国学院大×日本大【東都大学野球連盟】
9/13 東都大学野球連盟 第1節1回戦
国学院大×日本大 @神宮球場
試合経過
東都大学野球連盟の秋季リーグ戦の開幕ゲーム。春の優勝チームである国学院大に、4年ぶりに1部に復帰した日本大が挑んだ試合は、国学院大の池内、日本大の赤星の両エースの先発で始まった。
3回裏、この回から2巡目に入った日大打線は先頭の1番中尾が死球で出塁すると、2番野村の3球目に盗塁を決める。野村は直後の4球目でライトフライに倒れるも、中尾がタッチアップを決めて1死3塁というチャンスで、最も頼りになる3番峯村を迎える。峯村に対して池内は2球で追い込み、最後は変化球をひっかける形でファーストゴロに打ち取るも、3塁ランナーの中尾が好スタートでホームを陥れ、日大がこの回ノーヒットで先制点をあげる。
池内は春季リーグ戦では最優秀投手賞に輝いたものの、コントロールを持ち味に打ち取るタイプの投手であり、春は50回を投げて三振は27個であった。ただこの試合では初回からエンジン全開で、Max146㌔のストレートに、スライダー・カーブ・フォークといった変化球も駆使して三振を量産。その分四死球も多かったものの、4回まで8奪三振を奪う投球をみせる。逆に日大のエースのMax152㌔右腕の赤星は、打たせてとる投球をみせて、こちらは5回までで無失点ながらも奪三振は2個のみと、両エースが本来のイメージと逆の投球をみせた。

4回までに8奪三振という投球をみせた国学院大のエース池内
日大は5回裏、池内は9番菅原に対してストレートが2球連続でボールとなり、ストライクを取りに行った3球目を菅原が強打すると打球はライトスタンドに飛び込むソロホームラン。これで池内はペースを乱したか、1番中尾に四球を与えてしまい、さらに盗塁を決められ、2番野村に対してもボールが続いたところで、鳥山監督はピッチャーを楠茂に交代。春のリーグ戦でも中盤からリリーフして数々の好投をみせていた楠茂は、この1死2塁というピンチで野村をセカンドゴロに打ち取ると、3番峯村からは三振を奪うという好リリーフをみせた。

ホームランを放った日大の9番菅原
国学院大打線は2~4回と赤星の前にチャンスを作りながらも得点が奪えずにいると、5~7回は完全に赤星の打たせてとる投球にはまってしまい、3イニング連続で3者凡退と反撃の糸口を見いだせずにいた。ただ8回表、1死からこの試合でスタメンに抜擢された9番吉川が2安打目となるヒットで出塁すると、そこから2死2塁と久しぶりにチャンスを作る。ここで迎えた春の首位打者の川村は四球、さらに春の本塁打・打点の二冠王の山本ダンテのショート内野安打で2死満塁と一気に逆転のチャンスを作る。ここで迎えるのは、瀬戸に代わって4番に座る主将の福永であったが、赤星は得意のカットボールでサードゴロに打ち取り、最大のピンチを凌いだ。

スタメン抜擢に応える2安打目を放った国学院大の吉川
国学院大の楠茂は2回2/3を無失点という好投をみせ、8回裏には3番手として坂本が登板。トミージョン手術から復帰してリーグ戦初登板を果たした期待の右腕は、ストレートはMax143㌔をマークするも、いきなり4番花崎に変化球をうまくレフト前に運ばれると、バントを挟んで連続四球で満塁のピンチを背負ってしまい降板。8番の左打者の友田に対して、左腕の北山をマウンドに送るも、片岡監督はその初球にスクイズを決行。これを友田がうまく決めて3塁ランナーが生還し、2ランスクイズを狙った2人目のランナーはホームでアウトになったものの、日大が貴重な追加点をあげる。

貴重な追加点となるスクイズを決めた日大の友田
赤星は最終回も国学院大の攻撃を3人で締めて、見事に3安打完封勝利。日本大が3-0で勝利し、1部に復帰したばかりのチームが、春の優勝チームを破るという、戦国東都らしい番狂わせで秋季リーグは開幕したのであった。

