社会人野球のエース級が独立リーグへ
ルートインBCリーグのドラフト会議での指名選手が発表された。
ルートインBCリーグ 指名選手一覧
その中で1番の驚きであったのが、そこに群馬ダイヤモンドペガサスの選手として平川裕太(鷺宮製作所)の名前があったことだ。
平川はMax151㌔のストレートをはじめとして、スライダー・カーブ・SFFといった多彩な変化球を投じ、投げっぷり・マウンド度胸もいい投手で、鷺宮製作所でもすでにプロからも注目される投手である。経歴をみても東海大浦安では3年春に千葉大会準Vを果たし、関東大会では東海大相模から完投勝利。国際武道大では3年春には抑えとして、4年春にはエースとして、2年連続でチームを全日本選手権準優勝に導いている。特に4年時は伊藤(阪神)を抑えてエースの座を掴み、千葉学生野球連盟でも春秋連続でMVPを受賞するなど圧倒的な成績を残した。大学の段階でプロ志望届を提出していたら、どこかの球団に指名されていただろう選手である。ただ鷺宮製作所では1年目より先発にリリーフにエース級の活躍をみせているものの、3年目を迎えた今年のドラフト会議でも指名はなかった。

4年春に全日本選手権に国際武道大のエースとして臨んだ平川

昨年の都市対抗で登板した平川(鷺宮製作所)
アマチュア野球においてはプロ入りする選手を除けば、甲子園に出るような強豪校→名門大学野球→社会人野球(企業チーム)という流れが王道である。一方(例外はいるものの)独立リーグでプレーする選手は、高校や大学で思うような成績が残せずに、名門大学や企業チームから声がかからなかったという選手が多い。待遇としても練習環境や給与面、さらには引退後のことなどを考慮すると、鷺宮製作所のような企業チームの方がはるかに恵まれている。また企業チームは大卒で入社する選手が多く、数年プレーすれば年齢的にも20中盤に差し掛かるという事情もあって、企業チーム→独立リーグという選手は極めてすくない。
ただ独立リーグが社会人野球(企業チーム)に比べて優れているところとしては、ドラフト会議で指名されやすいということだ。これまでに育成選手として、企業チームの選手が指名されたことはないし、その他にも1チームあたりの人数制限があったり、指名順位に縛りがあったりと暗黙のルールがあるようで、企業チームの選手は指名がしづらい。それに対して独立リーグは、もともとプロ野球の養成機関的な位置づけも大きいので、育成契約も含めて指名はしやすい。ただトータルで考えれば上記の待遇面に加えて、都市対抗などのトップレベルの大会でいえば社会人野球の方がレベルは高く、そこで活躍することの方がスカウトの評価は上がると思われる。
それでも企業チーム→独立リーグと進路を選択した選手はいる。
坂本一将(セガサミー→石川ミリオンスターズ→オリックス)
喜多亮太(セガサミー→石川ミリオンスターズ)
川端晃希(JFE東日本→徳島インディコソックス→エイジェック)
宝楽健吾(セガサミー→香川オリーブガイナーズ)
アドゥワ大(バイタルネット→石川ミリオンスターズ)
望月涼太(東芝→香川オリーブガイナーズ)
長南有航(かずさマジック→栃木ゴールデンブレーブス)
石井照 (エイジェック→神奈川フューチャードリームス)
ただ彼らに共通するのは、所属していたチームではいわゆる主力というような活躍はできていなかったということだ。それに対して、平川はチームのエース級の投手であり、このような選手が独立リーグに行くことは、おそらく初めてでないかと思われる。
それでも平川が独立リーグへ行く意図としては、やはり上述のようにプロ入りする可能性を少しでも高くしたいということだろう。とりわけ社会人野球の選手は大卒なら入社から2年目からドラフトが解禁されるが、平川は3年目の今年も指名がなかった。実力以上の壁として、来年社会人野球の4年目となると年齢的なところもあり、指名がどんどん難しくなっていく。
おそらく来年平川は独立リーグで、無双に近い成績を残すだろう。それをスカウト陣がどう評価して、来年のドラフト会議での指名はあるのか?前代未聞ともいえる社会人野球のエース級投手の、独立リーグ挑戦がどのような結末を迎えるのか非常に楽しみである。
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その中で1番の驚きであったのが、そこに群馬ダイヤモンドペガサスの選手として平川裕太(鷺宮製作所)の名前があったことだ。
平川はMax151㌔のストレートをはじめとして、スライダー・カーブ・SFFといった多彩な変化球を投じ、投げっぷり・マウンド度胸もいい投手で、鷺宮製作所でもすでにプロからも注目される投手である。経歴をみても東海大浦安では3年春に千葉大会準Vを果たし、関東大会では東海大相模から完投勝利。国際武道大では3年春には抑えとして、4年春にはエースとして、2年連続でチームを全日本選手権準優勝に導いている。特に4年時は伊藤(阪神)を抑えてエースの座を掴み、千葉学生野球連盟でも春秋連続でMVPを受賞するなど圧倒的な成績を残した。大学の段階でプロ志望届を提出していたら、どこかの球団に指名されていただろう選手である。ただ鷺宮製作所では1年目より先発にリリーフにエース級の活躍をみせているものの、3年目を迎えた今年のドラフト会議でも指名はなかった。

