国学院大×日本製鉄鹿島【オープン戦】
2/27 オープン戦
国学院大×日本製鉄鹿島 @日本製鉄鹿島野球場
試合経過
国学院大の先発は今年はエース格として期待したい左腕の楠茂。楠茂は非常に低めを意識した投球を心掛けているようだが、その低めのボールがワンバンになってしまうケースなども多く、2個の四球と内野安打で満塁のピンチを背負ってしまうと、鹿島は5番山口駿のサードゴロの間に1点を先制する。

国学院大の先発楠茂
鹿島は2回裏にも1死から9番柳内が積極的なバッティングをみせ、左中間に上がった打球は、プロを意識してか今年からはセンターを守る瀬戸がダイビングキャッチを試みるも、ボールはこぼれてしまい3ベース。続く1番藤本は2球目のストレートを捉えるとセンターへの2ランホームラン。国学院大出身の藤本の一振りで、鹿島がリーグを3点に広げた。

後輩たちの前で2ランを放った日本製鉄鹿島の藤本
鹿島の先発の若山に対して国学院大は2回表に、4番瀬戸・6番福永と今年のドラフト候補にも挙げられる2人のヒットで1死1・3塁とチャンスを作るものの、7番山崎の当たりはセカンドライナー、さらにスタートを切っていた1塁ランナー福永も戻れず、ツキもなくチャンスをつぶしてしまう。若山はこちらもアンダーハンドから低めを丁寧につく投球をみせ、これ以外はピンチすら招くことなく、国学院大打線を4回無失点に抑え、先発の役割を果たした。

先発して4回無失点の好投をみせた日本製鉄鹿島の若山
鹿島の5回のマウンドに上がったのは、昨年まで国学院大でプレーをしていた、ルーキー左腕の諸見里。昨年までのチームメイトであり後輩の前に立ちはだかりたいところであったが、先頭の5番逢坂がライト前ヒットで出塁して盗塁を決めると、1死から7番山崎がレフトフェンス直撃のタイムリーを放ち初得点。さらに紅白戦などで対戦回数が多く諸見里を知り尽くしていたからだろうか…8番青木・9番鳥居も諸見里の球を捉えるものの、ショートライナー・ピッチャーライナーと野手の正面をついてしまい、この回は1点止まりとなる。

レフトフェンス直撃のタイムリーを放った国学院大の山崎
国学院大は6回から3番手として北山をマウンドに送るも、鹿島は先頭の原田が四球で出塁し、続く代打のルーキー市岡は俊足でファーストゴロを内野安打とし、さらに途中からマスクを被るルーキー揚村もライト前にヒットを放ち満塁とする。1死となってから1番藤本は冷静に四球を選んで押し出しとなると、2番山田のショートゴロはショートからホームへの送球がショートバウンドとなってしまい、これを福永はキャッチできず…鹿島が2点を追加して5-1とリードを広げる。
鹿島は7回から4番手として葛谷が登板。葛谷はいい感じに力の抜けたフォームから、キレのあるストレートに加えて、スライダーが打者の手元でしっかりと曲がるなかかかのボールであった。葛谷に対して国学院大は8回に代打西村が3ベースを放ち無死3塁チャンスを作るも、後続が続かずに得点を奪えないと、最終回も3人で抑えられてしまいゲームセット。日本製鉄鹿島が5-1で国学院大に勝利し、社会人チームの意地をみせた。

7回から3イニング無失点の好リリーフをみせた日本製鉄鹿島の葛谷

※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください
日本製鉄鹿島は相手が大学生ということもあり、2日前の明治安田生命戦(観戦記)とは変わって、控えメンバー中心で臨んだ。それに加えて、主力メンバーでも国学院大出身の藤本・諸見里・山口和の3人は母校への顔見世の意味も込めて、この試合に出場していた。ルーキーの諸見里、山口和はともに2日前の試合から連投となったために1イニング限定であったが5・6回にそれぞれ登板。諸見里は1点を失ったものの、山口和は1イニングをわずか9球で抑えてみせた。そして1番存在感を発揮したのが、藤本であり2回には2ランホームラン、6回には押し出しの四球を選ぶなど3打点の活躍で、母校に対して元気な姿を見せていた。

