JR東日本東北×日立製作所【オープン戦】
8/31 オープン戦
JR東日本東北×日立製作所 @日立製作所野球場
試合経過
社会人野球もいよいよ都市対抗に向けた戦いが始まってきた。JR東日本東北でいえば、宮城予選を突破し、東北予選に向かうというタイミングであるし、日立製作所は茨城予選前の最後のオープン戦となるのがこの試合。JR東日本東北は川村、日立製作所は青野とともにエース格の投手が先発し、メンバーもフルに近い実践的なものとなった。
JR東日本東北は1回表、1死から2番森が出塁すると、3番大保がセンター前ヒットで続くと、青野は4番鈴木聖に対しては1球もストライクが入らずに四球で満塁。続く5番薗部のサードゴロ併殺崩れの間に、JR東日本東北が1点を先制する。青野はなおも2死1・3塁というピンチであったが安西を変化球で見逃しの三振に仕留めて切り抜けだが、続く2回の先頭打者をファーストゴロに打ちとったところで、治療のために一旦ベンチへ下がるとそのまま降板。球を見ている限りはスピードが落ちているなどということはなかったが、エース候補がアクシデントで降板と、日立製作所にとっては都市対抗前に不安な展開となってしまった。

JR東日本東北は5番薗部のサードゴロの間に先制点をあげた
急遽リリーフのマウンドに上がったのは原田であったが、初回からブルペンで投げていたこともあり、力のあるストレートとフォークを武器に気合いの入った投球を見せ、2回・3回と無失点。4回からは、一昨年の都市対抗で若獅子賞を獲得したリリーフエースの左腕岡が登板するなど、小刻みに投手を繋いでいった。
JR東日本東北は5回表、日立製作所の岡に対して、1死から1番菅野がセカンド内野安打で出塁すると、2番森のレフト線への当たりで菅野が一気にホームインして2点目。さらに大保もセカンドへの内野安打で1死1・3塁とチャンスを広げたものの、岡がここで本領を発揮して4番鈴木聖を3球三振に仕留め、5番薗部もライトフライに打ち取って最少失点で留める。

レフト線へタイムリー2ベースを放ったJR東日本東北の森
JR東日本東北の先発のルーキー川村は、日立製作所の攻撃を1巡目はノーヒットに抑えて、4回には森下に初ヒットを浴びるものの、4回1安打無失点という素晴らしい投球内容。5回からは2番手として、左腕の櫻糀がマウンドに上がると、日立製作所は7番八幡が右中間フェンス直撃の2ベースを放ち、初めて得点圏にランナーを進めるなど、川村の降板後に打線がやや息を吹き返す。すると7回には八幡が今度は櫻糀のストレートを捉えると、打球はレフトフェンスを越えるホームランとなり初得点をあげて1-2と1点差に迫る。

日立製作所の初得点となるホームランを放った八幡
1点差に迫られたJR東日本東北は8回から3番手として、こちらもルーキーの竹本が登板。ただ竹本に対して日立製作所打線は、先頭の1番濱元がライト前ヒットで出塁。強打の2番豊田は、バントの構えを見せたものの、最終的には追い込まれたこともありヒッティングに切り替えると、左中間を破る2ベースを放ち、1塁ランナーの代走諸積がホームインして同点。さらに3番江藤がセンター前ヒットで続いて無死1・3塁とすると、4番森下のショートゴロで3塁ランナーが三本間で挟まれたものの、これがセーフとなり無死満塁と竹本は絶体絶命のピンチを迎える。

同点タイムリーを放った日立製作所の強打の2番豊田
ただそれでも西村監督は竹本にマウンドを託すと、竹本は本領を発揮して、スライダーやフォークといった低めの変化球で日立製作所打線から空振りを取り、ここから吉田・河野・八幡と3者連続三振に仕留めて、勝ち越しを許さなかった。竹本は9回も最後は駒澤大の先輩で共にプレーした諸積をセンターフライに打ち取り無失点。対する日立製作所のリリーフ陣も6・7回を樋口、8・9回を知念とリリーフ陣がランナーは出すものの、無得点に抑えて、試合は2-2のまま引き分けとなった。