4年春に全日本選手権に国際武道大のエースとして臨んだ平川

昨年の都市対抗で登板した平川(鷺宮製作所)
アマチュア野球においてはプロ入りする選手を除けば、甲子園に出るような強豪校→名門大学野球→社会人野球(企業チーム)という流れが王道である。一方(例外はいるものの)独立リーグでプレーする選手は、高校や大学で思うような成績が残せずに、名門大学や企業チームから声がかからなかったという選手が多い。待遇としても練習環境や給与面、さらには引退後のことなどを考慮すると、鷺宮製作所のような企業チームの方がはるかに恵まれている。また企業チームは大卒で入社する選手が多く、数年プレーすれば年齢的にも20中盤に差し掛かるという事情もあって、企業チーム→独立リーグという選手は極めてすくない。
ただ独立リーグが社会人野球(企業チーム)に比べて優れているところとしては、ドラフト会議で指名されやすいということだ。これまでに育成選手として、企業チームの選手が指名されたことはないし、その他にも1チームあたりの人数制限があったり、指名順位に縛りがあったりと暗黙のルールがあるようで、企業チームの選手は指名がしづらい。それに対して独立リーグは、もともとプロ野球の養成機関的な位置づけも大きいので、育成契約も含めて指名はしやすい。ただトータルで考えれば上記の待遇面に加えて、都市対抗などのトップレベルの大会でいえば社会人野球の方がレベルは高く、そこで活躍することの方がスカウトの評価は上がると思われる。
それでも企業チーム→独立リーグと進路を選択した選手はいる。
坂本一将(セガサミー→石川ミリオンスターズ→オリックス)
喜多亮太(セガサミー→石川ミリオンスターズ)
川端晃希(JFE東日本→徳島インディコソックス→エイジェック)
宝楽健吾(セガサミー→香川オリーブガイナーズ)
アドゥワ大(バイタルネット→石川ミリオンスターズ)
望月涼太(東芝→香川オリーブガイナーズ)
長南有航(かずさマジック→栃木ゴールデンブレーブス)
石井照 (エイジェック→神奈川フューチャードリームス)
ただ彼らに共通するのは、所属していたチームではいわゆる主力というような活躍はできていなかったということだ。それに対して、平川はチームのエース級の投手であり、このような選手が独立リーグに行くことは、おそらく初めてでないかと思われる。
それでも平川が独立リーグへ行く意図としては、やはり上述のようにプロ入りする可能性を少しでも高くしたいということだろう。とりわけ社会人野球の選手は大卒なら入社から2年目からドラフトが解禁されるが、平川は3年目の今年も指名がなかった。実力以上の壁として、来年社会人野球の4年目となると年齢的なところもあり、指名がどんどん難しくなっていく。
おそらく来年平川は独立リーグで、無双に近い成績を残すだろう。それをスカウト陣がどう評価して、来年のドラフト会議での指名はあるのか?前代未聞ともいえる社会人野球のエース級投手の、独立リーグ挑戦がどのような結末を迎えるのか非常に楽しみである。
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