昨年まで所属していた国学院大相手にマウンドに上がった日本製鉄鹿島のルーキー諸見里
敗れてしまった国学院大だが、投手が10四球を与えてしまったのが痛かった。この日は風が強く投げづらい環境ではあったものの、登板した4投手全員が最初のイニングでは四球を2個以上与え、藤本の2ラン以外の失点は全て個の四球絡みとなっている。昨年は上出(NTT東日本)・諸見里(日本製鉄鹿島)の4年生2人が中心となっており、下級生にはリーグ戦経験者が少ないという事情もあり、投手陣はチームの課題とされているが、それがこの試合でも顕著になってしまった形だ。ただ昨年も同じように投手陣は課題と思ったが、上出が4年生になってエースとして1人立ちをした経緯もあるし、毎年なんだかんだいっていい投手が出てくるのが国学院大である。まだオープン戦も始まったばかりで2月なので、ここから投手陣の柱となる選手が出てくることに期待したい。
また国学院大は、昨年の甲子園特別試合で対戦した2人の楽しみな1年生も終盤に出場を果たした。1人目は大阪桐蔭のショートを務めていた伊東で、8回裏のチャンスに代打で出場するも死球となってしまい、そのままショートの守備位置についた。ショートに関しては昨年まではずっと小川(ロッテ)が務めていて、レギュラーもまだ決まっていない状態なので、いきなり伊東がその座を射止める可能性もあるだろう。もう1人が最終回にマスクを被った神里。DeNAの神里和毅を兄に持ち、昨年は東海相模の正捕手として活躍。キャッチ―に関しては今年は主将で大黒柱の福永がいるものの、来年以降は未知数であり、そこも見据えて経験を積ませているのだろう。

途中からショートに入った国学院大のルーキー伊東
Pickup Player
山口和哉 日本製鉄鹿島 投手
~移籍してきたリリーフエースが後輩の前で好リリーフ~
6回にマウンドに上がった、国学院大出身の山口和は、1イニングをわずか9球で抑えてみせた。
山口は済美高では、気迫のこもった130㌔後半のストレートを投げ込む右腕として活躍。2年春には同学年のエース安楽(楽天)がほぼ1人で投げ抜いてセンバツ準Vを達成し、山口は決勝戦での1イニングのみの登板であった。ちなみにこの大会で安楽は1人で772球を投げたことで問題となり、2018年には済美のエースとなった弟の山口直哉(京産大)が延長13回184球を投げ抜いて問題となるなど、本人は関係はないが球数問題には関係の深い選手である。上記の影響か2年夏以降は安楽もケガの影響などもあり、山口も登板機会が増え、2年秋からは打力を生かして外野でスタメンで出つつも投手も兼任しながら活躍した。
国学院大に進学すると、同期にはエース清水(ヤクルト)がおり、山口は主にリリーフの中心として活躍。4年秋には3勝をあげるなどして、チームを支えた。その後は日本製鉄東海REXでもリリーフエースとして活躍し、1年目からJR東海の補強選手に選ばれ、都市対抗に出場。3年目を迎える今年は、同じ日本製鉄グループの日本製鉄鹿島に移籍してきた。
この試合では6回に3番手としてマウンドに上がった山口和。山口和のストレートはスピードでいえば140㌔前半~中盤といったところであるが、コントロールもよく、また強気に攻める投球が持ち味である。変割球はスライダー、カーブ、SFF(?)とあるが、この試合では相手が母校だったということもあるのか、ほとんどがストレートであった。6回の国学院大は1番から始まる好打順であったが、天野をセンターフライ→加藤はファーストゴロ→山本だいはピッチャーゴロとわずか9球でこの3人を抑えてマウンドを降りた。
日本製鉄鹿島のオープン戦を見るのはこれが今年3回目であり、過去の2回はいずれも9回のマウンドに上がっていた山口和。ボールの力以上に気迫がこもっていて、打たれる気のしない強気な投球でリリーフ向きの投手であり、日本製鉄鹿島でもこれまで同様にリリーフ、さらには抑えという立場のようである。日本製鉄鹿島は伊藤・飯田・能間という3本柱はいるものの、どちかというとリリーフは手薄だったので、山口和の加入は最適な補強であったといえる選手であろう。

