオがおり、4年秋には明治神宮大会を制覇している。
三菱重工広島ではショートの他にもセカンドやサードなどもマルチにこなし、今回が都市対抗7度目の出場(補強選手としての出場も含む)。上述の通り1・2番ショートというタイプの選手であった松永だが、社会人も10年目を迎え、円熟味を増してきており、今年の松永のポジションは4番ファースト。中国予選では打率.095の不振に陥ったものの、元広島の町田監督はこの本戦でも松永を4番ファーストで起用した。
迎えた第1打席は初回の2死3塁というゲームの流れを左右する場面であり、松永はカウント1B2Sと追い込まれてしまうも、4球目のインコースのフォークをレフト線にもっていく先制タイムリーを放った。このヒットで、松永は(投手よりに)前に1歩出ながらスイングという、高い技術と見事な読みの成果ともいえる一打であった。同じく2死3塁で迎えた3回の第2打席では、今度はストレートを強振して、サードを強襲するタイムリーヒット。無死1・3塁の3打席目では、センター前にうまく運んで3打席連続でタイムリーヒットをマーク。ランナー無しで迎えた4打席目では、1塁線に絶妙なセーフティバントを決めるなど、まだまだ走力もあるところも見せつけた。結局この試合で松永は5打数4安打3打点という活躍で、4番打者として決してパワーのある選手ではないものの、その勝負強さでチームの勝利の立役者となった。
実は松永は、今季限りで引退を決めており、三菱重工広島というチームとともにこれが最後の都市対抗。この大会に懸ける思いは人一倍であるだろうし、そんな思いがこの試合の結果にも乗り移ったのだと思う。是非とも都市対抗で勝ち上がり、少しでも長くプレーする姿を見たいところである。

三菱重工広島の4番打者として4安打3打点の活躍をみせた松永
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三菱重工広島×日本製鉄鹿島 @東京ドーム
試合経過
1回表、三菱重工広島は1番市原がショートへの内野安打で出塁すると、盗塁を決め、3番実政のセカンドゴロの間に進塁して、2死3塁で4番松永を迎える。すると松永は、日本製鉄鹿島の先発飯田のインコースのフォークをレフト線に持っていき、これがタイムリー2ベースとなり三菱重工広島が先制。さらに5番松原も同じように、レフト線にタイムリー2ベースを放ち2点目をあげる。
三菱重工広島は3回表にも、同じように先頭の市原が三遊間を破るヒットで出塁すると、2番田中が送って、3番実政のセカンドゴロの間に進塁と、初回のデジャヴのようなに2死3塁で4番松永を迎える。松永は今度はサード強襲のタイムリーを放ち、三菱重工広島が3-0とリードを広げ、日本製鉄鹿島の飯田は次の松原に死球を与えたところで降板となってしまう。

1回・3回ともに得点の起点となった三菱重工広島の1番市原
日本製鉄鹿島の反撃は3回裏、1死から1番池間が内野安打で出塁すると、この試合前に10年表彰を受けた2番堀越が右中間に2ベースを放ち2・3塁のチャンスを作る。4番高畠は初球を打ちにいくと、つまりながらもうまくライト前に運び、池間・堀越が生還して1点差に迫る。さらに4回裏には、この回先頭の7番生田目が左中間スタンドにソロホームランを放ち、日本製鉄鹿島が3-3の同点に追いつく。

同点ホームランを放った日本製鉄鹿島のルーキー生田目
日本製鉄鹿島は3回に飯田が降板した後を、東洋大の先輩である能間が登板していた。3回のピンチを凌ぎ、4回も無得点に抑えた能間であったが、5回表に三菱重工広島打線が奮起する。三菱重工広島はまず先頭の2番田中がセーフティバントを決めて出塁すると、3番実松のショート強襲ヒットで1・3塁とし、4番松永が3打席連続となるタイムリーを放ち勝ち越し。5番松原が送って2・3塁とすると。6番岡の打球は前進守備のセカンドの頭上を越えるタイムリー、7番櫻井は1塁線に絶妙なセーフティスクイズを決めると、8番青木の打球もサードの頭上を越えてレフト前に落ちて、この回計4点を奪って、今後は能間をマウンドから引きずり降ろす。
三菱重工広島の先発は、シティライトからの補強選手であり、ヤクルトにも所属していた左腕の児山。児山は腕の出どころがみづらく、また常時クイック気味の早いモーションで投げてくるためにタイミングが取りづらい。ストレートはMax141㌔であったが、スライダー・チェンジアップに加えて、91㌔という超スローカーブなどで緩急をつけたピッチングをみせた。2階以降はランナーを出しながらも、5回3失点と先発として最低限の役割を果たした。

三菱重工広島の先発を務めた児山
三菱重工広島は6回から2番手として、サイド右腕の長島が登板。ただ長島に対して、日本製鉄鹿島打線は7回裏、先頭の池間が3塁戦を破る2ベースを放つと、3番林の打球をファースト松永がエラーしてまいまず1点。さらに4番高畠は、高めのボールを左中間スタンドに運ぶ2ランを放ち、日本製鉄鹿島が6ー7と1点差に迫る。

