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秀明英光✕昌平【春季埼玉大会】

4/30 春季埼玉大会3回戦
秀明英光✕昌平 @県営大宮球場

試合経過

プロも注目するエース右腕の岩井を擁する秀明栄光が3回戦で挑むのは、近年埼玉では急速に力をつけておきており、昨秋は埼玉大会を制し、この春季大会では第1シードの昌平。こちらもプロ注目の高校通算47発を誇る吉野を筆頭に打力に秀でるチームとあって、岩井VS吉野率いる昌平打線という注目の対決となった。

そんな岩井VS昌平打線の対決はいきなり1回裏から動き出す。昌平のリードオフマンの寺山がいきなり初球を叩いてセンター前ヒットで出塁すると、2番福地が送って、いきなり1死2塁とチャンスの場面で3番吉野を迎える。吉野が2球目を打つと、打球はなんて事のないレフトフライであったが、風の影響もあってか秀明英光のレフト岡田が目測を誤り(記録は2ベース)、1死2・3塁とチャンスが広がる。岩井は4番古賀はピッチャーゴロに打ち取るも、5番後藤の初球がワイルドピッチとなってしまい昌平が先制。さらに5番後藤のセンター後方へのフライを、センター寺島が落球してしまい、岩井は守備に足を引っ張られる形で初回に2点を失う。

岩井は2・3回は死球でランナーを出すのみで、昌平打線を封じる投球。岩井は上にはねるようなバネのあるフォームが特徴で、ストレートは140㌔にも及んでいなかったようであるが、力のある球が来ていた。変化球はスライダー、カットボール、カーブ、チェンジアップを投じており、中でも大きく曲がるスライダーはなかなかの代物で、吉野から何度も空振りを奪っていた。コントロールもまとまっており、高卒プロとなるにはやや厳しいかもしれないが、埼玉でもトップクラスの投手であると感じた。
20210430秀明英光 岩井
プロ注目の秀明英光のエース岩井

ただそんな岩井に対して、昌平打線は4回裏、先頭の5番後藤がヒットで出塁すると、バントで送って、7番川田が1塁線を破るヒットを放ち追加点。中継プレーが乱れる間に川田が2塁へ進むと、8番山村がレフト前へタイムリーヒット。この当たりをレフトが後逸して山村が3塁まで進むと、9番川島も1・2塁間を破るタイムリーヒットと、下位打線に3者連続タイムリーヒットが生まれる。昌平打線は上位に戻っても繋がり続け、1番寺山のヒットで1・2塁とするとワイルドピッチ→3塁へ進んだランナーを刺そうとした送球をサードがエラーで4点目、2番福地のタイムリーで5点目と、秀明英光の守備の乱れと連打でこの回打者一巡の猛攻で5点を追加する。
20210430昌平 福地
4回裏の5得点目となるタイムリーを放った昌平の2番福地

昌平の先発は背番号11をつけた2年生右腕の川島。右バッターのアウトコースに決まるストレートのコントロールは抜群であり、秀明栄光打線を何と4回までパーフェクトに抑えるピッチング。5回には5番大賀に初ヒットとなる2ベースを浴びたものの、このランナーを2塁牽制で刺してピンチを脱し、5回まで1安打無失点、打者15人で片づけてしまう。試合は昌平が7-0とリードし、このままいけば7回でコールドという雰囲気が漂いながら前半戦を終える。

ただグランド整備明けは流れが変わるとはよく言ったもので、この試合もまさにそのような展開となる。6回表、秀明栄光は2死から9番伊藤琉が右中間へ2ベースを放って出塁。続く1番伊藤翔がセンター前に弾き返し、秀明栄光が伊藤コンビの連打で待望の初得点をあげる。
20210430秀明英光 伊藤翔
秀明英光の初得点となるタイムリーを放つ1番伊藤翔

さらに昌平が6回で川島を下げて、7回から2番手として右サイドスローの2年生吉川をマウンドに送ると、秀明栄光は連続四球と1年生捕手山崎のヒットで1死満塁のチャンスを作り、7番寺島は押し出しの四球を選ぶ。昌平は吉川→2年生左腕の川久保にスイッチするも、川久保の初球を川田がパスボールしてしまい、2点目をあげる。3-7とリードを4点にまで縮めて押せ押せモードであった秀明栄光であるが、川久保はなおも1死2・3塁というピンチで高橋を三振に仕留めると、続く伊藤琉もレフトフライに打ち取り、秀明栄光の反撃を断ち切る。
20210430昌平 川久保
昌平の3番手として登板し7回のピンチを凌いだ川久保