6回1イニングを9球で無失点に抑えた国学院大出身の日本製鉄鹿島リリーフ山口和
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国学院大×日本製鉄鹿島 @日本製鉄鹿島野球場
試合経過
国学院大の先発は今年はエース格として期待したい左腕の楠茂。楠茂は非常に低めを意識した投球を心掛けているようだが、その低めのボールがワンバンになってしまうケースなども多く、2個の四球と内野安打で満塁のピンチを背負ってしまうと、鹿島は5番山口駿のサードゴロの間に1点を先制する。

国学院大の先発楠茂
鹿島は2回裏にも1死から9番柳内が積極的なバッティングをみせ、左中間に上がった打球は、プロを意識してか今年からはセンターを守る瀬戸がダイビングキャッチを試みるも、ボールはこぼれてしまい3ベース。続く1番藤本は2球目のストレートを捉えるとセンターへの2ランホームラン。国学院大出身の藤本の一振りで、鹿島がリーグを3点に広げた。

後輩たちの前で2ランを放った日本製鉄鹿島の藤本
鹿島の先発の若山に対して国学院大は2回表に、4番瀬戸・6番福永と今年のドラフト候補にも挙げられる2人のヒットで1死1・3塁とチャンスを作るものの、7番山崎の当たりはセカンドライナー、さらにスタートを切っていた1塁ランナー福永も戻れず、ツキもなくチャンスをつぶしてしまう。若山はこちらもアンダーハンドから低めを丁寧につく投球をみせ、これ以外はピンチすら招くことなく、国学院大打線を4回無失点に抑え、先発の役割を果たした。

先発して4回無失点の好投をみせた日本製鉄鹿島の若山
鹿島の5回のマウンドに上がったのは、昨年まで国学院大でプレーをしていた、ルーキー左腕の諸見里。昨年までのチームメイトであり後輩の前に立ちはだかりたいところであったが、先頭の5番逢坂がライト前ヒットで出塁して盗塁を決めると、1死から7番山崎がレフトフェンス直撃のタイムリーを放ち初得点。さらに紅白戦などで対戦回数が多く諸見里を知り尽くしていたからだろうか…8番青木・9番鳥居も諸見里の球を捉えるものの、ショートライナー・ピッチャーライナーと野手の正面をついてしまい、この回は1点止まりとなる。

レフトフェンス直撃のタイムリーを放った国学院大の山崎
国学院大は6回から3番手として北山をマウンドに送るも、鹿島は先頭の原田が四球で出塁し、続く代打のルーキー市岡は俊足でファーストゴロを内野安打とし、さらに途中からマスクを被るルーキー揚村もライト前にヒットを放ち満塁とする。1死となってから1番藤本は冷静に四球を選んで押し出しとなると、2番山田のショートゴロはショートからホームへの送球がショートバウンドとなってしまい、これを福永はキャッチできず…鹿島が2点を追加して5-1とリードを広げる。
鹿島は7回から4番手として葛谷が登板。葛谷はいい感じに力の抜けたフォームから、キレのあるストレートに加えて、スライダーが打者の手元でしっかりと曲がるなかかかのボールであった。葛谷に対して国学院大は8回に代打西村が3ベースを放ち無死3塁チャンスを作るも、後続が続かずに得点を奪えないと、最終回も3人で抑えられてしまいゲームセット。日本製鉄鹿島が5-1で国学院大に勝利し、社会人チームの意地をみせた。

7回から3イニング無失点の好リリーフをみせた日本製鉄鹿島の葛谷

※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください
日本製鉄鹿島は相手が大学生ということもあり、2日前の明治安田生命戦(観戦記)とは変わって、控えメンバー中心で臨んだ。それに加えて、主力メンバーでも国学院大出身の藤本・諸見里・山口和の3人は母校への顔見世の意味も込めて、この試合に出場していた。ルーキーの諸見里、山口和はともに2日前の試合から連投となったために1イニング限定であったが5・6回にそれぞれ登板。諸見里は1点を失ったものの、山口和は1イニングをわずか9球で抑えてみせた。そして1番存在感を発揮したのが、藤本であり2回には2ランホームラン、6回には押し出しの四球を選ぶなど3打点の活躍で、母校に対して元気な姿を見せていた。

