Honda×東芝【JABA東京がスポニチ大会】
3/9 JABA東京スポニチ大会決勝
Honda×東芝 @神宮球場
試合経過
社会人野球において、今年初の公式戦となるJABA東京スポニチ大会の決勝は、ここまで4試合で34得点3失点と圧倒的な強さを誇り勝ち上がってきたHondaと、連覇を目指す東芝の戦いとなった。
Hondaは2回表、1死から5番藤野がポテンヒットで出塁。2死1塁となって迎えた、今大会好調の7番千野の打球は、風にも乗ってレフトの頭上を越えるタイムリー2ベースとなってHondaが先制する。

先制タイムリーを放った千野
先制点を許してしまった東芝先発の粂であるが、TDK戦で先発をして打球を受けて2回で降板したことは、心配ないと感じさせる投球。サイドハンドから繰り出すMAX142㌔のストレートと、スピード曲がり幅にバリエーションのあるスライダーのコンビネーションで、4回1失点と先発の役割を果たした。ドラフト解禁となる2年目に、まずまずのスタートが切れたといえるだろう。

4回1失点の好投をみせた東芝の粂
3回までHondaの先発東野の前に、ランナーを出しながらも無得点に抑えられていた東芝打線であるが、4回裏には下山の内野安打と四球で1・2塁のチャンスを作ると、7番柴原がカウント2B0Sからの甘く入った変化球を捉えると打球はレフトスタンドに飛び込む逆転の3ランホームラン。この決勝でスタメンマスクを被った東芝の主将が、履正社の後輩から貴重な1打を放った。

値千金の逆転3ランを放った柴原
5回からは両チームともに継投にはいる。Honda打線は左打者が6人と多かったこともあり、東芝は2番手として今年腕の位置をさらに下げて完全にサイドスローとなった左腕の松山が登板し、5・6回を無失点。一方のHondaは有村が登板し、5回は東芝打線を3者三振に抑え、6回は満塁のピンチを招いたものの、こちらも何とか抑えて2回無失点であった。

リリーフ登板し2回を無失点に抑えた有村
追いつきたいHondaは7回表、1死から1番鈴木が死球で出塁すると、すかさず盗塁を決めて、2番峯村はセーフティバンドを決めて1・3塁のチャンスを作る。東芝はここで松山から、今年から投手登録となった谷川にスイッチすると、谷川が3番小口をファーストフライ→4番井上から空振りの三振を奪う最高のリリーフを見せた。
Hondaは7・8回と午前中の準決勝でも登板した山下拓が登板し、テイクバックをコンパクトにしたフォームからテンポ良く東芝打線を打ち取って行き2回無失点。ただHonda打線も、最終回に檜村のレフト線への2ベースでチャンスを作るものの、あと1本が出ず…。東芝が3ー2で勝利して、JABA東京スポニチ大会を連覇し、日本選手権出場を1番乗りで決めた。

優勝を決めてガッツポーズの谷川

※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください
東芝は昨年の優勝の立役者であった吉村がヤクルトに入団して、その穴埋めが必須となっていた。ただ昨年の日本選手権では吉村をリリーフにして、そこで先発を務めていた藤村・粂の2人は健在。特に藤村はエースとして、まだ社会人野球3年目とは思えない熟練した投球を披露し、初戦と準決勝で完投勝利をあげて、今大会のMVPに選ばれた。さらにルーキーの北村も、王子戦で1失点完投勝利。リリーフでは今年から投手登録となった谷川が、見事な投球をみせており、全体として吉村の穴は埋まりそうだ。
さらに今年の東芝の注目は野手で、多くの有望株が入社。内野手は齊藤(法政大)・下山(慶応大)・山田(青学大)の3人が全試合でスタメン出場し、準決勝まで4番を務めた光本(帝京大)も含めて、1・3・4・5番と打線の核を新人が担った。例年JABA東京スポニチ大会は、ルーキーなどを試す機会となっていることもあるが、平馬監督はこれがベストオーダーと言っている。今大会で首位打者を獲得した松本や、この試合で逆転3ランを放った柴原らベテラン勢も健在で、今年の東芝打線は非常にパワーアップしたといえる。

