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霞ヶ浦×常総学院【秋季茨城大会シード決定トーナメント】

9/10 春季茨城大大会シード決定トーナメント1回戦
霞ヶ浦×常総学院 @TOKIWAスタジアム龍ヶ崎

試合経過

秋季茨城大会は2次予選と同時に、1次予選を勝ち抜いたチームにより、シード決定戦が行われている。茨城の中でも強豪が集う南地区は、藤代・土浦日大・常総学院・霞ヶ浦と、茨城大会の4強の顔ぶれと言われても遜色ない4チームによるシード決定戦となっている。そしてそのシード決定戦の初戦で、霞ヶ浦×常総学院という茨城のゴールデンカードが実現。本大会を見据えて…ということなく、霞ヶ浦は市村、常総学院は小林と両エースが先発のマウンドに上がった。

常総学院のエース小林は、MAX149㌔を誇り、来年のドラフト候補としても期待される右腕。夏まではリリーフでの登板が多かったが、新チームではエースとして先発すべく、ややシフトチェンジしているように見えた。フォームは右腕が体に隠れるようで、打者からは見づらくなってとおり、本気というよりはやや脱力した感じで投げているにも関わらずスピードがある。

そんな小林に対して、霞ヶ浦は初回に立ち上がり制球を乱したところで2四球を選び、チャンスを作ると、注目の4番羽成の打球は外のストレートをうまく弾き返し、左中間深くへの打球となった。誰もが霞ヶ浦の先制と思ったものの、常総学院のセンター池田が超スーパーファインプレーといえるダイビングキャッチを見せて小林を助ける。

小林は2回以降は制球は安定したものの、やはりスピードだけでは抑えられないのが霞ヶ浦打線。3回表には羽成と雨貝の連打に、死球で満塁のチャンスを作ると、8番鹿又が三遊間を破るヒットを放ち2者が生還し、先制点をあげる。
20230910霞ヶ浦 鹿又
先制タイムリーを放った鹿又

2回までは霞ヶ浦の186㎝左腕の市村の前にヒットが出ていなかった常総学院だが、3回裏には先頭の池田がセーフティバンドを決めて口火を切ると、齋藤のヒットと四球で無死満塁のチャンス。2番西谷のセカンドゴロ併殺崩れの間に初得点をあげると、3番近藤の犠飛で同点。さらに3塁へタッチアップしたランナーを刺そうとした霞ヶ浦の送球が逸れる間に、もう1点を追加して、3ー2と逆転に成功する。

霞ヶ浦は直後の4回表、四條・大石の連打で1・3塁のチャンスを作る。4番羽成の強烈な三遊間の打球をショート若林がダイビングキャッチして6-4でセカンドアウト。ただこの間に四條がホームインして、3ー3の同点に追いついた。

試合は5回以降は両チーム投手陣の好投が光る展開となる。常総学院は4回まで毎回ピンチを招いた小林が5・6回は3人ずつで抑えて流れに乗るかと思われたが、7回の先頭打者に不用意に四球を出してしまったところで交代。ただここで代わった左サイドスローの平が、雲井をサードゴロ併殺に仕留めるなどして、打者5人で2イニング無失点の好投。9回は基本はサイドスローだが、腕の位置を変えながら投げる右腕の大木が登板して1イニングを無失点に抑えた。
2023090常総学院 平
好リリーフをみせた常総学院の2番手平

対する霞ヶ浦も市村が、5〜7回は持ち味の緩急をつけた投球で、ピンチもなく無失点。8回からは市村の代打で出場した乾がそのまま登板。190㎝の大型右腕は、後輩の市村に負けじと2イニングを無失点に抑え、試合は3ー3のまま延長戦タイブレークに突入する。
20230910霞ヶ浦 市村
7回3失点(自責点)の好投をみせた霞ヶ浦のエース市村

