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東洋大×中央大【東都大学野球連盟】

4/21 東都学生野球連盟 第4週2日目
東洋大×中央大 @神宮球場

試合経過

東都学生野球連盟は今シーズンは月・金という試合が多い中、この週は初めて火・水と連戦となった。月・金であればエースが2試合とも先発できるが、連戦となるとそうもいかずに2人目の先発が必要となってくる。こういう状況に中央大は、前日の試合で1回無失点と好リリーフをみせた沢田がリーグ戦初先発、東洋大はそもそも連戦でなくても細野と松澤と2人の先発投手を起用しており、前日には松澤が先発したことから、この試合では細野が先発のマウンドに上がった。
20210421中央大 澤田
リーグ戦初先発のマウンドに上がった中央大の沢田

リーグ戦初先発の沢田に対して、東洋大は3回表、先頭の9番加藤響がレフト線への2ベースで出塁すると、続く1番松本はバントの構えからバスターに切り替えると、ライナー性の打球はサードの頭上を越えて、レフト線へのタイムリー2ベースとなって東洋大が先制する。さらに2番瀬川も素直には送らずに、ライト前ヒットで続いて無死1・3塁とチャンスを広げたところで、中央大は沢田→石田裕に投手をスイッチする。石田裕は3番佐々木に四球を与えてしまい、無死満塁とさらにピンチを広げてしまうが、4番小口をサードゴロホームゲッツーに仕留めると、5番木村もサードゴロに打ち取って、中央大はこの回を最少失点で切り抜ける。
20210424東洋大 加藤響
先制点の起点となる2ベースを放つ東洋大のルーキー加藤響

東洋大の先発の細野は初回、2番石井から149㌔のストレートで三振を奪うなどエンジン全開。3回には1死から9番宮井にヒットを浴びるも、この宮井を1塁牽制で刺すと、続く1番中川に死球を与えるも、この中川も1塁牽制で刺すなど得意の牽制も光り、中央大はランナーをなかなか進めることができずに、細野の前に0行進が続いていく。

ただ中央大の2番手の石田裕もストレートはMax141㌔とまりもコントロールが抜群であり、スライダー・カーブ・フォークといった変化球も交えて東洋大打線を4回以降も打ち取っていく。結局石田裕は3回のピンチから7回までの5イニングを無失点で抑える好投をみせて、試合は東洋大が1-0とリードしたまま終盤に突入する。
20210421中央大 石田裕
5回無失点の好リリーフをみせた中央大の2番手石田裕

4回~7回まで細野の前にヒットすら出せずにいた中央大だが8回裏、この回の先頭に代打北村を起用すると、北村がレフト前に弾き返して出塁し、代走にはオコエら俊足選手を毎年輩出している関東一でもNo1(と関東一の米澤監督)が評した齋藤を起用する。しかしここまで3度牽制に刺されていることもあり、齋藤のリードは小さく、続く中田には送りバントのサインを出すも、細野のストレートの前にバント失敗の三振。さらにリードはそれほぼ大きくもなかった齋藤までも、細野は1塁牽制で刺してしまい、中央大は久しぶりのチャンスを逃す。

細野のために追加点をあげたい東洋大打線は9回表、先頭の代打宮本がヒットで出塁。続く橋本吏の送りバントを、ピッチャーが1塁へ送球するもベースカバーに入ったセカンドと戻ったファーストか被りどちらも獲れずに、無死2・3塁というピンチを迎える。ただここで中央大3番手の大栄は、8番廣岡をサードゴロに打ち取ると、3本間で挟まれた宮本はアウト、この間に一気に2塁を狙ったバッターランナーの廣岡もアウトとなるダブルプレー。最後は加藤響を打ち取って、中央大投手陣も粘りの投球で9回まで東洋大打線を1点に抑えた。

ただ9回裏の中央大の攻撃も、9回になっても148㌔をマークするなど衰えない細野の投球の前に、中川・石井の1・2番が連続三振で2死。ただここから3番古賀がこの試合3個目の四球を選ぶと、4番森下は死球で2死1・2塁という長打が出れば一気にサヨナラというチャンスを作る。ここで今シーズン好調の5番高橋隆を迎えるも、最後は細野がインコース低めのストレートでこの試合14個目の三振を奪ってゲームセット。東洋大が3回にあげた1点を、細野が完封で守り切り、1-0で勝利した。
20210424東洋大 バッテリー
完封勝利をあげてハイタッチの東洋大バッテリー