完封勝利をあげて日大バッテリー

※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください
国学院大の春の優勝の原動力となったのが、川村・ダンテ・瀬戸・福永という打線の中核をなした4年生カルテッド。春には川村が首位打者、ダンテが本塁打王・打点王・MVPを獲得しており、この試合の翌日には、川村・瀬戸・福永がプロ志望届を提出しているほどの実力者たちだ。ただ春に4番を打っていた瀬戸は、ケガなのか、この試合では代打での1打席の登場のみでセカンドゴロ。川村・ダンテ・福永の3人も、赤星の前に完全に抑えられてしまい、この3人で放ったヒットはダンテの内野安打のみという有様であり、中軸を封じられてしまったことが国学院大の1番の敗因だったといえる。

内野安打を放つ国学院大の山本ダンテ
日大は機動力を生かした攻撃が際立った。特に1番中尾は4打席中3打席で出塁し、2番野村の打席で2盗塁を決めており、3回の先制点はまさに中尾の足で奪ったといえる得点であった。3点目もスクイズで得点をあげており、プロ志望届を提出した注目の3番峯村はノーヒットに抑えらるなどチームとしての安打数は国学院大と同じ4にとどまったが、機動力を生かして効率的に得点をあげられたことが、そのまま試合のスコアに反映されたといえる。もともと選手の質・数でいえば十分なほどに東都1部レベルのチームなので、昇格即優勝という話もなくはないと思わせる開幕戦であった。

機動力で先制点を演出した日大の1番中尾
Pickup Player
赤星優志 日本大4年 投手
~12球団のスカウトの前で見事な1部デビュー~
プロ志望届を提出した日本大のエース赤星が、プロ12球団のスカウトが集まった、この東都1部の開幕戦で見事に完封勝利をあげて、アピールに成功した。
赤星は日大鶴ケ丘時代から勢いのあるストレートが武器の右腕として活躍し、2年夏には甲子園ベスト4入りした東海大菅生相手に7回まで1失点の好投をみせるも、8回に2点を奪われて逆転負け。2年秋以降はエースとなり、1学年したの勝又(DeNA)とともに投手陣を支えた。3年秋にはプロ志望届を提出したものの、指名はなくそのまま日大に進学した。
日大では1年秋にリーグ戦デビューを飾ると、1年冬に行われた(高校生の)東京都選抜との試合で、150㌔をマークするなど持ち前のストレートの力がさらにアップ。2年秋にはリーグ戦初勝利をあげると、先発に定着した3年秋には青山学院大戦で152㌔をマークし、このシーズンで3勝をマーク。本格的にエースとなった4年春には、3勝をあげ、防御率0.78という活躍でチームを東都2部の優勝へ導き、MVPを受賞。入替戦でも東洋大から1失点完投勝利をあげると、続く立正大戦でも抑えとして試合を締めて、チームを4年ぶりの1部昇格に導いた。
この試合の3日前にはプロ志望届を提出した赤星は、1部デビューとなるこの開幕戦でもエースとして先発のマウンドに上がった。赤星のストレートはこの試合ではMax147㌔をマークし、カットボール・2シームといったストレート系の変化球を中心に、スライダー・カーブ・フォーク・チェンジアップと多彩な球で国学院大打線を翻弄。2回には味方のエラーもあり1死2・3塁のピンチを招くも、そこから連続ショートゴロに打たせてとると、3回も2死2るうのピンチで強打者のダンテからカットボールで空振り三振を奪う。5~7回は3イニング連続で3者凡退に抑え、8回の2死満塁のピンチではまたもやカットボールで4番福永をサードゴロに打ち取ると、最終回も3人で切り抜け、見事完封勝利をあげた。
赤星といえばMax152㌔のストレートのイメージが強いが、この試合では奪った三振は3個のみであり、どちらかというと打たせてとるピッチングが光った。スカウトの中でもゲームメイクのうまさや、投球術を評価するコメントが多く、初の東都1部のマウンドでのアピールに成功したといえる。この投球を続いていてけば、即戦力の投手が欲しいチームは、1ヶ月後のドラフト会議で赤星の名前がドラフトの早い段階で呼ばれることもあり得るかもしれない。