10回表に常総学院は4番手として144㌔右腕の大川が登板。4番羽成からの攻撃となった霞ヶ浦は、羽成がセンター前ヒットを放ち無死満塁とする。しかし5番雨貝の打球は、ファースト武田が好捕すると3-2-3のホームゲッツー。この試合はセンター前ヒット1本に終わったプロ注目の主砲が守備で魅せた。続く雲井は際どいところを攻められて四球で再び満塁となるも、7番羽賀に対して大川は得意の鋭く曲がるスライダーで3球三振。元常総学院のエース大川慈英を兄にもつ右腕が、タイブレークを無失点で凌いだ。
2023090常総学院 大川
タイブレークを無失点でしのいだ大川

これで流れに乗った常総学院はその裏、1番丸山が堅実に送って2・3塁とすると、途中出場の2番杉山の打球は前進守備のセカンドとライトの間にポトリと落ちるサヨナラタイムリーヒット。常総学院がタイブレークの末、新世代で最初の茨城ゴールデンカードを制した。
2023090常総学院 杉山
サヨナラ打を放った杉山


20230910霞ヶ浦×常総学院
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください


この秋からの新世代では、エース小林・4番武田と投打の軸に来年のドラフト候補を抱えている常総学院は戦力的に頭1つ抜けていると予想されていた。ただこの試合の小林は序盤からピンチの連続で苦しい投球。持ち前のストレートはいいものがあったが、変化球はカットボールのようなスライダーは良かったものの、他のボールはまだ完成度が高くないようで、緩急をつけられずに、結果的に霞ヶ浦打線はストレートに合わせるのが楽になってしまったように見えた。7回の降板後には、横浜などでリリーフとして活躍した島田監督から檄が飛ぶシーンもあった。フォームや力の入れ具合などこれまでのリリーフから、先発にシフトした投球も見せたが、先発としてはやはり変化球の向上が必要だろう。背番号10をつける大川も、ストレートにスライダーに素晴らしいボールを持っており、常総学院のエースとして遜色ない投手だけに、小林にはエースの座を死守すべく本大会までにどう仕上げてくるか注目だ。
2023090常総学院 小林
常総学院の新エース小林

常総学院とは対照的に、投打の柱である木村が抜けるなど、前チームならの経験者が少なかった霞ヶ浦。しかしこの試合では、新たな投打の柱がその片鱗を見せた。まず背番号1を背負った186㎝の1年生左腕の市村は、角度のあるボールに、緩急をうまく使って常総打線を翻弄。3回の3失点も守備のミスが絡んでおり、7回まで投げて自責点0は立派なもの。これでボールにスピードがついて来れば、再来年のドラフト候補となるだろう。4番に座った羽成は、4打数2安打1打点の活躍で、アウトになった2打席も、いずれも常総学院の超がつくほどのファインプーに阻まれた打球だった。打撃内容でいえば、常総投手陣から4安打といっても過言でない内容で、霞ヶ浦打線の中心として本大会での打撃にも期待したい。
20230910霞ヶ浦 羽成
全打席でヒット性の当たりを放った霞ヶ浦の主軸羽成


Pickup Player
池田翔吾 常総学院2年 センター
復活したセンターが大ファインプレーでチームを救う
常総学院のセンター池田は初回の守備で大ファインプレー、打っても3安打の活躍で勝利に貢献した。

俊足が武器の外野手の池田は、1年秋にセンターのレギュラーとして出場。しかしその後はケガなのか事情は分からないが、2年春夏とベンチメンバーにその名はなかった。最高学年となったこの2年秋は再びセンターのレギュラーを獲得。島田監督は前チームで夏にセンターのレギュラーとなっていた近藤をレフトにして、センターに池田を入れているのでその守備力の高さがうかがえる。

この試合では8番センターでスタメンに名を連ねた池田がいきなりその守備力を見せつける。1回表1死1・2塁で霞ヶ浦の4番羽成の放った打球は左中間への大飛球となり、これは長打かと思ったが、センター池田が斜め後ろに走りながら、これをダイビングキャッチ。真横や前ならともかく、やや後ろに走りながらのダイビングキャッチなので本当に難しいプレーであった。抜けていれば間違いなく初回に2点を失っていたところであり、試合の流れを決める意味でも本当に大きなプレーであった。

