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国学院大×富士大【全日本大学野球選手権】

6/9 全日本大学野球選手権2回戦
国学院大×富士大 @東京ドーム

試合経過

全日本大学野球選手権は、シードで2回戦から登場の国学院大の初戦。対するは1回戦で、岐阜聖徳大を破って2回戦に進出してきた北東北の雄である富士大。国学院大は池内、富士大は金村と両エースの先発で試合は始まった。

まずマウンドに上がった富士大の金村であるが、コンパクトなテイクバックから放たれるボールはコントロール抜群であり、ストレートはMax147㌔をマーク。変化球は130㌔前後のスライダー、130㌔後半をマークしたSFFとストレートと球速差の少ないボールを中心に、カーブも投げていた。フォームといいタイプ的には佐竹(トヨタ自動車)を彷彿とさせる右腕である。初回・2回とともにピンチを招いたものの、無失点で切り抜けると、3回は1番から始まる国学院大の攻撃を3者三振に仕留め、4・5回も3者凡退で切り抜け、5回まで2安打7奪三振無失点という素晴らしい投球をみせる。
20210609富士大 金村
5回まで無失点の投球をみせた富士大のエース金村

国学院大の先発の池内もMax148㌔のストレートに、カットボール・スライダー・チェンジアップなどをコントロールよく投げこんでいき、3回まで富士大打線を5奪三振無得点に抑える。ただ4回裏、富士大は先頭の山城響が四球で出塁すると、2死2塁となってから1年生ながら6番に座る麦谷の打球はライト前に落ちるタイムリーヒット。さらにこの打球をダイレクトで捕ろうとライト川村が猛チャージをかけたものの、ワンバンした打球は川村の頭上を越えて、俊足の麦谷が一気に生還してランニング2ランホームランとなる。
20210609富士大 麦谷
ランニング2ランホームランを放った富士大の麦谷

0-2とリードされて前半戦を終えた国学院大であるが6回表、2死ランナー無しから3番山本が147㌔のストレートを捉えると打球は左中間スタンドに飛び込むソロホームラン。リーグ戦では東都1部のホームラン・打点の二冠王、さらにはMVPを獲得した山本の一振りで国学院大が反撃を開始する。
20210609国学院大 山本ダンテ1
反撃の狼煙となるソロホームランを放った国学院大の山本

国学院大は7回表には、先頭の伊東が右中間への3ベースで出塁。続く7番青木は初球から果敢に打ちに行くと、打球は三遊間を抜けるタイムリーとなり2-2の同点。富士大はここでピッチャーを宮下に交代するも、9番鳥居の打球を併殺を焦ったかショート野田がエラー。2死1・3塁となってから迎えた2番川村の打球は、ワンバンでファーストの頭上を越えるタイムリーとなり国学院大が逆転。さらに3番山本も三遊間を破るタイムリーで続いて4-2とリードを広げる。
20210609国学院大 川村

国学院大は6回から2番手として楠茂が登板。6回にはいきなり連打を浴びてピンチを招くも、何とか無得点で凌ぐと、Max143㌔のストレートにカットボール・スライダー・チェンジアップなどの変化球も織り交ぜて安定した投球を披露。結局楠茂が打たれたヒットは6回の2本のみであり、最後まで無失点で投げ切って国学院大が4-2で勝利し、準々決勝進出を決めた。
20210609国学院大 楠茂
4回無失点の好リリーフをみせた国学院大の楠茂


20210609国学院大×富士大
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください


国学院大の見事な逆転勝利であった。序盤は金村を打ちあぐね、さらにはリードオフマンである山崎晃が1塁へヘッドスライディングして負傷交代という何とも流れの悪い展開であった。ただ後半は東都1部本塁打・打点王の山本、首位打者の川村とリーグ戦で好調だった2人が殊勲打を放った。東都1部の最終戦から半月が経っているが、打撃の調子を維持できていたのは大きい。また投手陣もエース池内を5回で降ろしたときにはやや早いかと思ったが、2番手の諸見里が4回無失点リリーフと鳥山監督の采配が見事に的中した形となった。

一方の富士大は、山川・外崎・多和田ら西武勢をはじめとして近年の何人もの選手をプロに送り込んでおり、東北の大学野球界での成績はいうことなしであるが、全国大会ではなかなか上位に食い込むことができておらず、今回も国学院大の厚い壁に阻まれてしまった。エース金村の5回までの投球は素晴らしく、後半戦はやや捉えられてきたものの、内容的には悪くなかたった。今年はリーグ戦では完全試合を達成して7勝無敗という圧倒的な成績を残した右腕は、全国の舞台でも十分に通用することは証明できたので、来年は間違いなくドラフト候補となってくることだろう。結果的に金村、さらには2番手宮下も149㌔をマークするなど投手陣はよかったので、7回のショート野田のエラーが大きく響いてしまった試合であった。

Pickup Player
山本ダンテ武蔵 国学院大4年 外野手
~東都のMVPが全国大会でも大活躍~
東都MVPの山本が、この全国大会でも3安打2打点と見事な活躍で、チームを勝利に導いた。

山本ダンテ武蔵は、ハーフで身体能力が高い選手であり、大阪桐蔭では2年秋から外野のレギュラーに定着すると、3年春のセンバツ出場。徳山(早稲田大)ー福井(慶応大)のバッテリーを中心に、1個したの根尾(中日)・藤原(ロッテ)らもレギュラーとして名を連ねていたチームにおいて4番打者を務め、打率.333の活躍でセンバツ制覇に貢献した。

国学院大に進学すると、1年春から代打などでリーグ戦出場を果たしたの、ケガの影響などもあって、なかなか結果も残せずに、レギュラー定着とは言いづらい状態が続いていた。ただ昨オフには体重を増やし、さらにドアスイング気味だったフォームも改造して、一気に打撃が開花。春のリーグ戦では3番DHとして出場し、打率.364(リーグ3位)、本塁打5(リーグ1位)、打点17(リーグ1位)という成績を残してチームを優勝に導き、投票では満票でMVPも受賞した。

この全日本大学野球選手権の初戦でも3番DHとして出場した山本は、1打席目から左中間に2ベースを放つ。2打席目は三振を奪われてしまうも、6回に迎えた3打席目では金村のこの試合最速タイとなる147㌔のストレートを捉えて左中間スタンドへソロホームラン。チームとしては5回まで金村に完璧に押さえられていたために、流れを変えたという意味でも貴重なホームランであった。さらに7回の第4打席でも初球打ちで三遊間を破る、貴重なタイムリーヒットを放った。結局この試合では5打数3安打2打点1ホーマーという活躍をみせた。

絶好調だったリーグ戦が終わってから2週間以上が経ったものの、打撃の調子は維持できているようで、ここまでくると好調というか本物である。打撃は文句ないので、あとはずっとDHで出場していることもあり、守備が気になるところ。もともとは走力もある選手なので、打って守れて走れてというところが見せられればスカウトも放っておけなくなるだろう。ちょっと活躍しだすのが遅かったので、現実的なところは社会人経由でという話かもしれないが、十分にプロ入りを狙える逸材である。

20210609国学院大 山本ダンテ2
3安打2打点の活躍をみせた国学院の山本ダンテ武蔵


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