見事4安打完封勝利をあげた日大のエース赤星
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国学院大×日本大 @神宮球場
試合経過
東都大学野球連盟の秋季リーグ戦の開幕ゲーム。春の優勝チームである国学院大に、4年ぶりに1部に復帰した日本大が挑んだ試合は、国学院大の池内、日本大の赤星の両エースの先発で始まった。
3回裏、この回から2巡目に入った日大打線は先頭の1番中尾が死球で出塁すると、2番野村の3球目に盗塁を決める。野村は直後の4球目でライトフライに倒れるも、中尾がタッチアップを決めて1死3塁というチャンスで、最も頼りになる3番峯村を迎える。峯村に対して池内は2球で追い込み、最後は変化球をひっかける形でファーストゴロに打ち取るも、3塁ランナーの中尾が好スタートでホームを陥れ、日大がこの回ノーヒットで先制点をあげる。
池内は春季リーグ戦では最優秀投手賞に輝いたものの、コントロールを持ち味に打ち取るタイプの投手であり、春は50回を投げて三振は27個であった。ただこの試合では初回からエンジン全開で、Max146㌔のストレートに、スライダー・カーブ・フォークといった変化球も駆使して三振を量産。その分四死球も多かったものの、4回まで8奪三振を奪う投球をみせる。逆に日大のエースのMax152㌔右腕の赤星は、打たせてとる投球をみせて、こちらは5回までで無失点ながらも奪三振は2個のみと、両エースが本来のイメージと逆の投球をみせた。

4回までに8奪三振という投球をみせた国学院大のエース池内
日大は5回裏、池内は9番菅原に対してストレートが2球連続でボールとなり、ストライクを取りに行った3球目を菅原が強打すると打球はライトスタンドに飛び込むソロホームラン。これで池内はペースを乱したか、1番中尾に四球を与えてしまい、さらに盗塁を決められ、2番野村に対してもボールが続いたところで、鳥山監督はピッチャーを楠茂に交代。春のリーグ戦でも中盤からリリーフして数々の好投をみせていた楠茂は、この1死2塁というピンチで野村をセカンドゴロに打ち取ると、3番峯村からは三振を奪うという好リリーフをみせた。

ホームランを放った日大の9番菅原
国学院大打線は2~4回と赤星の前にチャンスを作りながらも得点が奪えずにいると、5~7回は完全に赤星の打たせてとる投球にはまってしまい、3イニング連続で3者凡退と反撃の糸口を見いだせずにいた。ただ8回表、1死からこの試合でスタメンに抜擢された9番吉川が2安打目となるヒットで出塁すると、そこから2死2塁と久しぶりにチャンスを作る。ここで迎えた春の首位打者の川村は四球、さらに春の本塁打・打点の二冠王の山本ダンテのショート内野安打で2死満塁と一気に逆転のチャンスを作る。ここで迎えるのは、瀬戸に代わって4番に座る主将の福永であったが、赤星は得意のカットボールでサードゴロに打ち取り、最大のピンチを凌いだ。

スタメン抜擢に応える2安打目を放った国学院大の吉川
国学院大の楠茂は2回2/3を無失点という好投をみせ、8回裏には3番手として坂本が登板。トミージョン手術から復帰してリーグ戦初登板を果たした期待の右腕は、ストレートはMax143㌔をマークするも、いきなり4番花崎に変化球をうまくレフト前に運ばれると、バントを挟んで連続四球で満塁のピンチを背負ってしまい降板。8番の左打者の友田に対して、左腕の北山をマウンドに送るも、片岡監督はその初球にスクイズを決行。これを友田がうまく決めて3塁ランナーが生還し、2ランスクイズを狙った2人目のランナーはホームでアウトになったものの、日大が貴重な追加点をあげる。

貴重な追加点となるスクイズを決めた日大の友田
赤星は最終回も国学院大の攻撃を3人で締めて、見事に3安打完封勝利。日本大が3-0で勝利し、1部に復帰したばかりのチームが、春の優勝チームを破るという、戦国東都らしい番狂わせで秋季リーグは開幕したのであった。