池田は打つ方でも、チームが2回までノーヒットに抑えられ、3回の先頭打者として迎えた第1打席では右方向へのプッシュ気味のセーフティバントを決めて出塁し、チームの初得点となるホームを踏んだ。第2打席では高めのボールをしっかりと叩いて、三遊間を破るヒットを放ち、第4打席でもピッチャーの足元を抜くセンター前ヒット。4打数3安打の猛打賞という活躍をみせた。

守備と走塁はもう十分なレベルにあるだけに、現在は下位打線を打っている打撃の向上が鍵となる。スピードを生かすにはやはり1番or2番を務めたいところで、そのためにもこの試合のような打撃を継続したい。いわゆる「いぶし銀」と言われるタイプの選手であるが、チームにとっては欠かせない外野の柱である。

2023090常総学院 池田2
2023090常総学院 池田


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2023年の高校生ドラフト候補を勝手にランク付け【最終版】

一応まだ国体もありますが、U18日本代表の活動も終わり、高校生ドラフト候補の評価対象となる試合は終わったかと思います。
なのでドラフト会議に向けて、高校生ドラフト候補一覧とランク付けの最終版を載せたいと思います。

Sランク:ドラフト1位筆頭(競合クラス)
Aランク:ドラフト上位候補
Bランク:ドラフト3~4位候補
Cランク:ドラフト下位候補


~Sランク~
佐々木麟太郎(花巻東)内
前田悠伍(大阪桐蔭)投

20230828高校日本代表 前田
U18日本代表でもエースとしてチームを優勝に導き評価をあげた前田


~Aランク~
日當直喜(東海大菅生)投
東松快征(享栄)投
堀柊那 (報徳学園)捕
坂井陽翔(滝川第二)投
真鍋慧 (広陵)内

20230328東海大菅生 日當
久しぶりに東海大菅生から高卒でのプロ入りが濃厚な大型151㌔右腕日當


~Bランク~
高橋煌稀(仙台育英)投
湯田統真(仙台育英)投
武田陸玖(山形中央)投内
木村優人(霞ヶ浦)投外
杉山遙希(横浜)投
横山聖哉(上田西)内
松本大輝(智弁学園)外
福田幸之介(履正社)投
森田大翔(履正社)内
森煌誠 (徳島商)投
佐倉侠史朗(九州国際大付)内
百崎蒼生(東海大熊本星翔)内
明瀬諒介(鹿児島城西)内
黒木陽琉(神村学園)投
東恩納蒼(沖縄尚学)投

20230828高校日本代表 武田
U18日本代表でも二刀流で活躍した武田は投手・野手のどちらとして指名されるのか注目


~Cランク~
西村昴浩(白樺学園)投
千葉隆広(旭川明成)投
熊谷陽輝(北海)投内
阿部堅心(東海大札幌)投
細野龍之介(札幌新陽)投
成田晴風(弘前工)投
中澤恒貴(八戸学院光星)内
仁田陽翔(仙台育英)投
尾形樹人(仙台育英)捕
山田脩也(仙台育英)内
大内誠弥(日本ウェルネス宮城)投
ハップス大起(東北)投
菅井颯 (日大山形)投
盛永智也(国学院栃木)投
黒崎翔太(文星芸大付)捕
小玉湧斗(健大高崎)投
ドミンゴス・マルセロ・キヨシ(桐生第一)投外
清水麻成(樹徳)投
星野ひので(前橋工)外
小野勝利(花咲徳栄) 内
平野大地(専大松戸)投
菰田朝陽(拓大紅陵)外
早坂響 (幕張総合)投
高橋蒼人(帝京)投
篠崎国忠(修徳)投
中村海斗(明大中野)投
緒方漣 (横浜)内
山内教輔(東海大相模)外
田上優弥(日大藤沢)内
林謙吾 (山梨学院)投
高橋海翔(山梨学院)投
平井智大(駿台甲府)投
高橋史佳(日本文理)投外
青野拓海(氷見)捕内
高見澤郁魅(敦賀気比)内
鈴木叶 (常葉大菊川)捕
近藤愛斗(浜松開誠館)投
新妻恭介(浜松開誠館)捕
天野京介(愛産大工)投
山田渓太(大垣日大)投
野田泰市(三重)外
中山勝暁(高田)投
小笠原蒼(京都翔英)投内
中山優月(智弁学園)投内
青山達史(智弁和歌山)内外
南恒誠 (大阪桐蔭)投
南川幸輝(大阪桐蔭)捕
小川大地(大阪桐蔭)内
西稜太 (履正社)外
小林隼翔(広陵)内
高野颯太(三刀屋)外
升田早人(光)投
寿賀弘都(英明)投外
大室亮満(高松商)投
河内康介(聖カタリナ学園)投
寺地隆成(明徳義塾)捕内
藤田悠太郎(福岡大大濠)捕
江口翔人(西日本短大付)内
河野戴駕(小倉)内
松石信八(藤蔭)投
直江新 (九州学院)投
玉木稜真(東海大熊本星翔)投
村山源 (鹿屋中央)内
仲田侑仁(沖縄尚学)内
知花慎之助(沖縄尚学)外