反撃ムードであった秀明栄光であったが、このムードにまたもや水を差してしまったのは守備であった。7回裏1死1塁から昌平の6番小林は強めのセカンドゴロというゲッツーコースの打球であったが、これをセカンド清水が後逸。2死2・3塁となってから昌平の8番山村にレフトオーバーの2点タイムリー3ベース(これもレフト捕れたのでは?という打球であった)が飛びして2点を追加され、秀明栄光は万事休す。8・9回と川久保が秀明栄光の攻撃を3人ずつで抑えて、昌平が9-3で勝利して、準々決勝進出を決めた。
20210430昌平 山村
7回に2点タイムリー3ベースを放ち、この試合3打点の活躍をみせた昌平の山村


20210430秀明栄光✕昌平
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください


秀明英光のエース岩井は結局終わってみれば完投はしたものの9失点。ただチームの失策が5も記録されており、そのうち自責点は5のみ。さらに言ってしまえば、目測を誤ったフライなど記録に残っていないものも含めて、この9失点全てには守備の乱れが絡んでおり、正直まともな守備であれば、今日の昌平打線を1・2点に抑えられていたであろう。それほど強豪というわけではないチームに、今年はせっかくプロ注目の右腕がいるのだから、夏に向けて守備を鍛えて、上位進出を目指して欲しい。

秀明英光の岩井VS昌平の吉野という注目の対決は、4打数1安打1死球という結果であった。ただしこの1安打はレフトが目測を誤ったものであり、通常であればレフトフライという打球。そういう意味だと、吉野は事実上この試合ではレフトフライ4個であり、岩井に完全に抑えられたといえる。この試合の吉野は、特に岩井のスライダーにタイミングがあっておらず、むしろ全然あっていないのはきっちりレフトまで飛ばしているのはさすがともいえる内容であった。昌平の打線全体としても吉野同様に目の覚めるような当たりのヒットは少なく、相手の守備の乱れで勝ってしまった感があり、秋春と埼玉の連覇するためにはもう少し打線の調子もあげていきたいところだ。
20210430昌平 吉野
プロ注目の昌平の3番打者吉野


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川島新大 昌平2年 投手
~期待の元U15代表右腕が6回1失点の好投~
この試合で昌平の先発を任された2年生右腕の川島は、4回までパーフェクト、6回1失点ときっちりと結果を残した。

川島は中学時代には「BFA U15日本代表」(軟式の日本代表)にも選ばれ、上加世田(敦賀気比)・山下(福岡大大濠)らとともにプレーをした。昌平に進学すると、1年秋よりベンチ入りを果たし、埼玉大会決勝ではリリーフで登板すると5回2失点の好投で優勝投手となり、関東大会初戦の鎌倉学園戦では先発のマウンドに上がると4回1失点の好投をみせていた。この2年春は背番号11をつけており、秀明英光戦では先発のマウンドに上がった。

川島はバッターから見える腕が隠れるようなスリークウォーターのフォームの投手であり、ストレートのスピードは130㌔中盤ほどであるが、コントロールが非常にいい。この試合では特に右バッターのアウトコースに決まる球が素晴らしく、奪った三振5個のうち4個がこのアウトコースのストレートであった。このストレートが中心の投球であったが、小さく曲がるスライダー・カーブ・チェンジアップといった変化球も操っていた。その他にはランナーがいなくてもクイックを混ぜて、打者のタイミングを外したりと、器用な投手であった。

テンポもよく秀明英光打線を次々と打ち取っていき、何と4回まではパーフェクトピッチング。5回に初ヒットを許すものの、このランナーも素早い牽制でアウトにして、5回までは1安打無失点打者15人で抑える完璧な投球。6回には連打から1点を失うも、点差があったこともあり、余裕をもって6回3安打1失点という内容でマウンドを降りた。

U15日本代表経験者ということで、昌平ではエースとしても期待したい川島。この試合では翌日も連戦ということで、エース田村を温存する目的もあって先発を任されているが、このように結果を出していけば、夏には背番号1をつけている可能性は十分にあるだろう。

20210430昌平 川島
6回1失点の好投を見せた昌平の先発川島


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