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関西国際大×天理大【阪神大学野球連盟】

5/1 阪神大学野球連盟 第4節1日目
関西国際大×天理大 @ほっともっとフィールド神戸

試合経過

阪神大学野球連盟の、関西国際大×天理大のゴールデンカードの第1戦。首位の天理大に対し、関西国際大は勝ち点を落とすと優勝が絶望となる。初戦なので、関西国際大は不後、天理大は藤居の両エースが先発のマウンドに上がった。

天理大は1回裏、吉田元が四球→下林のサード強襲ヒットで1・2塁のチャンスを作ると、4番近藤の初球で意表をつくダブルスチール。続く2球目を近藤がセンターに犠牲フライを放ち、鮮やかに天理大が先制する。関西国際大は2回表、連続死球から木谷が送って2・3塁のチャンスを作ると、9番杉浦のショートゴロの間に同点に追いつく。

天理大の藤居は、近江高では林(西濃運輸→楽天)の控えであったものの、天理大では昨年から先発の1番手を務めるまでに成長。長い腕をコンパクトに振り抜き、ストレートはMAX140㌔であったが、スライダー・カーブ・チェンジアップといった変化球でうまく緩急をつけられる投手だ。3回以降もランナーは出しながらも粘り強く投げ抜き、6回まで関西国際大打線を1点に抑える。
20230501天理大 藤居
天理大の先発の藤居

関西国際大は7回表、先頭の山本が内野安打で出塁して、続く山添ショートゴロで進塁して1死2塁とチャンスを作る。このピンチを天理大は藤居→長野にピッチャーを交代し、松商学園バッテリーに託したものの、関西国際大は2死1・3塁となってから、6番高山がレフトへタイムリーを放ち、勝ち越しに成功する。
20230501関西国際大 高山
勝ち越しのタイムリーを放った高山

チャンスを作ってきた関西国際大打線とは対照的に、天理大打線は4回以降は不後の前にノーヒットに抑えられてしまい、そのまま最終回を迎えてしまう。ただ9回裏、先頭の4番近藤が変化球をうまくライト前に運ぶと、続く中川のバントは自らもセーフとなるヒットで無死1・2塁。代打早川のバントは失敗に終わるも、7番牛島は詰まりながらもショートとセンターの間に落ちるヒット。判断が難しい打球であったが、2塁ランナーの中川も思い切りよくスタートし、一気にホームインして天理大が土壇場で同点に追いつく。ただ続くサヨナラのチャンスでは、不後が踏ん張って小林→代打西村を打ち取り、試合は2ー2で9回終了。10回からは無死1・2塁で継続打順スタートのタイブレークに突入する。
20230501天理大 牛島
土壇場で同点タイムリーを放つ牛島

天理大は9回からマウンドに上がっている1年生の的場が続投し、10回表の関西国際大の攻撃は代打井戸川がバントし、この回からファーストについていた野上が3塁へ送球も判定はセーフで無死満塁。6番高山はサードライナーで1死となるも、7番神内が初球を左中間へ運ぶタイムリー2ベースを放ち2者が生還。さらに代打三木のショートゴロの間にもう1点を追加し、3点差とする。
20230501関西国際大 神内
貴重な2点タイムリー2ベースを放った神内

関西国際大は不後が引き続き10回のマウンドに上がり、後攻の天理大は3点差となるとバントなどしている場合てばないので強攻策に出るものの、1番天野の打球はサードライナーとなり、2塁ランナー戻れずにゲッツー。不後が最後の打者を素早い打球反応でピッチャーゴロに仕留めて、10回2失点完投。関西国際大がタイブレークの激戦を制して、優勝への望みを繋いだ。


20230501関西国際大×天理大
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください


関西国際大が意地をみせた試合であった。阪神大学野球連盟は天理大と関西国際大の2強というイメージがあったが、気づけばここのところはリーグ戦では、天理大が4連覇中。この試合のメンバーを見ても、天理大の方が甲子園経験者も多く、やや戦力的にも差があるようにみえた。ただこの試合に関していえば、チャンスは圧倒的に関西国際大の方が多く、エース不後も素晴らしい投球をみせており、試合を支配していた。最終回には同点においつかれて、タイブレークを経ての勝利となったものの、関西国際大が勝利したのは当然の結果といえるものであった。