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新世代(2024)のドラフト候補を勝手にランク付け【高校生編】

各地では高校野球の秋季大会も始まっているので、新世代(2024年の)ドラフト候補たちをまとめてみました。
秋季大会を見る上で参考にでもして頂ければと思います。


~Sランク~
まだ該当者なし

~Aランク~
洗平比呂(八戸学院光星)投
片井海斗(二松学舎大付)内
津嘉山憲志郎(神戸国際大付)投
高尾響(広陵)投

20230811広陵 高尾
完成度が高く実力としては新世代No1投手との呼び声高い高尾


~Bランク~
岡本琉奨(八戸学院光星)投
小川哲平(作新学院)投
清水大暉(前橋商)投
箱山遥人(健大高崎)捕
小宅雅己(慶應義塾)投
森駿太(桐光学園)内
伊東尚輝(愛工大名電)投
平嶋桂知(大阪桐蔭)投
境亮陽(大阪桐蔭)投外
ラマル・ギービン・ラタナヤケ(大阪桐蔭)内
徳丸快晴(大阪桐蔭)外
川勝空人(生光学園)投

20230429前橋商 清水
190㎝の長身からMax148㌔のストレートを投じる清水

20221030大阪桐蔭 ラマル
2年生ながら大阪桐蔭の4番を務めたラマル


~Cランク~
田中稜真(旭川実)投
幌村魅影(北海)内
小松龍一(花巻東)投
武藤陽世(仙台育英)投
佐々木広太郎(仙台育英)投
鈴木拓斗(仙台育英)外
小林芯汰(常総学院)投
武田勇哉(常総学院)内
三井雄心(浦和学院)内
石塚裕惺(花咲徳栄)内
冨士大和(大宮東)投
梅澤翔大(専大松戸)投
中山凱(専大松戸)内
千葉雄斗(木更津総合)投
颯佐心汰(中央学院)投内
菊地ハルン(千葉学芸)投
西崎桔平(帝京)投内
宇野真仁朗(早稲田実業)内
青木朔真(横浜)投
紺野凌生(横浜)投
椎木卿五(横浜)捕
井上葵來(横浜)内
藤田琉生(東海大相模)投
加藤右悟(慶應義塾)外
中村優太(桐光学園)捕内
矢竹開(桐光学園)外
岡田翔豪(東海大甲府)内
茨木佑太(帝京長岡)投
佐宗翼(星稜)投
竹田海士(北陸)投
大泉塁翔(愛工大名電)投
山田頼旺(中京大中京)外
小船翼(知徳)投
十川奨己(立命館宇治)投
松本大和(天理)内
大谷汰一(天理)外
南陽人(大阪桐蔭)投
安福拓海(大阪桐蔭)投
髙木大希(履正社)投
今坂幸暉(大阪学院大)内
今朝丸裕喜(報徳学園)投
西村大和(報徳学園)内
槙野遥斗(須磨翔風)投
村上泰斗(神戸弘陵)投
三浦尊神(おかやま山陽)投
三宅一誠(おかやま山陽)投
只石貫太(広陵)捕
平悠真(高知)投
田端竜也(九州国際大付)投
高田大賀(福岡大大濠)内
河野伸一朗(宮崎学園)投
正林輝大(神村学園)外



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高校日本代表×大学日本代表候補【U18日本代表壮行試合】