※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください
JR東日本東北は期待のルーキー2人の快投が明るい材料だ。先発のマウンドに上がった川村は4回1安打無失点、8回から3番手としてマウンドに上がった竹本はいきなり同点に追いつかれ、さらに無死満塁という絶体絶命のピンチを背負うもそこから3者連続三振の快投をみせた。2人とも大学時代にはプロ注目の選手であり、社会人チームでも即戦力として期待されている右腕2人がしっかりと結果を残したことで、JR東日本東北としては投手陣に厚さが増し、やっとベテランのエース西村に依存から脱却できそうな展開である。

無死満塁のピンチから3者三振の快投をみせたJR東日本東北のルーキー竹本
日立製作所の新戦力は、立教大の二遊間である。この試合ではルーキーの宮がショート、2年目の江藤がセカンドに入った。江藤は1年目はショートの控えであったが、今年は3番日本選手権の予選ではリードオフマンを務め、この試合でも3番を打つなどしており、セカンドのレギュラーに定着した感じだ。この2人は江藤が1個先輩という間柄で、立教大でも二遊間を組んでいることもあった。この日はショートのレギュラーである野中がお休みのようであったが、日立製作所はここ最近レギュラーメンバーが固定化されてしまっていて、新戦力の台頭も少ないので、是非ともそこに風穴を開けるような活躍に期待したい。

ショートとしてスタメン出場した日立製作所のルーキー宮
ただやはり心配なのは、現状日立製作所のエースといえる青野の緊急降板である。大事をとってということであればよいが、都市対抗予選前にこの事態は不安な限りである。ただですら日立製作所は投手陣が課題であり、昨年も都市対抗では補強選手3人とも投手であったが、初戦ではヤマハに5回までで9点を奪われて敗れている。昨年で猿川が勇退し、7年目の樋口、4年目の西澤以外は全員が3年目以内という若い投手陣。2年目の原田・杉尾・西山、さらには今年ヤクルトから加入した田川らの奮起にも期待したいところだ。

日立製作所としてはエース青野の降板が心配なところ
Pickup Player
川村駿平 JR東日本東北
~4回1安打無失点という素晴らしい投球をみせたルーキー~
JR東日本東北の先発のルーキー川村は、4回1安打無失点という素晴らしい投球をみせた。
川村は神奈川の向上出身で、現在もチームメイトの菅野の2個後輩にあたる。2年時からエースとして活躍しており、本格派右腕として注目されていた。3年夏には、逗子開成・戸塚から2試合連続完封をあげ、山手学院からも1失点完投勝利をあげ、5回戦では横浜と対戦。その時の横浜は藤平(楽天)と石川(DeNA)の2枚看板に、増田(ソフトバンク)・公家(大阪ガス)・村田(Honda)・万波(日本ハム)といった選手がスタメンに名を連ねた最強チームであったが、その横浜相手に敗れたものの2失点で完投して、その名を轟かせた。
横浜商科大に進むと、1年春のデビュー戦でいきなり神奈川工科大相手に完封勝利。ただその後は好不調の波が激しく、藤村(東芝)・飯田(現横浜商科大のエースで主将)の陰に隠れる形で、先発の機会も減ることとなった。それでもその能力の高さからドラフト候補にも上がっていたが、今年からJR東日本東北に入社した。JR東日本東北では、JABA日立市長杯でスクールパートナーから完封勝利をあげ、東北大会やベーブルース杯でもリリーフ登板を果たすなど、1年目から着実に登板機会を得ていた。
この試合では先発のマウンドに上がった川村は、初回からストレートの威力が抜群で、いきなり1番濱元・2番豊田の2人をストレートで空振り三振にとる最高のスタート。変化球もスライダーをはじめとして、カーブやチェンジアップなどもさえわたり、日立製作所打線に1巡目はヒットを許さなかった。4回にも2番豊田・3番江藤から連続三振を奪うも、4番森下には初ヒットを浴びてしまうも、5番田中はセンターフライ。結局4回を投げて1安打5奪三振無失点という素晴らしい内容でマウンドを降りた。
この都市対抗の1次予選と2次予選の間の重要なオープン戦で先発を任されるということは、西村監督からもそれなりに戦力として計算されているということだろうし、今日のピッチングができれば十分に通用する。大学時代は期待されながらも、力を発揮できなかったところはあるが、JR東日本東北に入社してその力を発揮しつつあり、来年のドラフトが楽しみな選手になりつつある。

