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花巻東×広陵【明治神宮大会(高校の部)】

11/23 明治神宮大会(高校の部)準決勝
花巻東×広陵 @神宮球場

試合経過

神宮大会(高校の部)の準決勝第1試合は、東北地区代表の花巻東と中国地区代表の広陵の対戦。今大会3試合目となる花巻東は初登板となる背番号17の1年生右腕北條が、2回戦スタートの広陵はエース森山が2試合連続で先発のマウンドに上がった。

花巻東が2回に田代のヒットからワイルドピッチで1点を先制して迎えた2回裏、広陵は1死から大山がヒットで出塁すると、北條はバントの構えをしている森山に死球を与えてしまう。初回も満塁のピンチを招くも何とか凌いだ北條であったが、続く1番中川にも2球連続でボールとなったところで、佐々木監督は2番手として背番号10の左腕菊池興を送る。ただこの菊池興も制球が安定せずに、中川に四球を与えて満塁としてしまうと、2番松下には押し出しの四球を与えて同点。さらに3番内海の初球もボールとなったところで、花巻東は早くもエース萬谷をマウンドに上げることとなってしまう。萬谷に対して広陵打線は、3番内海が犠牲フライを放ち勝ち越すと、4番真鍋は甘く入ったスライダーを捉えてライトポール際に弾丸ライナーで飛び込む3ランホームランを放ち、広陵がこの回5-1と逆転に成功する。
20211123広陵 真鍋
3ランホームランを放った広陵の4番真鍋

花巻東は3回表に熊谷・渡辺と2本の2ベースで1点を返すも、広陵は3回裏に背戸川内の2ベースからサードのエラーで追加点。さらに4回裏にも3番内海がレフト線への2ベースで出塁すると、5番田上は右中間にタイムリー2ベース。さらに田上が3盗を決めると、この時の3塁への送球が逸れて一気にホームイン。5回裏にも中川・松下と1・2番の連打から。3番内海のライト線へのタイムリー2ベースで追加点を奪い、広陵が9-2と大きくリードして前半戦を終える。

前日からの連投となるエース萬谷を投入しても、広陵打線の勢いを止めることのできない花巻東としては、こうなったら打撃戦に持ち込むしかない。6回表には3番佐々木のこの試合初ヒットからチャンスを作ると、5番小澤がライト線へタイムリー2ベースを放ち反撃開始。7回表には代打廣内のヒットと四球でチャンスを作って、広陵のエース森山を降板に追い込むと、代わった岡山から3番佐々木がレフトオーバーの2点タイムリー2ベースを放ち、5-9と徐々に点差を詰め始める。
20211123花巻東 小澤
6回に花巻東の反撃の狼煙となるタイムリーを放つ小澤

花巻東はさらに8回表には、四球と熊谷・宮澤の連打で満塁のチャンスを作ると、2番渡辺の犠牲フライでまず1点。なおも1死1・2塁のチャンスで3番佐々木を迎えると、佐々木はカウント2B1Sから甘く入ったストレートを捉え、ライトフェンスをギリギリ越える高校通算49号となる3ランホームランを放ち、花巻東が何と最大7点あったビハインドを追いつき、試合のスコアは9-9となる。
20211123花巻東 佐々木
同点3ランを放つ佐々木

追いつかれてしまった広陵だが8回裏、花巻東の4番手のサイド右腕工藤に対して、1死から小林がレフト前ヒットで出塁。ランナー入れ替わって2死1塁となってしまうも、7番川瀬が右中間にタイムリー3ベース。途中出場の小林・川瀬の2人の活躍で勝ち越しに成功する。
20211123広陵 川瀬
勝ち越しのタイムリー3ベースを放った川瀬

9回表、広陵は3番手としてライトを守っていた内海がマウンドに上がるも、花巻東は1死から6番千葉がヒットで出塁すると、続く7番菊地敏の打球をサードがエラーしてしまい、1・2塁のチャンスを作る。2死となってから迎えるは熊谷は9番ながらこの試合3安打と当たっており、2球目の変化球をうまく三遊間に弾き返す。花巻東の3塁コーチャーは腕を目一杯回すも、あらかじめ前に守っていたレフト小林がホームで刺してゲームセット。大打撃戦となった試合は、広陵が10-9で勝利し、決勝進出を決めた。
20211123広陵 広陵
好返球の小林を出迎える広陵ナイン