8/28 U18日本代表壮行試合
高校日本代表×大学日本代表 @東京ドーム

試合経過

今年も国際大会に臨むU18日本代表(=高校日本代表)が、大学日本代表と対戦する壮行試合が開催。会場は初めて東京ドームで行われた。

先攻の高校日本代表は、先頭の寺地がいきなり、大学代表先発の下村の151㌔のストレートをレフト前に弾き返し、2番橋本が送ってチャンスメイク。しかし変化球も使い出してギアをあげた下村は、3番丸田を3球三振に仕留めると、4番森田からもカットボールで三振を奪い先制を許さない。大学日本代表は1イニングごとに投手が代わり、普段先発をしているエース級投手が、1イニングを全力で放るので、3回まで下村→草加→武内と東都の3投手が全員150オーバーをマークし、初回以外は高校日本代表にチャンスを与えない。
20230828高校日本代表 寺地
プレイボール初球をヒットにした寺地

大学代表は、高校代表の先発前田に2回無失点に抑えられたものの、毎回ランナーは出していた。すると4回には2番手の森に対して、5番上田希が1・2塁間を破るヒットを放ち盗塁を決めると、進藤もセンター前で続いて1・3塁として、7番渡部の犠牲フライで先制。さらに左が続くと言うことで、馬淵監督はサプライズで招集した左のサイドスロー矢野をマウンドに送る。ただ矢野は勢いを止めることができず、大学代表は8番の主将中島がレフト線へタイムリー3ベース、9番熊田もセンター前にタイムリーを放ち、この回一挙3点を先制する。
20230828大学日本代表 中島
先制タイムリーを放った主将の中島

勢いが出てきた大学代表は5回裏、3番宗山が4番手安田の得意のチェンジアップをセンター前に弾き返し出塁すると、5番上田希が初球の高めのストレートをライトスタンドに放り込む2ランホームラン。明治大コンビの活躍で、大学代表が5ー0とリードを広げた。
20230828大学日本代表 上田希1
2ランホームランを放った上田希

大学代表投手陣は5回には細野が衝撃の158㌔をマークし、6・7回は岩井→木村→古謝が2/3イニングずつパーフェクトリレー。8回は蒔田が抑え、5回以降高校代表をノーヒットに抑えた。

高校代表は8回裏には、おそらく馬淵監督が1番頼りになる投手として、最後までとっておいた高橋をマウンドに送るも、ここでも大学代表がその力を見せつける。先頭の中島が四球で出塁して、初球にすかさず盗塁を決め、宮下がレフトオーバーのタイムリー2ベース。さらに佐々木・宗山・西川の3連打で2点を追加して、8ー0とリードを広げる。
20230828高校日本代表 高橋
満を持して登板した高橋だったが大学生に力の差を見せつけられ3失点

大学代表の9回のマウンドには、春の全日本大学野球選手権優勝投手である常廣が上がり、こちらも自己最速を更新する155㌔をマークして3者凡退。大学代表は10人の投手が登板したが、無四球10奪三振での完封リレー。大学代表が先輩の力を見せつけ、8ー0で完勝した。
20230828大学日本代表 常廣
自己最速をマークし最終回を3人で締めた常廣


20230828高校日本代表×大学日本代表
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください


大学代表投手陣の球の速さが際立った試合であった。普段は先発を務める各校のエースが1イニングのみの登板とあって、出力はアップし、登板した10投手中7投手が150㌔オーバー。武内が153㌔、細野が158㌔、常廣が155㌔とドラフト1位候補の3人が自己最速を更新した。特に圧巻であったのが、細野で左腕としては日本人2位タイとなる158㌔をマークし、これには観衆も大きくどよめいた。
20230828大学日本代表 細野
自己最速となる158㌔をマークした細野

これらのボールは高校生からしてみれば、ほぼ見たことのないレベルのボールであり、それをなれない木製バットでとらえるのは至難の業であり、実際にすべて単打の3安打で完封負け。投手陣も大学打線を抑えていたといえるのは、エースとして期待され、この試合でも先発を任され2回無失点に抑えた前田くらいであり、他の投手は失点がなくても、何とか抑えたという印象であった。力の差は歴然であったが、それは単なる年代の差だけではなく、選考方法にも問題があるように思えた。
20230828高校日本代表 前田
前田は2回無失点で高校投手陣の中で唯一大学生に通用していた