4回1安打無失点と素晴らしいピッチングをみせたJR東日本東北の川村
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JR東日本東北×日立製作所 @日立製作所野球場
試合経過
社会人野球もいよいよ都市対抗に向けた戦いが始まってきた。JR東日本東北でいえば、宮城予選を突破し、東北予選に向かうというタイミングであるし、日立製作所は茨城予選前の最後のオープン戦となるのがこの試合。JR東日本東北は川村、日立製作所は青野とともにエース格の投手が先発し、メンバーもフルに近い実践的なものとなった。
JR東日本東北は1回表、1死から2番森が出塁すると、3番大保がセンター前ヒットで続くと、青野は4番鈴木聖に対しては1球もストライクが入らずに四球で満塁。続く5番薗部のサードゴロ併殺崩れの間に、JR東日本東北が1点を先制する。青野はなおも2死1・3塁というピンチであったが安西を変化球で見逃しの三振に仕留めて切り抜けだが、続く2回の先頭打者をファーストゴロに打ちとったところで、治療のために一旦ベンチへ下がるとそのまま降板。球を見ている限りはスピードが落ちているなどということはなかったが、エース候補がアクシデントで降板と、日立製作所にとっては都市対抗前に不安な展開となってしまった。

JR東日本東北は5番薗部のサードゴロの間に先制点をあげた
急遽リリーフのマウンドに上がったのは原田であったが、初回からブルペンで投げていたこともあり、力のあるストレートとフォークを武器に気合いの入った投球を見せ、2回・3回と無失点。4回からは、一昨年の都市対抗で若獅子賞を獲得したリリーフエースの左腕岡が登板するなど、小刻みに投手を繋いでいった。
JR東日本東北は5回表、日立製作所の岡に対して、1死から1番菅野がセカンド内野安打で出塁すると、2番森のレフト線への当たりで菅野が一気にホームインして2点目。さらに大保もセカンドへの内野安打で1死1・3塁とチャンスを広げたものの、岡がここで本領を発揮して4番鈴木聖を3球三振に仕留め、5番薗部もライトフライに打ち取って最少失点で留める。

レフト線へタイムリー2ベースを放ったJR東日本東北の森
JR東日本東北の先発のルーキー川村は、日立製作所の攻撃を1巡目はノーヒットに抑えて、4回には森下に初ヒットを浴びるものの、4回1安打無失点という素晴らしい投球内容。5回からは2番手として、左腕の櫻糀がマウンドに上がると、日立製作所は7番八幡が右中間フェンス直撃の2ベースを放ち、初めて得点圏にランナーを進めるなど、川村の降板後に打線がやや息を吹き返す。すると7回には八幡が今度は櫻糀のストレートを捉えると、打球はレフトフェンスを越えるホームランとなり初得点をあげて1-2と1点差に迫る。

日立製作所の初得点となるホームランを放った八幡
1点差に迫られたJR東日本東北は8回から3番手として、こちらもルーキーの竹本が登板。ただ竹本に対して日立製作所打線は、先頭の1番濱元がライト前ヒットで出塁。強打の2番豊田は、バントの構えを見せたものの、最終的には追い込まれたこともありヒッティングに切り替えると、左中間を破る2ベースを放ち、1塁ランナーの代走諸積がホームインして同点。さらに3番江藤がセンター前ヒットで続いて無死1・3塁とすると、4番森下のショートゴロで3塁ランナーが三本間で挟まれたものの、これがセーフとなり無死満塁と竹本は絶体絶命のピンチを迎える。

同点タイムリーを放った日立製作所の強打の2番豊田
ただそれでも西村監督は竹本にマウンドを託すと、竹本は本領を発揮して、スライダーやフォークといった低めの変化球で日立製作所打線から空振りを取り、ここから吉田・河野・八幡と3者連続三振に仕留めて、勝ち越しを許さなかった。竹本は9回も最後は駒澤大の先輩で共にプレーした諸積をセンターフライに打ち取り無失点。対する日立製作所のリリーフ陣も6・7回を樋口、8・9回を知念とリリーフ陣がランナーは出すものの、無得点に抑えて、試合は2-2のまま引き分けとなった。