昨年まで所属していた国学院大相手にマウンドに上がった日本製鉄鹿島のルーキー諸見里
敗れてしまった国学院大だが、投手が10四球を与えてしまったのが痛かった。この日は風が強く投げづらい環境ではあったものの、登板した4投手全員が最初のイニングでは四球を2個以上与え、藤本の2ラン以外の失点は全て個の四球絡みとなっている。昨年は上出(NTT東日本)・諸見里(日本製鉄鹿島)の4年生2人が中心となっており、下級生にはリーグ戦経験者が少ないという事情もあり、投手陣はチームの課題とされているが、それがこの試合でも顕著になってしまった形だ。ただ昨年も同じように投手陣は課題と思ったが、上出が4年生になってエースとして1人立ちをした経緯もあるし、毎年なんだかんだいっていい投手が出てくるのが国学院大である。まだオープン戦も始まったばかりで2月なので、ここから投手陣の柱となる選手が出てくることに期待したい。
また国学院大は、昨年の甲子園特別試合で対戦した2人の楽しみな1年生も終盤に出場を果たした。1人目は大阪桐蔭のショートを務めていた伊東で、8回裏のチャンスに代打で出場するも死球となってしまい、そのままショートの守備位置についた。ショートに関しては昨年まではずっと小川(ロッテ)が務めていて、レギュラーもまだ決まっていない状態なので、いきなり伊東がその座を射止める可能性もあるだろう。もう1人が最終回にマスクを被った神里。DeNAの神里和毅を兄に持ち、昨年は東海相模の正捕手として活躍。キャッチ―に関しては今年は主将で大黒柱の福永がいるものの、来年以降は未知数であり、そこも見据えて経験を積ませているのだろう。

途中からショートに入った国学院大のルーキー伊東
Pickup Player
山口和哉 日本製鉄鹿島 投手
~移籍してきたリリーフエースが後輩の前で好リリーフ~
6回にマウンドに上がった、国学院大出身の山口和は、1イニングをわずか9球で抑えてみせた。
山口は済美高では、気迫のこもった130㌔後半のストレートを投げ込む右腕として活躍。2年春には同学年のエース安楽(楽天)がほぼ1人で投げ抜いてセンバツ準Vを達成し、山口は決勝戦での1イニングのみの登板であった。ちなみにこの大会で安楽は1人で772球を投げたことで問題となり、2018年には済美のエースとなった弟の山口直哉(京産大)が延長13回184球を投げ抜いて問題となるなど、本人は関係はないが球数問題には関係の深い選手である。上記の影響か2年夏以降は安楽もケガの影響などもあり、山口も登板機会が増え、2年秋からは打力を生かして外野でスタメンで出つつも投手も兼任しながら活躍した。
国学院大に進学すると、同期にはエース清水(ヤクルト)がおり、山口は主にリリーフの中心として活躍。4年秋には3勝をあげるなどして、チームを支えた。その後は日本製鉄東海REXでもリリーフエースとして活躍し、1年目からJR東海の補強選手に選ばれ、都市対抗に出場。3年目を迎える今年は、同じ日本製鉄グループの日本製鉄鹿島に移籍してきた。
この試合では6回に3番手としてマウンドに上がった山口和。山口和のストレートはスピードでいえば140㌔前半~中盤といったところであるが、コントロールもよく、また強気に攻める投球が持ち味である。変割球はスライダー、カーブ、SFF(?)とあるが、この試合では相手が母校だったということもあるのか、ほとんどがストレートであった。6回の国学院大は1番から始まる好打順であったが、天野をセンターフライ→加藤はファーストゴロ→山本だいはピッチャーゴロとわずか9球でこの3人を抑えてマウンドを降りた。
日本製鉄鹿島のオープン戦を見るのはこれが今年3回目であり、過去の2回はいずれも9回のマウンドに上がっていた山口和。ボールの力以上に気迫がこもっていて、打たれる気のしない強気な投球でリリーフ向きの投手であり、日本製鉄鹿島でもこれまで同様にリリーフ、さらには抑えという立場のようである。日本製鉄鹿島は伊藤・飯田・能間という3本柱はいるものの、どちかというとリリーフは手薄だったので、山口和の加入は最適な補強であったといえる選手であろう。

6回1イニングを9球で無失点に抑えた国学院大出身の日本製鉄鹿島リリーフ山口和
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