野球界では今年WBCで侍ジャパンのトップチームが、速球派の投手中心の布陣で見事に優勝。大学代表もこれに倣ってか、選考合宿ではスピードに加えて回転数まで計測し、それらのデータを元に、速球派の投手陣を揃えた。それが功を奏したか、敵地(アメリカ)で行われた日米大学野球選手権では2007年以来となる優勝を果たした。

対する高校代表は、最速は高橋の149㌔で、その次は森の146㌔で、150㌔オーバーは0とスピードではやや物足りなかった。ただそもそも湯田・日當・坂井といった本格派のスピード自慢は選ばれていない。投手に限らず、野手においてもバントができる選手を選んだということで、佐々木・真鍋・佐倉・明瀬といったスラッガーは選外。日本の野球が力で世界を制する時代が来たと言うのに、何とも残念なことである。とはいえ高校代表として選ばれた選手は、今年の高校野球界で素晴らしい成績を収めた逸材ばかり。9/1から始まるU18W杯で、上の世代に続いての、世界一の称号獲得に期待したい。


Pickup Player
上田希由翔 明治大4年
~大学最高峰の打者が見せつけた2ランを含む3安打~
大学代表の投手陣の力が目立った試合ではあったが、打者では5番DHで出場した上田希が2ランホームランを含む3安打とその力を見せつけた。

上田は愛産大三河で高校通算46ホーマーと注目を集めたスラッガー。1年秋から4番を務めると、2年夏の東愛知大会では打率.565をマークし、チームを22年ぶりに甲子園に導いた。甲子園では初戦で横浜と対戦し、板川(日本通運)・及川(阪神)の2人の左腕から2安打を放つも、チームとしては完封負け。2年秋からはエース主将も務め、3年春にはU18日本代表の1次候補メンバーにも選出され、合宿にも参加。3年夏は当時2年生の中京大中京の高橋(中日)の前に完封負けとなってしまった。

明治大に進むと、」1年秋のリーグ戦から4番ファーストとして出場し、リーグ5位となる打率.344の活躍。以降4年春まで明治大の4番を務め、3年春から4年春までは3季連続でベストナインを受賞、この間リーグ戦3連覇も達成。4年(今年の)春も、打率.372・3本塁打・打点15という素晴らしい成績を収め、全日本大学野球選手権でも準優勝。大学日本代表には3年生の時から選ばれており、今年も2年連続で日本代表のユニフォームに袖を通し、途中牽制球が直撃して負傷するというアクシデントもあったものの、5番打者として日米大学野球選手権優勝を果たした。

この壮行試合でも同様に5番ファーストとして出場した。まず第1打席では前田の142㌔のストレートをうまくレフト前に運ぶヒット。第2打席では森の143㌔のストレートを捉えて1・2塁間を破るヒットを放つと盗塁を決めてチャンスを広げ、中島のタイムリーで先制のホームを踏んだ。そして第3打席では初球の高めのストレートを捉えると、打球はライトスタンドへと飛び込む2ランホームランとなった。その後の2打席は凡退に倒れたものの、5打数3安打2打点2得点という活躍で、大学日本代表打線を牽引した。

1年秋から明治大の4番を打つ上田も、いよいよ大学最後のシーズンを迎える。チームとしては2年連続での神宮大会制覇が目標だろうが、個人としてはドラフト会議を控える。上田の特徴は6シーズンにわたって4番を務めるも、大崩れしない安定した打力に加えて、この試合で盗塁を決めたようにスラッガーとしては上々の走力、さらにファースト・セカンド・サード・外野と守備もマルチにこなせるのでプロでも使い勝手はいい。立派なドラフト1位候補であり、ドラフト会議ではどの球団から名前が呼ばれるのか楽しみである。
20230828大学日本代表 上田希2



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夏の甲子園のベストナインを選んでみる【2023下級生編】