※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください
JR東日本東北は期待のルーキー2人の快投が明るい材料だ。先発のマウンドに上がった川村は4回1安打無失点、8回から3番手としてマウンドに上がった竹本はいきなり同点に追いつかれ、さらに無死満塁という絶体絶命のピンチを背負うもそこから3者連続三振の快投をみせた。2人とも大学時代にはプロ注目の選手であり、社会人チームでも即戦力として期待されている右腕2人がしっかりと結果を残したことで、JR東日本東北としては投手陣に厚さが増し、やっとベテランのエース西村に依存から脱却できそうな展開である。

無死満塁のピンチから3者三振の快投をみせたJR東日本東北のルーキー竹本
日立製作所の新戦力は、立教大の二遊間である。この試合ではルーキーの宮がショート、2年目の江藤がセカンドに入った。江藤は1年目はショートの控えであったが、今年は3番日本選手権の予選ではリードオフマンを務め、この試合でも3番を打つなどしており、セカンドのレギュラーに定着した感じだ。この2人は江藤が1個先輩という間柄で、立教大でも二遊間を組んでいることもあった。この日はショートのレギュラーである野中がお休みのようであったが、日立製作所はここ最近レギュラーメンバーが固定化されてしまっていて、新戦力の台頭も少ないので、是非ともそこに風穴を開けるような活躍に期待したい。

ショートとしてスタメン出場した日立製作所のルーキー宮
ただやはり心配なのは、現状日立製作所のエースといえる青野の緊急降板である。大事をとってということであればよいが、都市対抗予選前にこの事態は不安な限りである。ただですら日立製作所は投手陣が課題であり、昨年も都市対抗では補強選手3人とも投手であったが、初戦ではヤマハに5回までで9点を奪われて敗れている。昨年で猿川が勇退し、7年目の樋口、4年目の西澤以外は全員が3年目以内という若い投手陣。2年目の原田・杉尾・西山、さらには今年ヤクルトから加入した田川らの奮起にも期待したいところだ。

日立製作所としてはエース青野の降板が心配なところ
Pickup Player
川村駿平 JR東日本東北
~4回1安打無失点という素晴らしい投球をみせたルーキー~
JR東日本東北の先発のルーキー川村は、4回1安打無失点という素晴らしい投球をみせた。
川村は神奈川の向上出身で、現在もチームメイトの菅野の2個後輩にあたる。2年時からエースとして活躍しており、本格派右腕として注目されていた。3年夏には、逗子開成・戸塚から2試合連続完封をあげ、山手学院からも1失点完投勝利をあげ、5回戦では横浜と対戦。その時の横浜は藤平(楽天)と石川(DeNA)の2枚看板に、増田(ソフトバンク)・公家(大阪ガス)・村田(Honda)・万波(日本ハム)といった選手がスタメンに名を連ねた最強チームであったが、その横浜相手に敗れたものの2失点で完投して、その名を轟かせた。
横浜商科大に進むと、1年春のデビュー戦でいきなり神奈川工科大相手に完封勝利。ただその後は好不調の波が激しく、藤村(東芝)・飯田(現横浜商科大のエースで主将)の陰に隠れる形で、先発の機会も減ることとなった。それでもその能力の高さからドラフト候補にも上がっていたが、今年からJR東日本東北に入社した。JR東日本東北では、JABA日立市長杯でスクールパートナーから完封勝利をあげ、東北大会やベーブルース杯でもリリーフ登板を果たすなど、1年目から着実に登板機会を得ていた。
この試合では先発のマウンドに上がった川村は、初回からストレートの威力が抜群で、いきなり1番濱元・2番豊田の2人をストレートで空振り三振にとる最高のスタート。変化球もスライダーをはじめとして、カーブやチェンジアップなどもさえわたり、日立製作所打線に1巡目はヒットを許さなかった。4回にも2番豊田・3番江藤から連続三振を奪うも、4番森下には初ヒットを浴びてしまうも、5番田中はセンターフライ。結局4回を投げて1安打5奪三振無失点という素晴らしい内容でマウンドを降りた。
この都市対抗の1次予選と2次予選の間の重要なオープン戦で先発を任されるということは、西村監督からもそれなりに戦力として計算されているということだろうし、今日のピッチングができれば十分に通用する。大学時代は期待されながらも、力を発揮できなかったところはあるが、JR東日本東北に入社してその力を発揮しつつあり、来年のドラフトが楽しみな選手になりつつある。

4回1安打無失点と素晴らしいピッチングをみせたJR東日本東北の川村
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