20210421東洋大×中央大
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください


細野の155球にも及ぶ力投で勝利した東洋大であるが、これは東洋大としては想定外であったようだ。細野は昨年はケガなどをしていたこともあって、杉本監督としては徐々にイニングを増やしていくとの方針もあり、今季はこれまで先発した2試合とも1失点と好投していたものの、6回や7回で降板していた。この日も杉本監督は同じくらいで代えることを想定していたようだが、細野の投球内容が良すぎたことと、1-0というスコアで膠着していたことから、なかなか代えづらかったようであり、そのまま完封してしまった。そして今日の試合で2番手として予定されており、ずっとブルペンで投球練習をしていたのが、背番号35を付けた1年生の岩崎であった。2年夏の甲子園では準決勝では明石商から1失点完投勝利、決勝では星稜相手に好リリーフをみせて優勝投手となると、昨年の甲子園交流試合でも2年夏の決勝で破った星稜を返り討ちにする1失点完投勝利をあげた右腕の神宮デビューは残念ながらお預けとなってしまったが、細野がここまで投げてくれたことは東洋大にとっては嬉しい誤算であろう。
20210424東洋大 岩崎
ブルペンでずっと準備をしていた東洋大の岩崎

完封敗けを喫してしまった中央大打線であるが、その中で存在感を現したのは、今年のドラフト候補の中でNo1捕手との呼び声が高い古賀であった。福岡大大濠では高校通算52発の打棒も、中央大で昨年までリーグ戦通算打率.214であった古賀だが、ドラフト嫌イヤーとなる今年はついに打撃でも本領発揮。今年は3番を務め、打率は(この試合終了時で)リーグトップの.429、ホームランもすでに3本放っている。この試合では1打席目で細野のカットボールを綺麗にセンターに弾き返すと、2打席目以降は完全に警戒されていたようで、そこから3打席連続四球となってしまった。細野VS古賀という視点でみれば、古賀の完全勝利という形であり、ドラフトに向けて打撃の向上は大きなプラスであり、ドラフト1位も十分にあり得るところまで来たといえるだろう。
20210421中央大 古賀
4打席全てで出塁し、中央大打線で唯一細野に勝ったといえる古賀


Pickup Player
細野晴希 東洋大2年 投手
~圧倒的な14奪三振完封勝利~
東洋大の細野が、リーグ戦初勝利を14奪三振完封という圧巻の内容で手に入れた。

細野は東亜学園高の出身で、2年秋にはエースとして東京4強入りを果たすと、冬には東京選抜のメンバーとしてキューバ遠征に参加。3年春にはU18日本代表の1次候補メンバーにも選出(ただし合宿は春季東京大会と被り不参加)された。ただ当時はスピードというよりは、ノビのあるボールを投げる左腕という印象であった。東洋大に進学すると、1年目はケガなどの影響もあり、リーグ戦の登板はリリーフ3試合の計3イニングのみであったが、2年生となった今年はチームの開幕投手を務めた。この開幕の青学戦では7回途中1失点、立正大との2回戦では6回途中1失点と好投をみせていたものの、未だに勝利はなかった。

この試合でも先発マウンドに上がった細野は初回からエンジン全開。足を高く上げて、ぶらりと大きく振るフォームから繰り出すストレートは威力十分で、2番石井からはこの試合最速の149㌔で三振を奪うなど、初回はアウト3個すべてが三振であった。変化球はスライダーを中心に、カットボール・SFFといった130㌔中盤の変化球や、110㌔台のカーブなども時おり混ぜるなどスピードに変化がつけらえていた。四球などでランナーを出すものの、「足を上げてから、相手の動きを見て放れるらしい。僕らとは次元が違う、天性のうまさなので、ほかのチームはリードしない方がいいです」と杉本監督が評した必殺の1塁牽制で、3回には出した走者を2回も刺してみせており、中央大はなかなか得点圏にランナーを進めることができなかった(7回までで1回のみ)。中盤以降はスライダーを多めに使って打たせていくピッチングを展開し、気づけば4~7回は中央大打線はノーヒットという状態であった。

終盤の8回になると、ラストスパートをかけたのか、またピッチングに勢いがでてきて三振が増え、8・9回のアウトは1塁牽制と三振のみという、(いい意味で)まさに1人相撲。リーグ戦ではこれまで完投の経験などなく、スタミナも不安視されたが、9回にも148㌔をマークするなど最後まで勢いは衰えることなく、9回14奪三振無失点で投げ切って、リーグ戦初勝利をあげた。ちなみにこの試合で細野が刺した1塁牽制は4つ(中央大が出したランナーの半分)であった。

まだ2年生になったばかりの細野。それでも高校時代から比べると球威は格段に上がっており、この試合を見た同じ左腕のDeNAの吉見スカウトは「(細野ことを)今すぐにでも欲しい」と賞賛した。今日の内容は出来すぎにしても、149㌔左腕ということであればドラフトの注目選手となることは間違いなく、順調にいけば2年後のドラフトの目玉となることだろう。

20210424東洋大 細野
14奪三振完封でリーグ戦初勝利をあげた東洋大の細野


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