この決勝戦では4番に入った東芝のルーキー下山
Pickup Player
谷川刀麻 東芝 投手
~東芝の根尾がチームを優勝に導く好リリーフ~
優勝の瞬間に東芝のマウンドにいたのは、社会人野球にしては珍しい背番号7をつけた谷川であった。
谷川は投打にセンス溢れる選手で、星稜では早い段階から投手兼外野手としてベンチ入りし、1年秋からはセンターのレギュラー。2年夏にはリードオフマンとして、石川大会で打率.409、投げてもエース岩下(ロッテ)をはじめとした投手陣の一角として4試合に登板し、甲子園出場を果たした。2年秋からはエース兼主将として、チームを牽引するも、甲子園出場はならなかったが、投げてはMAX148㌔右腕、打っても高校通算18発で走力もある選手としてプロからも注目された。
近畿大に進学すると、外野手として1年春ならレギュラーを獲得。2年春春には立命館大の東(DeNA)から2ランを放ち、3年秋は外野で、4年秋はサードとしてベストナインを受賞、4年時はチームの主将も務め、4年秋には神宮大会にも出場した。投手としても4試合ながら、リーグ戦のマウンドに上がり、二刀流も披露している。
東芝には野手として入社し、昨年も日本選手権ではDHとしてスタメン出場を果たすなどしていたが、プロ入りが期待されるレベルの選手だけに、目立った活躍はできずに、本来のポテンシャルを発揮できてはいなかったと思う。そんな谷川が、今年からは投手登録となり、初の公式戦となるこのJABA東京スポニチ大会では予選リーグのTDK戦にリリーフ登板して、3回無失点で初勝利をあげていた。
この試合で谷川は、3ー1とリードはしているものの、7回表1死1・3塁というピンチで、マウンドに上がった。しかも迎えるのはHondaのクリーンアップであったが、3番小口をファーストファールフライ、4番井上を最後はチェンジアップで三振に仕留め、最高の結果を出した。谷川はコンパクトに腕を振り抜き、声を出して気合い十分の投球でストレートはMAX144㌔をマーク。ただそれ以上に目を引いたのは変化球で、33球中18多摩と投球の半分以上を占めていた。キレのあるスライダーはしっかりコントロールもされていて、縦に大きく曲がるカーブ、腕の振りがいいのでチェンジアップも有効であった。野手から投手に転向するタイプは、やはりスピードに秀でている一方、コントロールや変化球は鍛えましょうというタイプが多いが、谷川に関しては全てがもう投手としても十分なレベルにあった。
昨年の日本選手権で抑えを務めた吉村がヤクルトに入団したところに、この谷川の転向が成功したのは非常に大きい。ちなみに谷川は野手時代の背番号7をそのままつけており、まさに中日の根尾と同じだ。大卒で社会人4年目となる谷川だが、
投手としては事実上1年目であり、プロのスカウトが目をつける可能性も十分にあるだろう。

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Honda×東芝 @神宮球場
試合経過
社会人野球において、今年初の公式戦となるJABA東京スポニチ大会の決勝は、ここまで4試合で34得点3失点と圧倒的な強さを誇り勝ち上がってきたHondaと、連覇を目指す東芝の戦いとなった。
Hondaは2回表、1死から5番藤野がポテンヒットで出塁。2死1塁となって迎えた、今大会好調の7番千野の打球は、風にも乗ってレフトの頭上を越えるタイムリー2ベースとなってHondaが先制する。

先制タイムリーを放った千野
先制点を許してしまった東芝先発の粂であるが、TDK戦で先発をして打球を受けて2回で降板したことは、心配ないと感じさせる投球。サイドハンドから繰り出すMAX142㌔のストレートと、スピード曲がり幅にバリエーションのあるスライダーのコンビネーションで、4回1失点と先発の役割を果たした。ドラフト解禁となる2年目に、まずまずのスタートが切れたといえるだろう。

4回1失点の好投をみせた東芝の粂
3回までHondaの先発東野の前に、ランナーを出しながらも無得点に抑えられていた東芝打線であるが、4回裏には下山の内野安打と四球で1・2塁のチャンスを作ると、7番柴原がカウント2B0Sからの甘く入った変化球を捉えると打球はレフトスタンドに飛び込む逆転の3ランホームラン。この決勝でスタメンマスクを被った東芝の主将が、履正社の後輩から貴重な1打を放った。

値千金の逆転3ランを放った柴原
5回からは両チームともに継投にはいる。Honda打線は左打者が6人と多かったこともあり、東芝は2番手として今年腕の位置をさらに下げて完全にサイドスローとなった左腕の松山が登板し、5・6回を無失点。一方のHondaは有村が登板し、5回は東芝打線を3者三振に抑え、6回は満塁のピンチを招いたものの、こちらも何とか抑えて2回無失点であった。