完封勝利をあげて日大バッテリー

※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください
国学院大の春の優勝の原動力となったのが、川村・ダンテ・瀬戸・福永という打線の中核をなした4年生カルテッド。春には川村が首位打者、ダンテが本塁打王・打点王・MVPを獲得しており、この試合の翌日には、川村・瀬戸・福永がプロ志望届を提出しているほどの実力者たちだ。ただ春に4番を打っていた瀬戸は、ケガなのか、この試合では代打での1打席の登場のみでセカンドゴロ。川村・ダンテ・福永の3人も、赤星の前に完全に抑えられてしまい、この3人で放ったヒットはダンテの内野安打のみという有様であり、中軸を封じられてしまったことが国学院大の1番の敗因だったといえる。

内野安打を放つ国学院大の山本ダンテ
日大は機動力を生かした攻撃が際立った。特に1番中尾は4打席中3打席で出塁し、2番野村の打席で2盗塁を決めており、3回の先制点はまさに中尾の足で奪ったといえる得点であった。3点目もスクイズで得点をあげており、プロ志望届を提出した注目の3番峯村はノーヒットに抑えらるなどチームとしての安打数は国学院大と同じ4にとどまったが、機動力を生かして効率的に得点をあげられたことが、そのまま試合のスコアに反映されたといえる。もともと選手の質・数でいえば十分なほどに東都1部レベルのチームなので、昇格即優勝という話もなくはないと思わせる開幕戦であった。

機動力で先制点を演出した日大の1番中尾
Pickup Player
赤星優志 日本大4年 投手
~12球団のスカウトの前で見事な1部デビュー~
プロ志望届を提出した日本大のエース赤星が、プロ12球団のスカウトが集まった、この東都1部の開幕戦で見事に完封勝利をあげて、アピールに成功した。
赤星は日大鶴ケ丘時代から勢いのあるストレートが武器の右腕として活躍し、2年夏には甲子園ベスト4入りした東海大菅生相手に7回まで1失点の好投をみせるも、8回に2点を奪われて逆転負け。2年秋以降はエースとなり、1学年したの勝又(DeNA)とともに投手陣を支えた。3年秋にはプロ志望届を提出したものの、指名はなくそのまま日大に進学した。
日大では1年秋にリーグ戦デビューを飾ると、1年冬に行われた(高校生の)東京都選抜との試合で、150㌔をマークするなど持ち前のストレートの力がさらにアップ。2年秋にはリーグ戦初勝利をあげると、先発に定着した3年秋には青山学院大戦で152㌔をマークし、このシーズンで3勝をマーク。本格的にエースとなった4年春には、3勝をあげ、防御率0.78という活躍でチームを東都2部の優勝へ導き、MVPを受賞。入替戦でも東洋大から1失点完投勝利をあげると、続く立正大戦でも抑えとして試合を締めて、チームを4年ぶりの1部昇格に導いた。
この試合の3日前にはプロ志望届を提出した赤星は、1部デビューとなるこの開幕戦でもエースとして先発のマウンドに上がった。赤星のストレートはこの試合ではMax147㌔をマークし、カットボール・2シームといったストレート系の変化球を中心に、スライダー・カーブ・フォーク・チェンジアップと多彩な球で国学院大打線を翻弄。2回には味方のエラーもあり1死2・3塁のピンチを招くも、そこから連続ショートゴロに打たせてとると、3回も2死2るうのピンチで強打者のダンテからカットボールで空振り三振を奪う。5~7回は3イニング連続で3者凡退に抑え、8回の2死満塁のピンチではまたもやカットボールで4番福永をサードゴロに打ち取ると、最終回も3人で切り抜け、見事完封勝利をあげた。
赤星といえばMax152㌔のストレートのイメージが強いが、この試合では奪った三振は3個のみであり、どちらかというと打たせてとるピッチングが光った。スカウトの中でもゲームメイクのうまさや、投球術を評価するコメントが多く、初の東都1部のマウンドでのアピールに成功したといえる。この投球を続いていてけば、即戦力の投手が欲しいチームは、1ヶ月後のドラフト会議で赤星の名前がドラフトの早い段階で呼ばれることもあり得るかもしれない。

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