20211123花巻東×広陵
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください


敗れた花巻東であるが、最大7点差を追いついた終盤の猛攻は見事であった。そしてその中心にいたのは、やはり1年生ながらこの試合で早くも高校通算49号をマークしたスラッガーの佐々木であろう。1打席目では森山のカーブの前に意表を突かれて三振に倒れたものの、6回には反撃の口火をきるヒット、7回にはレフトオーバーの2点タイムリー2ベース。8回には同点3ランを放ち、結果的に3安打5打点という見事な活躍。また佐々木がいることで、花巻東打線自体も佐々木に回せばという思いで繋がりが出ているように感じられ、その個人の結果以上に打線に貢献しているといえる。あとはセンバツに向けてエース萬谷以外の投手でも、試合が作れるように投手陣を整備していくことが課題となるだろう。

5回の時点では7点のリードを奪っていた広陵。ショートには川瀬を、レフトには小林と共に守備に定評がある選手を投入したものの、まさかの8回には同点に追いつかれてしまう。そうなると、この交代は完全に裏面に出たように見えたが、8回裏には小林のヒットから、川瀬がタイムリー3ベース。背番号6をつけながた控えに回っていた主将の一打が決勝点となった。真鍋・松下・田上・谷本と有望な1年生が活躍をみせて、レギュラー争いが激化し、控えにも実力者が揃う厚い選手層が際立った試合であった。


Pickup Player
内海優太 広陵2年 ライト兼投手
~強烈な打球の2本の2ベース~
広陵の3番内海は、2本の2ベースを放ち、最終回はマウンドにも上がるなど、打って投げて走っての活躍でチームに勝利をもたらした。

内海は広陵では1年秋からベンチ入りを果たすと、2年春の広島大会では4番ファーストを務めた。2年夏は背番号9をつけ、持ち前の強打で引き続き4番を務め、さらに投手としても広島工業戦で1失点完投勝利をあげるなど活躍した。2年秋の広島大会では背番号1を背負うも、森山の台頭などもあり、おもに3番ライトとして活躍。中国大会決勝ではホームランを含む3安打の活躍をみせるなどして、優勝に貢献した。神宮大会の初戦となった2回戦の明秀日立戦でも、2ランホームランを放ち、相手エースに「どこに投げても当てられる感覚があった。オーラがあった」と言われたほどの強打者は、この試合でも引き続き3番ライトでスタメン出場した。

第1打席はストレートの四球で、満塁のチャンスで迎えた第2打席では初球を投げたところで投手が交代。エース萬谷が登板するも、スライダーをきっちりをセンターに弾き返して勝ち越しの犠牲フライを放った。第3打席では初球を叩くと強烈な打球はサードのわずか横(三遊間)を抜けるヒット。通常ではシングルヒットという打球であったが、球足の速い打球をレフトが捕ったのはややレフト線よりであり、これを見ると一気に2塁を陥れる好走塁で2ベースとしてみせた。2死1・2塁で迎えた第4打席では、スライダーを捉えると、これもまた強烈な打球がファーストの頭上を越えて、ライト線へのタイムリー2ベース。最終打席こそ力んでピッチャーゴロホームゲッツーになってしまったが、結局3打数2安打2打点3出塁という活躍であった。

そして9回裏には、ライトからマウンドにも上がった。185㎝という長身で、左腕にしては珍しく、縦に角度のある球の投手で、130㌔ちょっとのストレートとスライダー・カーブ・チェンジアップといった一通りの変化球を投げていた。味方のエラーもあってピンチを招くも、最後はレフト小林がホームでランナーを刺して、何とか無失点で切り抜け、試合を締めた。投手としてはこの秋は登板機会が少なかったこともあり、まだ本来の実力が出せていないように見えたが、右腕3人(森山・岡山・松林)という投手陣においては、左腕としても貴重な存在である。

ただ将来的なところを考えると、現状は野手としての評価が高かそうだ。この試合の2本の2ベースはともに、強烈な打球であり、選手層の厚い広陵打線においても、3番内海・4番真鍋は抜けている存在であり、スカウトからの評価も上がったことであろう。来年のセンバツでも活躍ができれば、一気に上位候補にもなりうる存在だと感じた。

20211123広陵 内海

20211123広陵 内海2
打っては2ベース2本、最終回のマウンドにも上がった内海


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