敗れてしまった天理大は正直この試合では完璧にやられてしまったが、まだ悲観する必要はない。上述のように戦力でいえば天理大の方が上であるとみており、不後が投げられない第2戦、さらには10回投げ抜いた後の中1日での登板が予想される第3戦となれば、天理大にも大いに勝機がある。特に天理大の戦力で目を引いたのは、9回からマウンドに上がった1年生の的場だ。大坂電通大高では関大北陽相手に20奪三振をマークしプロからも注目された右腕は、そのまま大坂電通大には進学せずに、同リーグの強敵となる天理大に進学。1年春からリリーフとして登板を果たしており、この試合でも1点ビハインドの9回、さらにはタイブレークのマウンドを任された。最終的に敗け投手となってしまったが、これはやや不運なところもあり、186㎝の長い腕をスリークウォーター気味に振り抜いて繰り出すストレートには角度があり、スピードはMax138㌔にとどまったが、威力は十分であった。今年で藤居・真城の2枚看板が抜けても、来年以降も天理大の天下を予感される存在であった。
20230501天理大 的場
大きな期待を抱かせる天理大の1年生右腕の的場


Pickup Player
不後祐将 関西国際大4年 投手
~鉄腕がこの試合も10回完投~
関西国際大のエース不後が、この春季リーグ戦で早くも3回目となる10イニング完投で、チームに勝利をもたらせた。

2016年にはWBSC U-15ベースボールワールドカップに出場。チームメイトに宮城(オリックス)や及川(阪神)らといった左腕がいたこともあり、投手だけでなく野手としても試合に出場していた。中京へ進学すると1年秋からエース格として、同期の藤田(阪神)とのバッテリーで活躍するも、1年秋・2年秋ともに東海大会準決勝で敗退と甲子園にあと1歩のところで涙をのんだ。ただ3年夏の岐阜大会ではエースとして全試合に先発、今年のドラフト候補である赤塚(中京学院大)や1個下の元(オリックス)とのリレーで岐阜大会を制覇し甲子園に出場。甲子園でも同じく全試合で先発を務め、3回戦では遠藤(阪神)・西川(ロッテ)・山村(西武)・石田(巨人)擁する東海大相模を破り、準々決勝でも作新学院を破り、準決勝では奥川(ヤクルト)擁する星稜に敗れたものの、見事ベスト4まで進出した。

関西国際大でも1年秋から先発として勝ち星をあげており、2年秋には大勢(巨人)に次ぐ先発2番手として5勝(敗けなし)の活躍をみせ、3年春からはエース。今年も絶対的エースとして、3完投(うち2回は延長10回完投)で3勝をマークしており、前回の10回完投から中3日でも、この天理大との大一番で先発のマウンドに上がった。

序盤3回までは天理大打線にやや打ち込まれ、ピンチを背負うことも多かったものの、4回からは得意のカットボールを中心とした投球に切り替え、ストレートもスピードが上がってきて復調。4回~8回は天理大打線をノーヒット、打者15人で片づけるという快投をみせた。9回には同点に追いつかれたものの、その後のサヨナラのピンチも防ぎ、無死12塁スタートのタイブレークも無失点で切り抜けて、この春のリーグ戦3回目となる10回完投勝利をあげた。

不後はストレートはこの試合ではMax143㌔をマークし、球速差の少ないカットボールとのコンビネーションが有効で、スライダーやカーブで緩急をつけることができる。右バッターのインコースにも臆せず投げ込むことのできるコントロールとマウンド度胸もあり、スタミナやフィールディングも抜群で、投手としての全ての能力が高い選手だ。小柄な左腕であるし、大卒プロというよりは、社会人経由というタイプかもしれないが、社会人入りすれば1年目から重宝される投手であろう。

またこの試合では投手であったが、高校時代から打撃もよく、前節では先発登板しない試合に3番DHで出場してタイムリーを放つ活躍をみせた。藤田(阪神)にもらったバットで出場しているという急造打者のようだが、本当に凄いことで、二刀流としての期待もかかる万能選手である。
20230501関西国際大 不後



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