1点差に迫る2ランホームランを放った日本製鉄鹿島の4番高畠
1点差に迫られた三菱重工広島は、8回からチームの象徴的存在である右腕の鮫島を投入。日本製鉄鹿島は先頭の坂口が詰まりながらもセンター前に運び、そこから2死3塁のチャンスを作るも、最後は鮫島が得意のフォークで堀越を三振に仕留め無得点。最終回も鮫島が3人で締めて、三菱重工広島が7ー6で勝利した。

勝利をおさめた鮫島ー佐々木の三菱重工広島バッテリー

※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください
三菱重工広島は来年からは三菱重工神戸高砂に合併される形となり、これが三菱重工広島として参加する大会は最後になり、敗ける=三菱重工広島としての活動が終わることになる。そんな中で奮起したのは、チームにより愛着があるだろうベテラン選手立ちであった。1番~5番の上位打線は、1番若いのが29歳の市原というさらに高齢な布陣であったが、4安打3打点の4番松永をはじめとして、チーム7得点のうち、打点は5、得点は6とこのベテラン勢がほぼ全ての得点をあげている。また投手でもコーチ兼任の鮫島の奮闘が光った。長年完投型のエースとしてチームを支えてきた右腕は、今年はクローザーを務めており、先発のときのクールに投げ続けるイメージと違って、気迫十分の投球で試合を締めた。三菱重工広島の選手たちは来年から引退するか、神戸高砂に合流するかの選択を迫られることになる。ただベテラン選手でいえば実力があっても、これを引退の機会とする選手も少なくないはずであり、チームとしてだけでなく個人としても最後の都市対抗として覚悟を決めている選手もいるのかもしれない。

今大会ではクローザーを務める三菱重工広島の鮫島
日本製鉄鹿島は昨年で投手陣の柱であった元阪神の玉置が勇退し、今年は飯田・能間・伊藤の3本柱として大会に臨んでいたが、この3人がともに結果を出せずに7失点してしまったのが痛かった。北関東予選ではSUBARUから2度も完投勝利をあげてチームを本戦出場に導いた飯田を先発として送り出したものの3回途中で降板。飯田の後を受け継いだのは、東洋大の先輩であり、東洋大ではエース兼主将を務めたもののドラフト指名漏れで日本製鉄鹿島に入社したという共通点の多い能間であったが、能間も同点に追いつけてもらったにもかかわらず、5回には4点の勝ち越しを許した。3番手の伊藤はMax149㌔をマークするなど全盛期のストレートに近いものは見えたものの、2回1/3で6安打を浴びてしまい、正直無失点であったのは運が良かったという内容。結局最後は昨年と同じく補強の角田に頼ることとなり、角田が2回ノーヒット無失点という素晴らしい投球をみせた。エースの確立というのは、日本製鉄鹿島の来年に向けての課題となる。

日本製鉄鹿島の先発飯田、来年はエースになることが期待される
Pickup Player
松永弘樹 三菱重工広島 ファースト
~3打席連続タイムリーの4番打者~
3打席連続タイムリーヒットを放った、三菱重工広島の4番松永の活躍は大きかった。
松永は広陵高時代から高い守備力をはじめとして走攻守揃った内野手として注目されており、中井監督も「上本を超える」とコメントしたほどの選手であった。同期のエース吉川(来年から西武に移籍)がおり、1個下には野村(広島)・小林(巨人)ら翌年に甲子園準優勝を果たす世代がいたチームでは、1番ショートとして活躍したものの、甲子園出場はならなかった。早稲田大に進学すると、2年春よりショートのレギュラーを掴み、3年秋にはベストナインを獲得。早稲田大の同期には、齋藤(日本ハム)・大石(西武コーチ)・福井(楽天)のドラ1トリオがおり、4年秋には明治神宮大会を制覇している。
三菱重工広島ではショートの他にもセカンドやサードなどもマルチにこなし、今回が都市対抗7度目の出場(補強選手としての出場も含む)。上述の通り1・2番ショートというタイプの選手であった松永だが、社会人も10年目を迎え、円熟味を増してきており、今年の松永のポジションは4番ファースト。中国予選では打率.095の不振に陥ったものの、元広島の町田監督はこの本戦でも松永を4番ファーストで起用した。
迎えた第1打席は初回の2死3塁というゲームの流れを左右する場面であり、松永はカウント1B2Sと追い込まれてしまうも、4球目のインコースのフォークをレフト線にもっていく先制タイムリーを放った。このヒットで、松永は(投手よりに)前に1歩出ながらスイングという、高い技術と見事な読みの成果ともいえる一打であった。同じく2死3塁で迎えた3回の第2打席では、今度はストレートを強振して、サードを強襲するタイムリーヒット。無死1・3塁の3打席目では、センター前にうまく運んで3打席連続でタイムリーヒットをマーク。ランナー無しで迎えた4打席目では、1塁線に絶妙なセーフティバントを決めるなど、まだまだ走力もあるところも見せつけた。結局この試合で松永は5打数4安打3打点という活躍で、4番打者として決してパワーのある選手ではないものの、その勝負強さでチームの勝利の立役者となった。
実は松永は、今季限りで引退を決めており、三菱重工広島というチームとともにこれが最後の都市対抗。この大会に懸ける思いは人一倍であるだろうし、そんな思いがこの試合の結果にも乗り移ったのだと思う。是非とも都市対抗で勝ち上がり、少しでも長くプレーする姿を見たいところである。

三菱重工広島の4番打者として4安打3打点の活躍をみせた松永
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