前回夏の甲子園のベストナインを選んでみましたが、今回は秋から始まる新世代への期待も込めて、甲子園に出場した下級生(2年生以下)で活躍したでベストナインを組んでみました。

なお選考基準はプロ注だからとか関係なく、大会での成績のみを基準としております。


ピッチャー
小宅雅己 慶応義塾2年

慶応義塾の2年生エースは決勝までの全5試合に登板して、28イニングで2失点、防御率0.64と今大会のMVP級の活躍。特に準決勝の土浦日大戦では完封に加えて自ら先制タイムリー。決勝の仙台育英戦では5回無失点リリーフと、疲れの見えてくる大会終盤での素晴らしい投球が光った。
20230811慶応義塾 小宅


キャッチャー
大石広那 北海2年

高いキャッチング技術を誇り、ブーメラン継投の投手陣を巧みにリード。打っても9番打者ながら、明豊戦ではタイブレークで激戦に終止符を打つサヨナラタイムリー。浜松開誠館戦でもバントや四球を含めて2打数2安打と打撃面でも貢献が大きかった。
20230810北海 大石2


ファースト
残念ながら該当者なし



セカンド
知花琉綺亜 智弁学園2年

背番号は17ながら、力強く、しぶとさもある打撃で、セカンド・サードして全試合にスタメン出場。英明戦では3安打を放ち、特に9回裏に同点に追いつく口火となった3ベースは基調であった。続く徳島商戦でも好投手の森から、3打席連続タイムリーを放ち5打点の活躍をみせ、大会通じて14打数7安打の打率.500、3ベース2本の活躍であった。
20230813智弁学園 知花


サード
湯浅桜翼 仙台育英2年

巧みなバットコートロールで2年生ながら仙台育英の3番を務めた巧打者は、初戦の浦和学院戦では走者一掃のタイムリー2ベースを放ち2安打3打点、続く聖光学院戦では2ベース2本を放つなど3安打5打点と、大会序盤から打点を量産し、今大会トップの9打点、打率.333の活躍で準優勝に貢献した。
20230812仙台育英 湯浅


ショート
中山凱 専大松戸2年

専大松戸の大型ショートは、初戦となった東海大甲府戦では2ベースヒットに、先制の犠牲フライ。続く土浦日大戦は敗れはしたものの3安打猛打賞の活躍を見せた。ショート守備でも柔らかさと、正確な送球でエース平野不在の、チームを盛り立てた。
20230812専大松戸 中山


外野
正林輝大 神村学園2年
神村学園の4番を務めた2年生は、群を抜く打球スピードで、初戦の立命館宇治戦で4安打3打点と大当たり。その後も市和歌山戦でもタイムリーを含む2安打、おかやま山陽戦では8回に均衡を破る貴重なタイムリーを放つなど、全5試合でヒットを放ち、打率.435マークをした。
20230809神村学園 正林
上川床勇希 神村学園2年


ち前のバットコートロールの良さで、初戦から立命館宇治戦、市和歌山戦と連続でマルチ安打を放つと、北海戦では4安打3打点の大活躍で大会通じて打率.500をマーク。北海戦では1・3塁で、1塁ランナーの盗塁間にホームインするなど走塁も良く、おかやま山陽戦まで4試合連続で得点をマークした。
20230809神村学園 上川床


鈴木拓斗 仙台育英2年
センバツではベンチ外だったものの、そこから持ち前の打撃に磨きをかけてレギュラーを掴んだ次世代スラッガーは、履正社戦で先制2ランを放つと、準決勝の神村学園戦でもバックスクリーン横に2ランホームラン。花巻東戦でも3打点をあけ、2本塁打9打点で大会2冠王に輝いた。
20230812仙台育英 鈴木



惜しくもベストナインには選ばれなかったものの、各ポジションで候補としてノミネートされていた選手は以下の通りでした。

投手:洗平(八戸学院光星)、高尾(広陵)、松延(鳥栖工)
捕手:只石(広陵)、麹家(市和歌山)
一塁:
二塁:中本(土浦日大)
三塁:権田(大垣日大)
遊撃:幌村(北海)、今岡拓(神村学園)
外野:加藤(慶応義塾)、大井(土浦日大)

以上です。異論は認めます。


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