リリーフ登板し2回を無失点に抑えた有村
追いつきたいHondaは7回表、1死から1番鈴木が死球で出塁すると、すかさず盗塁を決めて、2番峯村はセーフティバンドを決めて1・3塁のチャンスを作る。東芝はここで松山から、今年から投手登録となった谷川にスイッチすると、谷川が3番小口をファーストフライ→4番井上から空振りの三振を奪う最高のリリーフを見せた。
Hondaは7・8回と午前中の準決勝でも登板した山下拓が登板し、テイクバックをコンパクトにしたフォームからテンポ良く東芝打線を打ち取って行き2回無失点。ただHonda打線も、最終回に檜村のレフト線への2ベースでチャンスを作るものの、あと1本が出ず…。東芝が3ー2で勝利して、JABA東京スポニチ大会を連覇し、日本選手権出場を1番乗りで決めた。

優勝を決めてガッツポーズの谷川

※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください
東芝は昨年の優勝の立役者であった吉村がヤクルトに入団して、その穴埋めが必須となっていた。ただ昨年の日本選手権では吉村をリリーフにして、そこで先発を務めていた藤村・粂の2人は健在。特に藤村はエースとして、まだ社会人野球3年目とは思えない熟練した投球を披露し、初戦と準決勝で完投勝利をあげて、今大会のMVPに選ばれた。さらにルーキーの北村も、王子戦で1失点完投勝利。リリーフでは今年から投手登録となった谷川が、見事な投球をみせており、全体として吉村の穴は埋まりそうだ。
さらに今年の東芝の注目は野手で、多くの有望株が入社。内野手は齊藤(法政大)・下山(慶応大)・山田(青学大)の3人が全試合でスタメン出場し、準決勝まで4番を務めた光本(帝京大)も含めて、1・3・4・5番と打線の核を新人が担った。例年JABA東京スポニチ大会は、ルーキーなどを試す機会となっていることもあるが、平馬監督はこれがベストオーダーと言っている。今大会で首位打者を獲得した松本や、この試合で逆転3ランを放った柴原らベテラン勢も健在で、今年の東芝打線は非常にパワーアップしたといえる。

この決勝戦では4番に入った東芝のルーキー下山
Pickup Player
谷川刀麻 東芝 投手
~東芝の根尾がチームを優勝に導く好リリーフ~
優勝の瞬間に東芝のマウンドにいたのは、社会人野球にしては珍しい背番号7をつけた谷川であった。
谷川は投打にセンス溢れる選手で、星稜では早い段階から投手兼外野手としてベンチ入りし、1年秋からはセンターのレギュラー。2年夏にはリードオフマンとして、石川大会で打率.409、投げてもエース岩下(ロッテ)をはじめとした投手陣の一角として4試合に登板し、甲子園出場を果たした。2年秋からはエース兼主将として、チームを牽引するも、甲子園出場はならなかったが、投げてはMAX148㌔右腕、打っても高校通算18発で走力もある選手としてプロからも注目された。
近畿大に進学すると、外野手として1年春ならレギュラーを獲得。2年春春には立命館大の東(DeNA)から2ランを放ち、3年秋は外野で、4年秋はサードとしてベストナインを受賞、4年時はチームの主将も務め、4年秋には神宮大会にも出場した。投手としても4試合ながら、リーグ戦のマウンドに上がり、二刀流も披露している。
東芝には野手として入社し、昨年も日本選手権ではDHとしてスタメン出場を果たすなどしていたが、プロ入りが期待されるレベルの選手だけに、目立った活躍はできずに、本来のポテンシャルを発揮できてはいなかったと思う。そんな谷川が、今年からは投手登録となり、初の公式戦となるこのJABA東京スポニチ大会では予選リーグのTDK戦にリリーフ登板して、3回無失点で初勝利をあげていた。
この試合で谷川は、3ー1とリードはしているものの、7回表1死1・3塁というピンチで、マウンドに上がった。しかも迎えるのはHondaのクリーンアップであったが、3番小口をファーストファールフライ、4番井上を最後はチェンジアップで三振に仕留め、最高の結果を出した。谷川はコンパクトに腕を振り抜き、声を出して気合い十分の投球でストレートはMAX144㌔をマーク。ただそれ以上に目を引いたのは変化球で、33球中18多摩と投球の半分以上を占めていた。キレのあるスライダーはしっかりコントロールもされていて、縦に大きく曲がるカーブ、腕の振りがいいのでチェンジアップも有効であった。野手から投手に転向するタイプは、やはりスピードに秀でている一方、コントロールや変化球は鍛えましょうというタイプが多いが、谷川に関しては全てがもう投手としても十分なレベルにあった。
昨年の日本選手権で抑えを務めた吉村がヤクルトに入団したところに、この谷川の転向が成功したのは非常に大きい。ちなみに谷川は野手時代の背番号7をそのままつけており、まさに中日の根尾と同じだ。大卒で社会人4年目となる谷川だが、
投手としては事実上1年目であり、プロのスカウトが目をつける可能性も十分にあるだろう。

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